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semスキン用のアイコン01 A.R.B. 『Bad News』(1980) semスキン用のアイコン02

  

2006年 03月 05日

a0035172_12393761.jpg石橋凌がグループを脱退し、A.R.B.が活動停止するという"bad news"が伝えられている。
僕自身はA.R.B.のファンというわけではないので、そのことに対する感慨は特にない。まだやっていたのか?という思いも正直あった。僕はどちらかと言えば俳優石橋凌のファンで、それも人気ミュージシャンあがりの性格俳優として、また日本人としてハリウッドに果敢に挑戦した俳優(結局成功したとはいえないけど)として、そして、故松田優作の魂を受け継ぐその意志そのものに対して、僕は石橋凌が好きなのである。
彼が最初に俳優宣言した頃、A.R.B.の当時のラストコンサートに僕は行った。それが俳優宣言の後なのか、前なのか記憶にないけど、とにかく彼の当時は無謀と思われた「俳優転向」という、その意志に対して、僕は喝采した。自らの音楽歴を封印することが彼の純粋なる意思であること、A.R.B.の人気ボーカリストに安住するのではなく、常に新しいものに挑戦することが(その無謀さを含めて)彼のロック哲学であること、そのことを強く感じたものだった。
当時のラストコンサートのステージ上で彼がロックを志した頃に好きだったトムウェイツの歌をアカペラで歌ったのを今でも憶えている。
おそらく当時の彼の俳優歴と言えば松田優作の遺作"ア・ホーマンス"や"Aサインデイズ"くらいなものであろう。映画という世界で彼がどれだけ松田優作の影響を受けたのか、それは僕らには分からないが、そんな俳優としてはアマチュアに毛が生えた程度のキャリアの人間が、松田優作の志を受け継ぐというそれだけの理由で人気ミュージシャンの道を自ら閉ざし、俳優に転進する、それもハリウッドに進出するとは誰も思わなかったはずなのだ。

本題(アルバム紹介)に入る。。。A.R.B.のアルバムでは、2ndの"Bad News"(1980)と3rd"Boys & Girls"(1981)が傑作と言われており、2つとも80年代後半のバンドブームの頃には日本ロックの名作として必ず挙げられていた作品だ。この2つのアルバムはかなり色合いが違うと僕には思われるが、僕が好きなのは圧倒的に2ndの方である。個々の曲のかっこよさ、ダークでシャープな味わい、その独特のスピード感はこの2ndアルバム特有のものである。『乾いた花』から『ノクターン・ラブ』、『おまえはいつも女だった』に続き、ライブの臨場感溢れる、そして田中一郎のギターが炸裂する名曲『TOKYO CITYは風だらけ』まで、このAサイドの流れは全くもって言うことなしである。
それから、『空をつき破れ』や『Tiger』など、後半もその勢いは止まらず、アルバムを通して疾走するビートサウンドとある種の苛立ちや性急さ、所謂ロック的な切実感がこの名作を貫いている。
それに比べれば、"Boys & Girls"はかなりポップよりだが、2ndのシャープさが消え、全体的に散漫な印象を拭えない。(1曲目と11曲目はとてもカッコいいけど。。。)
というわけで、僕にとってはA.R.B.と言えば、"Bad News"である。シングルとしては、『After'45』や『魂こがして』など、幾多の名曲もあるが、オリジナルアルバムとして1枚選ぶとすればやはりこの2ndに尽きる。

最後に、、、崔洋一監督の『Aサインデイズ』は僕の大好きな作品で80年代の邦画としてはかなり高い水準のものであると思っている。その映画に主演した石橋凌。その作品での主人公の生き方に今の石橋凌の生き様がダブる。ショーンペン監督の『クロッシング・ガード』に出演した石橋凌。それを観た時の驚きと感動。この2つの作品により、僕は石橋凌という人間、その生き方を支持する。
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by onomichi1969 | 2006-03-05 12:55 | 日本のロック | Trackback(1) | Comments(0)

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Tracked from 1-kakaku.com at 2007-01-05 14:06
タイトル : Aサインデイズ
沖縄がまだアメリカに占領され、ベトナム戦争へ向かう米軍兵士でごった返していた1960年代後半、ハーフの少女エリ(中川安奈)は米軍から風俗営業の許可をもらった店、Aサインバーでライヴを行っているバンド、バスターズのヴォーカル、サチオ(石橋凌)に惹かれ、やがて歌うことの喜びも見出しつつ、彼と結婚。しかしサチオは時代の波についていけず、バンドから脱落していく…… 。沖縄在住のヴォーカリスト喜屋武マリーの半生を記した利根川裕の『喜屋武マリーの青春』を原作に、崔洋一監督が演出に当たった青春音楽映画。...... more
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