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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 "Footloose"(1984) semスキン用のアイコン02

  

2007年 12月 02日

\"Footloose\"(1984)_a0035172_1123477.jpg僕の中で、映画のサウンドトラック・ベスト3と言えば、”Saturday Night Fever”(1977)『サタデー・ナイト・フィーバー』、”Fast Times at Ridgemont High”(1982)『初体験リッジモント・ハイ』、そして、僕らの世代の代表として、”Footloose”(1984)『フットルース』を挙げたい。

それぞれに思い出のあるアルバムであるが、今回は『フットルース』の紹介である。
アメリカで先行ヒットしたことを受けて、映画が日本で公開されたのが1984年の夏頃と記憶する。日本公開前には、主題歌であるケニー・ロギンスの『Footloose』とデニス・ウイリアムスの『Let’s Hear It for The Boy』が続けてビルボードチャートのNo.1を獲得し、そのことが大きな話題となっていた。当時、中学生だった僕らも公開早々に友達同士でこの話題の映画を観にいったが、その話題性の中心は何といってもサントラを含めた「音楽」の魅力に尽きていたと思う。映画と同時にサントラも借りてダビングし、その夏は映画と音楽が一体になったような形で「フットルース」が流行アイテムとなっていた。

このアルバムからは他にマイク・レノとアン・ウィルソンのデュエット『Almost Paradise』(パラダイス~愛のテーマ)が全米7位、シャラマーの『Dancing in the Sheets』が全米17位、ボニー・タイラーの『Holding Out for a Hero』(ヒーロー)が全米34位を記録する。
その後、日本では、『Almost Paradise/パラダイス~愛のテーマ』が「金曜の妻たちへ」の主題歌になり、『Holding Out for a Hero/ヒーロー』を麻倉未稀がカバーして「スクール・ウォーズ」の主題歌(葛城ユキの先行カバーもあったが)となり、また、Moving Picturesの『Never/ネヴァー』をMIE(元ピンクレディー)がカバーして「不良少女とよばれて」の主題歌となる。

『フットルース』のサントラ盤に収められた曲は、全て映画の為のオリジナルソングであり、歌詞も映画の脚本家の手によるものだった。そのサントラから次々にヒット曲が生まれる。その後は珍しくなくなったが、映画におけるサントラの位置づけはこのアルバムによって大きく変わっていったと思われる。

当時、僕らの中学校では、運動会でクラス単位に4つのチームを編成し、大人数での創作ダンスを披露するのが恒例であったが、その年の秋に開かれた運動会の創作ダンスは、僕らのチーム以外、全て『フットルース』からの選曲であった。『Footloose』と『I’m Free』と『Holding Out for a Hero』だ。そして僕らだけがビリー・ジョエルの『Tell Her About It/あの娘にアタック』で、何となく流行から外れていたような気がしたものだった。。。

いずれにしろ、このサウンドトラックがひとつのオリジナルアルバムとして捉えられ、ヒット曲を連発する。日本でも同じように様々なタイアップによって、アルバム自体をさらなる売れ線に押し上げていく。このアルバムがそういった商業的流れを確実に捉え、前年のマイケルジャクソンの活躍やブリティッシュ・インベージョンの流行を引き継ぐ、その後の洋楽ブームの先鞭となったことは間違いない。映画やTVは、そのプロモーションとしての「音楽」というメディアを確信的に得たのと同時に、音楽自体のPV(プロモーションビデオ)と効果的に相乗していく。この動きの中でそれら複合化による総合的なタイアップの商業効果がサントラブーム/MTVブームという形で証明されていったわけだ。この流れはそのまま80年代中期の様々な媒体を包含した洋楽ブームのコマーシャリズムそのものと直結していくことになる。

"Footloose"(1984)の話に戻る。このアルバムは確かに名曲揃いであるが、その中でも我らがHeartのお姉さん、アン・ウィルソンが実質的にバラード・シンガーとして認められた『Almost Paradise/パラダイス~愛のテーマ』が特に素晴らしい曲だと思う。この曲のヒットは、その後のハート3部作へと確実に繋がっている。男性パートのマイク・レノ(カナディアン・ロッカーズ、ラヴァー・ボーイのボーカリスト)もここでのヒットがその後の『トップガン』挿入歌のヒットに繋がったわけだが、それを言ったらケニー・ロギンスも同じで、サウンドトラック・シンガーとでも言うか、、、そのイメージに易々とのってしまったことが彼らにとっていいことだったのかどうなのか、結局のところ僕にはよく分からないけど。

<補足>
全くの余談だが、『フットルース』の出演者、ケビン・ベーコン、ジョン・リスゴー、ダイアン・ウィースト、サラ・ジェシカ・パーカー、クリス・ペン。今、これらのキャストで考えられる映画は、爽やかな青春ラブストーリーというよりも、猟奇的心理サスペンスといったところが妥当だろう。それも誰が犯人役でもおかしくない。。。当時は、ケビン・ベーコンの潔い青年役やジョン・リスゴーのお堅い牧師役が結構はまっていたと思っていたが、今では考えにくい配役だ。。。

『フットルース』映画評(のようなもの)

by onomichi1969 | 2007-12-02 18:19 | 80年代ロック | Trackback | Comments(2)

Commented by bigblue909 at 2007-12-04 09:18
え~~サラ・ジェシカ・パーカーも出てたんですか! もう最後に観たのは何年前だか覚えてないぐらいなので・・・確認したくなってきました(笑) クリス・ペンも今は亡き人になってるし、本当に昔の映画って、あとで見直すと感慨深いですよね。
というわけでフットルース。曲がホント良かった。ケニー・ロギンスってどうしてるんだろ? と思うけど、80~90年代にかけて活躍したリチャード・マークスとかも、たまにワゴンセールで激安で売ってるのをみかけます。当時、ああいう張りのある甘い声とメロメロな曲がもてはやされたけど、今は全然ダメってことなんでしょうね。聴くに耐えない汚い音楽が多い中、なんだか悲しいです。
Commented by onomichi1969 at 2007-12-05 00:57
BBさん、こんばんわ。
クリス・ペンって亡くなったんですね。知りませんでした。。『レザボア・ドッグス』と『ランブル・フィッシュ』が印象に残っているかなぁ。
リチャード・マークス!いましたね。甘い声とメロメロの歌かぁ。なるほど。まぁ、そういう時代でしたから。ワム!とかカルチャー・クラブとか。今の人からしたら、たぶん、すごくタルいんじゃないかなぁとは思うけど。
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