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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 小津安二郎作品 備忘録 semスキン用のアイコン02

  

2008年 05月 13日

一人息子 (1936年)
飯田蝶子がいい味を出している。戦前の東京の風景。職を落としていく笠智衆が悲しい。

戸田家の兄妹 (1941年)
高峰三枝子がとても可愛らしい。三宅邦子のいじわるな役が意外ながら堂に入っている。佐分利信は痛快だった。ハッピーエンドな東京物語。

父ありき (1942年)
親子での釣りのシーン。料理屋での会話。そしてラスト。涙なしには観れない。笠智衆と佐野周二、2人とも素晴らしい。本当の信頼関係とは予定調和とも思える短い会話でも成り立つ。

長屋紳士録 (1947年)
また飯田蝶子がいい。海岸のシーンの切なさ。これもラストシーンが秀逸。

風の中の牝鶏 (1948年)
田中絹代のセリフ回しが独特の雰囲気をもたらす。すさまじき階段落ち。終戦後の東京下町。全体的に寂れた感じ。

晩春 (1949年)
原節子登場。美しくて上品で、画面を一瞬にして変える。笠智衆との親子関係は微妙なエロチシズムをも醸し出す。不思議な味わい。杉村春子と月丘夢路もいい。北鎌倉の風景が印象的。

宗方姉妹 (1950年)
田中絹代と高峰秀子と上原謙。小津映画っぽくない。でも、高峰秀子は他の映画になく可愛らしい、女ノンちゃん。

麦秋 (1951年)
原節子の微笑。今度は笠智衆と兄妹でまた違った関係性をみせる。三宅邦子との海岸のシーンが秀逸。淡島千景と原節子の会話も面白い。

お茶漬の味 (1952年)
佐分利信が最高に素晴らしい。泣けてくる。鶴田浩二のノンちゃんもいい感じ。大事な話はちゃんと座ってするものである。

東京物語 (1953年)
原節子の告白シーン。笠智衆が一人佇むラストシーン。とても深い味わい。ここに極まれり。香川京子が清楚。

早春 (1956年)
岸恵子が小悪魔的な役柄。対照的な淡島千景。最後は笠智衆に救われる。湘南も田舎だ。

東京暮色 (1957年)
暗い映画。有馬稲子はひねた感じの表情がいい。山田五十鈴が深い。前作と共にアンハッピーエンド。

彼岸花 (1958年)
佐分利信の親父役は笠智衆と違った味わいがある。田中絹代との夫婦は貫禄十分だ。

浮草 (1959年)
異色作。若尾文子のキスシーンまである。けどやっぱり小津。

お早よう (1959年)
佐田啓二と久我美子の駅でのシーンに尽きる。会話と言っても相手の言葉をただ反復しているだけなのに、分かり合える。そばにいて貴方の言葉を受け止めること、そこにいるというそのことだけで十分にいいことなのだと。小津作品の真骨頂というべき象徴的なシーンである。

秋日和 (1960年)
北龍二、佐分利信、中村伸郎のおじさんトリオと岡田茉莉子の掛け合いが面白い。原節子と司葉子の母娘役が美しい。逆の晩春パターンと考えれば、この映画も原節子が主役。

小早川家の秋 (1961年)
オールスターキャスト。森繁久弥と加東大介は社長シリーズだ。団令子、小林桂樹まで出ているし。。原節子と司葉子の並び座るシーンなど、構図がとても綺麗な映画。

秋刀魚の味 (1962年)
岩下志麻が可愛らしい。佐田啓二と岡田茉莉子の夫婦は新しい世代の現実的な味わい。余計なものを全部剥ぎ取ったようなシンプルさ。そこから滲み出てくるもの。

by onomichi1969 | 2008-05-13 00:18 | 日本の映画 | Trackback | Comments(0)

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