David Bowie “The Rise and Fall of Ziggy Stardust”(1972)
2005年 02月 20日
“Ziggy Stardust”オリジナル盤は、“Five Years”に始まり、“Rock 'n' Roll Suicide”に終わる、架空のミュージシャンZiggy Stardustと彼のバンドThe Spiders from Marsとの物語を綴るコンセプトアルバムである。
このアルバムは一つの世界を構成している。A面では、“Five Years”でまずその舞台設定が語られ、“Moonage Daydream”や“Starman”により、一人のカリスマ的(地球に堕ちてきた)ミュージシャンの存在が人々の心を開放する様、その強烈な願望が歌われる。その憧れは”Lady Stardust”の美しいメロディ、悲しみを帯びた歌声とともに昇華していく。B面は暗転サイドである。“Ziggy Stardust”や“Suffraette City”では、ヒーローたるZiggy Stardustの内面、その苦悩が叫ばれる。そして、クライマックスの悲劇“Rock 'n' Roll Suicide”に至り、静けさの漂う導入部から一転、末期の悲しみと美しさが一体となった劇的なシンフォニーと共に物語は終幕する。
孤高のミュージシャンZiggy Stardustは最後に自らを解放することにより、愛を叫ぶ。彼は何と言ったか?
“You’re wonderful gimme your hand !!!”
そして彼は自殺するのである。
言うまでもなく、少年はこの世界に痺れた。このアルバムはDavid Bowieというミュージシャンを神格化させるのに十分な魅力をもった作品だったのだ。音楽的にはフォーク的な味わい、シンプルな楽曲、充実した演奏も作品そのものに調和しているが、それ以上に、ひとりの男、ひとつの世界のRise and Fallを描ききったことにより、“Ziggy Stardust”はDavid Bowieの頂点にして、唯一無二の作品となったのである。まさにDavid Bowieは、K.WESTの下に佇むZiggy Stardustとして、この作品の中に永遠に封印されたのだと言える。ここには始まりと終わり、彼の誕生と栄光と苦悩の叫びとが共にがあり、それは永遠なのである。ミュージシャンとして、これ以上の暴挙とも言うべき輝かしい達成があるだろうか。。。
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David Bowie ”Station to Station”(1976)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2005-02-20 23:56 | 70年代ロック | Trackback(5) | Comments(15)
このところ街歩きには、iPodmini が欠かせません。 某サイトで、やたら電車のなかでiPodをにぎりしめてみせびらかしてる?ひとのことを揶揄して iPod厨 なんて毒づいている書き込みも見たけれど、それって、「game」機能のなかにある、 収録曲ランダム出題による曲の一部当てクイズ (4択。秒単位で選択肢が減っていき10秒でブブー) をやってヒマつぶしてる例を指すのかも。 これけっこうハマります。なんでiPodでゲームしてんだよ!っていうNo music, N...... more
スティーヴン・キング原作のドラマ『ゴールデン・イヤーズ』 ってのを見ました。 彼の原作では『ミザリー』『シャイニング』とか映画になるものが多いです。 『スタンド・バイ・ミー』もそうです。 音楽にも関係が有ったりして印象に残ってる曲も有ります。 ... more
今日のジャケ画はDavid Bowie 「The Rise And Fall Of Ziggy Stardust」邦題「(略してw)ジギー・スターダスト」ボウイの歴史の中でも、グラムロックの中でも、名盤だとワタシは思ってますが、ロックの歴史の中でも名盤中の名盤だと思ってマス☆彡...... more
ジギー・スターダスト デヴィッド・ボウイは時代や作品と共に音楽性を変化させているアーティストです。 その常に実験性を追求していく姿勢に共感しているアーティストは多く存在していて、 ボウイによる数々のエポックメイキングな名盤が世界に与える影響は計り知れません。 まさに"メジャーなカルトヒーロー"としてリスペクトされ続けています。 この、略して『ZIGGY STARDUST』は1972年6月6日に発表されたアルバムです。 デヴィッド・ボウイがグラムロックのスターとし...... more
順位はつけたけど無くてもいい。 表、は有名曲中心に。 裏がより実験的な内容…でもないか? それを言うなら例の3部作、なのだろうけど。 あの美声と超絶歌唱力と作詞作曲能力に圧倒されるので、B・イーノの影響が大きいインスト曲はあまり好きではない。 ボウイの歌詞は難解だが、英語の発音がとても美しく聴き取り易い。 ちなみにR.E.Mの「Wolves, Lower」の頃の楽曲、The Jam 時代のPaul Wellerは聴き取りにくい。 ボウイは選び取る言葉に特徴があり、良くでるフレーズがain’t、...... more
このCDのジャケットは、カッコイイですね。衣装といい、ボウイのポーズ、メイク
色使い、どれを取っても完璧ですね。 美しすぎるぞ、ボウイ。
このジャケットを見るたびに、心変わりしそうな私なのです。(大ウソ)
このCDは、ゴージャス?なんだけれど、聴いていると哀しくなってきます。
オープニングの「Five Years」だけで充分切ない。( ´Д⊂
リズムが可愛い「ソウルラブ」が、いちばん好きな私、ちょっと変ってるかも?
幻想的な「スターマン」は、「虹の彼方に」を元ネタに作った曲らしいですね。
サビの部分を聴いていると、なるほどーって感じが。
ボウイのCDは「Station To Station」も、聴いてると哀しくなるべさ
なるほどーーって感じですね。
ボウイの作品では"Diamond Dogs"もわりといいですね。あのジャケットもなかなかエグイ。。。"Rock & Roll With Me"もよく聴きましたなー。
“Ziggy Stardust”が切ないのはよく分かります。
その昔、ロッキングオンM氏の「血を売って聴け!」という文句に、踊らされて買ったクチです。
あまりにキャッチーで、メチャクチャ気に入りました。当時「もう昔の曲はやらないツアー」でベスト盤とか来日公演とかで盛り上がってましたね。
ラビリンスの人という認識しかなかったもので、彼のかっこよさにまさしく”しびれた”という感じですね。
「Diamond Dogs」も、いい! ジャケットは、??だが。
「1984」は、ゾクゾクするほど、カッコイイ曲だと思います。
「レベル・レベル」の次のRock & Roll With Meのイントロは、切ないのう・・
またもや、残業中に送信してみる(仕事しろよ~って感じだが)
はじめまして。先日、TB頂きましたね。
k-hikoさんのブログも少し覗かせていただきました。
"SMiLE"レビューの続きをはやく読みたいものです。
僕が“Ziggy Stardust”を聴いたころはまだ『戦場のメリークリスマス』での印象が濃かったのですが、その後『ラビリンス』とか、『ビギナーズ』とか、、、どうなんでしょうかね。そういえば『ツイン・ピークス』の映画版にも出てましたね。
僕は1時間15分かけて電車通勤しております。
今日は通勤中、往き"Everybody Knows This Is Nowhere"と"After the Gold Rush"、帰り"Harvest"と"Tonight's the Night"を聴きながら、3回目の『ねじまき鳥クロニクル』第一部を読みふけっておりました。
これだけ聞くとすごく充実した1日のように思えてくるのだが、、、
さておき、本当に不朽の名盤。「ジギーラストライブ」の映像もなんど見返したかしれません。衝撃のエンディング突入と、ライブ前に明らかに壊れてる放心のボウイにからむ当時の妻の狂騒ぶりなども忘れがたし。
過去ログからながら、TBさせていただきました。
ライブDVDなどは値段が高い割にあまり観ない(大体が一回のみ)ので、ついつい手控えてしまうのですが、これはちょっと買ってみようかな。どうしようかな。
『ベルベット・ゴールドマイン』という映画がありましたが、あれはちょっとイメージが違いましたね。
拙ブログにお越し頂き、有難うございました。
デビッド・ボウイといえば、『ジギー・スターダスト』!という断定っぽい書き方をしていますが、今後、他の作品をだだだーっとレビューする予定です。。。ボウイ、なかなか奥が深いお人です。。。
(SIGHT誌のインタビューもなかなか面白かったですね)
どうもありがとうございました~!
コチラの記事をトラっクバックさせていただきました♪ヽ(・∀・)ノ
それにしてもこの当時のボウイ様をこの目で観てみたかったです!
ところでonomichiさんのブログ、60年代から現在までのカテゴリに分けられてて、
興味深く拝見させていただいてます♪(⌒∇⌒*)
ワタシも60年代から現在までの洋楽が好きなので勉強になります☆彡
ではではまた遊びにまいりますね~!(≧∀≦)ノ
何度聴いたか分からないくらい愛聴しているアルバムです。
ホント、ロマンティックでクールな名盤ですよね!