The Band "Rock of Ages [Deluxe Edition]"(1972)

2004年 11月 13日

確かにこのアルバムにはライブ特有の疾走感に乏しい面はある。それは各曲がかなりテンポアップしたライブ感覚溢れる"Before the Bleed"と比べればよく分かる。"Rock of Ages[Deluxe Edition]" でディランとの共演が4曲も追加されたことにより、The Band単独ライブという特徴もなくなった。しかし、"Rock of Ages" は、その奇跡的なライブ空間を体験できるという所以により、僕にとって特別なアルバムなのである。
先ほどから奇跡、奇跡とうるさいかもしれないw それがそう簡単には使えない言葉というのもよく分かっているけど、このライブアルバムを前にして僕はやはり「奇跡」という言葉を使わざるを得ないのだ。
The Bandの音楽の魅力は、生々しく瑞々しいコーラスと演奏のアンサンブルにある。そこに漂うのはある種の情緒であり音楽的ソウルなのだ。そんな魅力を引き出すのに、The Academy of music, NY という音楽の殿堂とそこに集う観客たちの姿勢は最適だったろうし、実際、このアルバムに漂う静謐な間合いは、1971年の大晦日という時期と相まって、一種独特の神聖な雰囲気をみせるのだ。彼らの今回の演奏はライブとしては実にゆったりとしたものだし、演奏を支えるホーンセクションも絶妙な引き加減を見せる。コーラスワークは生声ゆえの溢れるような情感を湛え、リチャード、レヴォン、リックの3人の響きある歌声が静謐さの中で最高の掛け合いをみせる。僕らはそんな奇跡的な空間の中に広がる彼らの声と演奏にただただ痺れるのである。
1971年、NY 14th streetの大晦日。The Academy of musicに音楽の神様が降臨し、The Bandのライブは、真の意味でRock of Agesになった。これはまさに「NY14丁目の奇跡」なのである。
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The Band "Moondog Matinee"(1973)のレビューはこちら!
by onomichi1969 | 2004-11-13 15:25 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(3)

Music from Big Pink [Bonus Tracks] The Band / Capitol スコア選択: 持ってるのは、ボーナストラック入ってない昔のです。 今から27〜30年前に一番好きだったバンドです。 学生の時に唯一「南十字星」まですべて集めたバンド。 大人になってからほとんど聞いてなかったし、 「ラストワルツ」もピントこなかったんですよ、当時。 でもここ最近、ずっと聞いているんですが、 やっぱり、リチャード・マニュエルのボーカルがいいです。 ドラム...... more
すみません、田舎なので現物ある店ありません(トホホ)
またちょくちょく遊びに参ります。どうぞよろしく〜!
コメント有難うございます。
僕も調子に乗って大袈裟は表現を使いまくってますが^^; でも、"Rock of Ages" は素晴らしいライブアルバムであることに間違いはありません。(断言!)
僕は値段勝負なのでw 輸入盤派です。もちろん対訳なしです。
でも、CD2枚組で1969円は安いですよ。
昔はボーナストラックなしで3000円近かったですから。(このデラックス版のボーナストラックは絶対お得です。)
今後とも宜しくお願いします!
それと、リンクさせて頂きます。
こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。