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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 Free ”Fire and Water”(1970) semスキン用のアイコン02

  

2005年 01月 20日

Free ”Fire and Water”(1970)_a0035172_2229298.jpg<注意>
2つ下のレビュー(又は60年代カテゴリー) Free "Tons of Sobs" からご覧下さい

フリーの第3作、”Fire and Water”(1970)は文句なしに彼らの最高傑作である。
その楽曲とアルバム構成、演奏、アレンジ、どれをとっても素晴らしきフリーの世界。このアルバムの聴きどころは「全て」である。
まず、なんといっても1曲目の表題曲”Fire And Water”である。簡素化されたコゾフのギターとアンディの重々しいベース・リフ、抑えに抑えまくったポール・ロジャースのボーカル。そして、間奏での泣きまくりのギター、ついでアンディのベースまでが泣きに入り、泣きまくりの2重奏だ。ロックによって、ここまで簡素で重々しい叙情性を奏でるバンドを僕は知らない。
2曲目は、”Oh I Wept”だ。これこそ彼らの寸止め的切迫感を表現した最高の曲である。さらには静かな叙情性まで湛えている。。。もう言うことはない。というか、うまく書けないw この曲は、盛り上がりそうで盛り上がらない。この曲こそ、彼らフリーサウンドのある意味で象徴的な曲だと言えよう。
3曲目の”Remember”もシンプルなアンサンブルにポール・ロジャースの抑制の効いたボーカルが映える名曲である。
4曲目は”Heavy Load”である。ここでは、ポール・ロジャースのピアノが単調なメロディを奏でるが、やはり聴きどころは間奏である。より叙情的に聴かせるコゾフのギターソロが短いけども味わい深い。音がいい。
そして、このアルバム最大の山であり、フリーサウンドの最高峰とでもいうべき曲が5曲目の”Mr. Big”である。いきなりのアンディのチョーキングベースとコゾフのリフの絡み。なんなんだこれは!ポール・ロジャースのボーカルも抑えまくりだぞ、寸止め、寸止めって、いい加減に早く爆発してくれー!もう我慢できんぞ!間奏はなんとアンディのベースソロだーー。フラフラしながらもパンチが効いてるぞ。コゾフのギターがひたすらに唸りまくってるぞ。サイモンのドラムもキメキメだ。ポール・ロジャースも間奏なのに後ろで喘いでるぞ。あーもうだめだー。アンディの強烈なソロとコゾフの泣きの交錯。キメキメドラム。ボーカルも寸止めのまま、終了かい!
6曲目は叙情豊かなバラード”Don't Say You Love Me”。これはポール・ロジャースの趣味だろう。
そしてトリは、彼らの最大のヒット曲で最も有名な”All Right Now”である。この曲はアンディのベースフレーズが特徴的である。コゾフのシンプルなギターリフも軽快だ。しかし、なんといってもこの曲の良さはポール・ロジャースの久々に弾けるボーカルであろう。アルバム最後にして、ポール・ロジャースの心地よいシャウトを聴くことができて、僕らはようやく落ち着くことができるわけだ。

思いもかけず、ついつい全曲紹介みたいなことをしてしまった。。。
やはりこのアルバムはフリーの最高傑作である。そして残念なことにこの第3作を最高峰として、フリーのサウンドは衰退していく。しかし、だからこそ、このアルバムの価値があるというものだろう。ポール・ロジャース、コゾフ、アンディ、サイモン、最高の4人の絶妙なアンサンブルと完成されたフリーサウンドの見事なまでの貫徹が”Fire and Water”を比類なきロックアルバムの名作としているのだ。 <終わり>

 ~付録~
「自由」についてを語る

by onomichi1969 | 2005-01-20 22:29 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(9)

Tracked from 音楽の杜 at 2006-01-22 21:57
タイトル : Free 「Fire and Water」(1970)
ブリティッシュ・ロックの祖、フリーの名盤 近所のWonderGOOにて格安CDをGet!。この店にはジャンク品と称して、50円で中古CDが売られているが、ジャンクと言っても多くは聴けるもの。本日は驚きのCDを発掘。 まずは本作。これは実際は帯付、新品同様であった。こんな名盤が50円だなんて馬鹿にしている!あとはエアロスミス「Live! Bootleg」、エリック・マーティン・バンドの唯一のアルバム、モトリー・クルー「Decade of Decadence」等、すべて50円!!! さてフリ...... more
Commented by oldblues at 2005-01-21 00:59
onomichi1969さん、お帰りなさいませ。
しかし、お久しぶりだと思ったら、いきなり爆発してますね(笑)

レビュー冒頭の「このアルバムの聴きどころは「全て」である。」というコメントには嬉しくなりました。
Commented by onomichi1969 at 2005-01-21 20:35
oldbluesさん、ただいまです。
急に時間ができたので、久しぶりにレビューを書いたのですが、ついつい調子にのってしまいました。

フリーは大好きなバンドなのに、どうもうまく書けないですね。(バカレビューになってしまったw)
Commented by teacherteacher at 2005-01-23 23:13
わぁー。熱い文章ですね。 参考にさせてもらいます。(ムリだが・・)
ポール・ロジャースには、こんな歴史があったんですね。感動!
・・演歌っぽい声のひとって印象だった・・私の記憶では、(ごめんなさい)
Commented by onomichi1969 at 2005-01-24 00:04
むむむーーっ ポール・ロジャースのことを「おっさんの演歌ロック」などというのは聞き捨てならない!(って言ってないか。。)
まぁ、確かにバッドカンパニー以降は特に演歌っぽいところもあるし、顔も捨てられた犬みたいで冴えないポールだけど、やっぱり僕は好きです!w

クイーンに入っても頑張って欲しいものですね。
Commented by oldblues at 2005-01-24 00:59
これねえ~(ポール・ロジャースがクイーン加入という話)どうなんでしょうね?ちょっと考えると、ポールとクイーンって合わないような感じがするんだけど、ネットで一緒にやってるサウンドを聞いた人によると「案外合う」なんて言ってるし・・・まあ、僕は聞いてないので何とも言えませんが、楽しみではあります
Commented by onomichi1969 at 2005-01-24 01:23
僕もまだ聴いたことないですが、ちょっと楽しみではありますw
確かに全く合うような気がしませんが、それが逆に興味をそそるというか。。
ポールが歌う"Bicycle Race"

。。。やっぱり想像できませんなw
Commented by oldblues at 2005-01-24 23:14
はっはっは・・・本当にそうですよね(^^;)
えーと、タイトル忘れたけど。なんだっけ?あの日本語で歌ってるやつ。「愛するひ~とよ~」みたいなのも似合わん気がするなあ
Commented by teacherteacher at 2005-01-25 00:31
ポール・ロジャース・・フレディみたいな衣装着るのかな??
体毛濃そうなイメージなんだけど、想像すると、すっぱい気分になりまする。
演歌っぽい声で歌う「愛にすべてを」・・想像したくないが興味津々ですな(´∇`)
Commented by onomichi1969 at 2005-01-25 22:57
oldblesさん
去年の11月、UK版音楽の殿堂入りの授賞式でロジャースがクイーンと共演し、彼らのヒット曲を数曲パフォーマンスした。。。のがすべてのきっかけらしいです。一体、何を演奏したのやら。。。
ちなみにフレディはポール・ロジャース/フリーのファンだったとか。メンバーに認められていればこその加入なのですね。

teacherteacherさん
フレディ・タイツをはいてクネクネしたポール・ロジャースというのは、さすがに寒いですな。。。日本語歌ったらやっぱり演歌だろうか。。。
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