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semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse "Everybody Knows This is Nowhere"(1969) semスキン用のアイコン02

  

2005年 03月 05日

a0035172_2211693.jpgニール・ヤングは、プログレッシブである。
いきなりトンでもないタイトルで初めてしまい、なんとなく薄ら寒い空気が吹き抜けたような気がする。。。
昔、ニール・ヤングというのがいわゆるカントリーロックに分類されていて、そのカントリーロックなるもののイメージが僕には性に合わず、30歳近くになるまで彼のアルバムをマトモに聴いたことがなかった。実際に唯一持っていたCSN&Yの中のヤングの曲にもそれほど惹かれるものはなかったし、年齢的なものもあってか、僕としては、もっとハツラツとしたロックンロール、ヘビィなハードサウンドのファンだったからそれはそれで仕方のないことだったのかもしれない。しかし、これらは全くの偏見であった、ということを僕はその後にようやく知ることになる。
ヤングのアルバムを初めて聴いたのは”Harvest”(1972) であり、”After the Gold Rush”(1970) であった。まあ、これは順当なところだろう。しかし、僕のヤング観を決定付けたのは何と言っても”Everybody Knows This is Nowhere”(1969)であり、”Tonight's the Night”(1975)、”Zuma”(1975)であり、”Comes a Time”(1978)である。
始めに戻ると、、ニール・ヤングはプログレである。これは彼のアルバムが音に対してとても繊細であり、その辺りを突き詰めて聴いてみると、これがわりと単純ではないことに気がつくからだ。彼の若々しさが溢れ、ゴツゴツしたバンドサウンドが特徴のクレイジーホース名義の”Everybody Knows This is Nowhere”にしてもそうだし、カントリーロックの傑作と呼ばれる”Comes a Time”にしてもそうだ。その繊細さ、人間内面を追及するが如し音への突き詰め、その構成力は、まさにピンクフロイドに比すと言いたいのである。
まぁ天下のニール・ヤングをピンクフロイドと比較したところで何だ?というところであるが、たまたまピンクフロイドを続けて聴いてみて思いついたことなので、さほどこのことに拘るつもりはない。。。
さて、彼のアルバムで今回紹介するのは、ソロ2作目、クレイジーホース名義の”Everybody Knows This is Nowhere”(1969) である。このアルバムは、バッファロー・スプリングフィールド的なサイケサウンドから、その後のカントリーロック(僕はこの言葉のもつ何となくのどかなイメージに違和感があるのだが。。)の傑作群に繋がる過渡期にあり、それでいて真っ当に実直にロックを追及したとてもストレートなアルバムである。
”01 Cinnamon Girl”から、”02 Everybody Knows This is Nowhere”、長丁場の”04 Down by the River”、”07 Cowgirl in the Sand”まで全くもって佳作揃いである。ここでの彼の楽曲は思いのほかにバラエティに富んでおり、尚且つ、改めて言えばやはりその音は繊細である。そこにはのどかさとは全く反対の切実さが溢れており、バラードの”03 Round & Round (It Won't Be Long)”など、真面目に聴いていると知らず知らずのうちに胸が詰まる。
”04 Down by the River”の実直ながら計算された長いインプロヴィゼーション的な間奏も素晴らしい。”07 Cowgirl in the Sand”のハードサウンドも痺れるくらいカッコいいのである。
彼のその後のプログレ的歩みを考えれば、まだこのソロ2枚目は序の口というところだろう。彼が70年代を代表するミュージシャンであることは言うまでもないが、それはあまりにも70年代という時代にリンクし、時代と一体となって人間の内面と音を突き詰めていった結果であり、カントリーロックなどというイメージの羊の皮を被りながら、その特異的な個性を音楽的に確立していった結果でもある。
その辺りについてはまた別の機会に書いてみたい。
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by onomichi1969 | 2005-03-05 02:35 | 60年代ロック | Trackback(2) | Comments(6)

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Commented by oldblues at 2005-03-05 10:35
「ニール・ヤングというのがいわゆるカントリーロックに分類されていて、そのカントリーロックなるもののイメージが僕には性に合わない」というのは僕も同じでした。これでずいぶん損をしていたと、今になって思います

onomichiさんと同じで、若いころはもっとギンギンのHRじゃないと物足りなく思っていたのです。やはり若気の至りというか、ニール・ヤングの深い魅力が理解できなかったのかな。
同じ理由でCSN&Yもあまり聞きませんでした。でも「オハイオ」は好きだったけどなあ
Commented by onomichi1969 at 2005-03-06 10:34
oldblues様
ニールヤングは奥が深いですね。そしてこの人結構緻密だと僕は思う。
兎にも角にも70年代を代表するミュージシャンだと思います。

何年ぶりかで風邪でダウンしてます。その前日には「ここ数年で免疫力アップ。風邪など引かん!」と豪語していただけに、ちょっとショックです。。。
Commented by teacherteacher at 2005-03-06 16:01
子供の頃、結婚したいと思っていた有名人がニール・ヤングだった。(すごい、趣味!)
病院で「Comes A Time」を、猿の様に聴いていたので、長生き出来たと信じています。
私にとって御守りみたいだ、Comes A Time・・ってレヴュウと関係ないな
カゼですか?栄養を摂って、ゆっくり休んでください~(´∇`)
喘息持ちの私は、カゼが、世界でいちばん怖い病です。
Commented by onomichi1969 at 2005-03-06 19:18
teacherteacher様
確かにすごい、趣味!かもしれませんが、
世界は自身の記憶と共に成り立つものです。その昔、ニールヤングと結婚したい日本人の女の子がいたという事実があったとしても、それについて何の問題もないし、何の不思議もありません。。 彼の歌に生を回復する治癒力(生きることに対する真摯な願い)があるのは事実ですから。

僕もニールヤングを聴いて元気になるとしましょう。
Commented by teacherteacher at 2005-03-12 23:00
onomichi1969様、ていねいな返答?どうもです!
バカ日記にも以前「Comes A Time」について、書いたのだけれど・・
あきれるほど、稚拙な文章で・・・orz
ニール・ヤングでは、障害のある息子のために作った「トランス」も好き(すごい!趣味)
Commented by onomichi1969 at 2005-03-13 11:31
teacherteacher様、
「Comes a Time」も素晴らしいですね。
僕も大好きなアルバムです。「アフター~」や「ハーヴェスト」、そして「今宵その夜」を経て、彼が到達した作品、それが「Comes a Time」なのだと思います。 ♪今がその時!
「トランス」は聴いたことがないです。。。(というか80年代以降は聴いていない) 

僕はニールヤングの音楽のまだ序の口に立ちずさんでいるだけなのかもしれません。奥が深い。。。
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