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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 異人たちとの夏 semスキン用のアイコン02

  

2009年 11月 28日

異人たちとの夏_a0035172_21513912.jpgこの作品は本来、美しきホラー映画になるべきものであったと思う。
片岡鶴太郎と秋吉久美子演じる両親との暖かい再会と名取裕子演じる女性との恋愛。この2種類の死者達との邂逅/交流のストーリーを同列に見なければ物語の真意は掴めない。ファンタジーの裏側にあるグロテスクさ。その妖しさに僕らは惹かれるのだ。
異人という幻想的な物語の中でグロテスクさを一身に引き受けてしまった名取裕子の存在を否定したい気持ちは分からないでもないが、そもそもそれは物語として一体なのだから仕方がない。異界との交流を描くファンタジーとは、常にそういうグロテスクさの地平の上で描かれるべきものである。誰もがノスタルジックな気分に浸れる両親との切ない別れのシーンは確かに泣けた。それと対比するはずだった恋人とのおぞましき対決シーン。本来はその対比にこそ作品としての、又、映像としてのクライマックスがあるべきなのだが、出来栄えが、、、何ともチープな超B級特撮とは。。。確かにちょっと言葉を失うけど、「ハウス/HOUSE」や「漂流教室」の大林宣彦監督だから、それはそれで仕方がない。。。というか、やっぱりもったいなかったよなぁと思う。 1988年日本映画(2004-04-07)

by onomichi1969 | 2009-11-28 21:53 | 日本の映画 | Trackback | Comments(0)

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