Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 タグ:Neil Young ( 5 ) タグの人気記事 semスキン用のアイコン02

  

semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse “Life”(1987) semスキン用のアイコン02

  

2010年 02月 02日

a0035172_2121378.jpgニールとクレイジーホースの数あるアルバムの中で、60年代といえば”Everybody Knows This is Nowhere”(1969)であり、70年代は”Zuma”(1975)、90年代は”Ragged Glory”(1990)が代表作だというのは多くの人が納得する選択だと思うが、では、80年代は何か?
ニールにとってのexperimental years 80年代の様々なアルバムの中でキラリと光る逸品。実に80年代らしいサウンドでありながら、そういったラベリングを易々と超える彼らにしか出来得ない傑作。僕の中で、ニールとクレイジーホースの80年代の代表作は“Life”(1987)なのである。おそらく多く人に異論はあろうと思うが。。

このアルバムは、Aサイドを飾るMideast Vacation、Long Walk Home、Around the World、Inca Queen、そしてラストのWe Never Dancedに尽きる。特にLong Walk Homeこそはこのアルバムの肝である。

If Liberty was a little girl
Watching all the flags unfurl
Standing at the big parade
How would she like us now?

朴訥としたハーモニカが響くオープニング。朗々としたニールのボーカルにピアノ、そして80年代風のシンセサウンドが被さる。そこに銃声が轟く。爆撃機の銃撃音。大地に突き刺さる弾丸の音。爆裂により吹き飛ぶ人々。ここは戦場である。

From Vietnam to old Beirut
If we are searching for the truth
Why do we feel that double-edged blade
Cutting through our hand.

正直言って、最初にこの曲を聴いた時はびっくりした。ギターで爆音を表現する奏法はよくあるが、爆音そのものをバックに歌うこと、その直截的な表現に何とも言えない違和を感じた。その違和こそがニール・ヤングなのだ。そして、胸が震えたのである。

America, America
Where have we gone?
It's such a long walk home

アメリカ、アメリカ
俺たちは何処に迷い込んでしまったのか。
故郷まで、何て長い道のりなのだろう。

彼の反骨精神が作ったアルバムである。“Re-ac-tor”(1981)のShots、銃撃音に彩られた名曲の流れをアルバムとして汲む。通底するのは何かが違う、普通でない感覚、ある種の唐突感であり、屈折であり、違和である。
巷ではあまり評判のよくないようだが、このアルバムは間違いなく、彼の代表作である。80年代の真っ只中に、こんな凄いアルバムが「密かに」作られていたのか。彼は長い長い道のりの途中にあることを常に自覚していたのだ。
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by onomichi1969 | 2010-02-02 22:22 | 80年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse "Zuma"(1975) semスキン用のアイコン02

  

2010年 02月 02日

a0035172_2145991.jpgニール・ヤングとクレイジーホースの2枚目の共演アルバム。ある意味で、彼らのその後の歴史はこのアルバムによって運命付けられたとも言える名作である。ニールの盟友、ギタリストのフランク・サンペドロが初めて参加したアルバムでもある。

このアルバムの名作たる所以は、その楽曲のラインアップにあると思う。文句無しの名作揃い。まさにハズレ無し。始まりからエンディングまで、全くだれることがない。34分の充実である。
アルバムとしてだれない理由は、名作揃いのラインアップの中にも更にアクセントとなる名作中の名作が絶妙の配列で仕込まれていることによる。2曲目のDanger Birdと8曲目のCortez the Killerがそれである。

Danger Bird は、ベルベット・アンダーグラウンドのルー・リードが 「心が痛むほど美しいギター・プレイ」 と絶賛したと言われている。ゆったりとした中に哀調のギターサウンドを聴かせる。いつまでも聴いていたい気持ちになる。
Cortez the Killerは、アステカ王国を滅ぼしたスペインの侵略者コルテスを歌った曲。 この曲もギターサウンドを実に味わい深く、じっくりと聴かせる名演である。1991年のライブアルバム”Weld”では10分近い演奏も聴けるが、ここでの演奏は最後のフェイドアウトがなんとなく哀しい。

あと、カントリー調のロックサウンドDon't Cry No Tearsや枯れた味わいのPardon My Heart 、重厚かつポップな味わいのあるStupid Girlもよい。全てよい。

このアルバムによって、ニールとクレイジーホースは彼らのスタイルを確立し、70年代後半のライブ”Rust Never Sleeps ”(1979)や”Live Rust”(1979)というライブバンドとしての成果に結実していくことになる。
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by onomichi1969 | 2010-02-02 22:17 | 70年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse ”Ragged Glory”(1990) 『傷だらけの栄光』 semスキン用のアイコン02

  

2010年 02月 02日

a0035172_1594563.jpgニール・ヤングがグランジおやじだったなんて初めて知った。90年代も奥が深い。。
このところ、リアルタイムでは殆ど聴いたことがなかったニール・ヤングの80年代、90年代の代表作を聴いている。
ニール・ヤングにとって、80年代はexperimental yearsだそうで、おそらくテクノに挑戦したアルバム”Trans”(1982)のイメージが強いのだと思うけど、要は彼にとって試行錯誤の時代だったいうことなのだろう。そんな曲折の80年代を吹っ飛ばすかのようなロックンロールアルバム。それが1990年に発表された”Ragged Glory” 『傷だらけの栄光』であった。
ニールとクレイジーホースにとっての久々の快作であり、吹っ切れたようなギターサウンドを存分に聴かせる90年代の代表作と言えよう。60年代のDown by the RiverやCowgirl in the Sand、70年代のHey Hey, My My(Into the Black)以来のフィードバック・ノイジー全開のギターサウンドが全編に満ち溢れると共に、キャッチーで明るいメロディが特徴的。クレイジーホースがこの時期にしてこのようなサウンドを掴んだのは、おそらく80年代後半のR.E.M.のようなギターポップが一躍メジャーとなり、Guns'n Rosesがギターアンサンブルを復興し、その後のソニック・ユースやニルヴァーナのようなオルタナ全盛時代を準備した1990年という時期故のことだったのだろう。
但し、これだけは言っておきたいが、”Ragged Glory”は、ニールとクレイジーホースにとって完全なるオリジナルサウンドであり、そのスタイルは迷走の80年代をすっ飛ばしてみれば、60年代から連なる何の変哲もない彼ら独自のサウンドなのである。冒頭のCountry Homeはアルバムを象徴する名曲だけど、この曲は70年代中期にニールのライブでは既に演奏されていたナンバーだという。そういった意味でこのアルバムは、時代を超越していると感じる。70年代も80年代もない、時代という屈託のない、今聴いても新しいと同時に古めかしい正真正銘のロックンロールアルバムなのだ。

このアルバムの意気は、ファーストナンバーCountry Homeに尽きる。もちろん、F*!#In' UpやMansion on the Hill、Over and Overも素晴らしいが、やっぱり冒頭の一発で全てが決まったって感じがする。この曲はその名の通り、何の変哲もないthankful for my country homeを高らかに歌うカントリーロックである。しかし、そこには新しさと古さが渾然一体となった本来的なロックの匂いがある。1990年という時代の端境に迸ったロックの彷徨える魂がある。

70年代後半パンクロックにエールを送り、90年代にはグランジおやじとなる。ニールはいつもヤング・ジェネレーションに自然と寄り添う運命なのだろう。ロックの彷徨える魂。彼は稀代のギターヒーローでもある。

1991年、湾岸戦争が始まり、時代は一挙に暗澹とする。それはロックの世界にも影を落とし、心あるミュージシャンは必然的に時代に囚われていくことになる。彼らのロックの魂は、それ以来ずっと彷徨い続けている。
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by onomichi1969 | 2010-02-02 02:06 | 90年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse "Live Rust"(1979) semスキン用のアイコン02

  

2010年 01月 16日

a0035172_17551916.jpg70年代を締めくくるベスト オブ ライブアルバムのひとつ。
70年代のライブアルバムと言えば、Joe Cooker “Mad Dogs & Englishmen”(1970)、The Who “Live at Leeds”(1970)、Donny Hathaway “Live”(1971)、J. Geils Band “Full House”(1972)The Band “Rock of Ages”(1972)Humble Pie “In Concert”(1973)KISS “Alive!”(1975)Thin Lizzy “Live and Dangerous”(1978)などなど。スワンプから、ロックンロール、ニューソウル、ハードロックまで、様々なジャンルの傑作があるけど、70年代を代表するシンガーソングライター&ロッカー、ニール・ヤングの傑作ライブ”Live Rust”(1979)も忘れてはならない。本作は、彼の、そして70年代ロックの代表作と言ってもいいだろう。

”Live Rust”は、当時のアナログ2枚組みで、ニールのソロ作品を中心としたA-Bサイドと、クレイジーホース作品を中心としたC-Dサイドという構成となっている。ニールのソロはAサイドがアコースティックバージョンで、のびのびとした透明感溢れるボーカルとアコースティックギター、ハープ、ピアノによるシンプルなサウンドが瑞々しい。観客のさざめきの中でニール独特の抒情性がライブ空間を支配する。Comes a TimeとAfter the Gold Rushが出色。Bサイドはクレイジーホースを従えたバンドサウンドで、こちらのバージョンも荒々しくスピード感があって素晴らしい演奏。名曲When You Dance You Can Really LoveやLotta Loveもオリジナルと違った聴き応えがある。
もちろん、クレイジーホース作品もさらにいい。Cortez the KillerやCinnamon Girl、Like a Hurricaneなど、クレイジーホースのハードな名曲が並ぶラインアップは最高の選曲だろう。そして、迫力のバンドサウンドである。唸るギターアンサンブルと息のあったコーラスはクレイジーホース独特のグルーブを生み出し、その生の息遣いが観客と一体となってライブ特有の臨場感はぐんと盛り上がる。楽器の音がよく響き、声、息遣い、そして歓声が一体となった最高のライブ空間。静けさの中に演奏が響く前半から、ハードな演奏が爆裂する後半へと、アルバムの流れは一気に盛り上がっていくのだ。彼らの演奏はよく「鬼気迫る」って言われるけど、まさにこの言葉がぴったりだと思う。

このアルバムは一粒で2度おいしいともいえるベストオブベスト的な作品だけど、実は、ソロで2枚組、クレイジーホースで2枚組でもよかったとも思える。たとえ4枚組でも十分に聴かせるだけの力を感じる。

ニール・ヤング、そしてクレイジー・ホースのオリジナル作品には傑作が多いが、このライブアルバムも外せない1枚だろう。ニール・ヤングという繊細かつハードな個性を十分に味わえる、彼の魅力が満載された傑作であると同時に、最高のライブ空間を最良の形でパッケージしたアルバムとしても"Live Rust"は稀有の作品なのだと思う。
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by onomichi1969 | 2010-01-16 18:02 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse "Everybody Knows This is Nowhere"(1969) semスキン用のアイコン02

  

2005年 03月 05日

a0035172_2211693.jpgニール・ヤングは、プログレッシブである。
いきなりトンでもないタイトルで初めてしまい、なんとなく薄ら寒い空気が吹き抜けたような気がする。。。
昔、ニール・ヤングというのがいわゆるカントリーロックに分類されていて、そのカントリーロックなるもののイメージが僕には性に合わず、30歳近くになるまで彼のアルバムをマトモに聴いたことがなかった。実際に唯一持っていたCSN&Yの中のヤングの曲にもそれほど惹かれるものはなかったし、年齢的なものもあってか、僕としては、もっとハツラツとしたロックンロール、ヘビィなハードサウンドのファンだったからそれはそれで仕方のないことだったのかもしれない。しかし、これらは全くの偏見であった、ということを僕はその後にようやく知ることになる。
ヤングのアルバムを初めて聴いたのは”Harvest”(1972) であり、”After the Gold Rush”(1970) であった。まあ、これは順当なところだろう。しかし、僕のヤング観を決定付けたのは何と言っても”Everybody Knows This is Nowhere”(1969)であり、”Tonight's the Night”(1975)、”Zuma”(1975)であり、”Comes a Time”(1978)である。
始めに戻ると、、ニール・ヤングはプログレである。これは彼のアルバムが音に対してとても繊細であり、その辺りを突き詰めて聴いてみると、これがわりと単純ではないことに気がつくからだ。彼の若々しさが溢れ、ゴツゴツしたバンドサウンドが特徴のクレイジーホース名義の”Everybody Knows This is Nowhere”にしてもそうだし、カントリーロックの傑作と呼ばれる”Comes a Time”にしてもそうだ。その繊細さ、人間内面を追及するが如し音への突き詰め、その構成力は、まさにピンクフロイドに比すと言いたいのである。
まぁ天下のニール・ヤングをピンクフロイドと比較したところで何だ?というところであるが、たまたまピンクフロイドを続けて聴いてみて思いついたことなので、さほどこのことに拘るつもりはない。。。
さて、彼のアルバムで今回紹介するのは、ソロ2作目、クレイジーホース名義の”Everybody Knows This is Nowhere”(1969) である。このアルバムは、バッファロー・スプリングフィールド的なサイケサウンドから、その後のカントリーロック(僕はこの言葉のもつ何となくのどかなイメージに違和感があるのだが。。)の傑作群に繋がる過渡期にあり、それでいて真っ当に実直にロックを追及したとてもストレートなアルバムである。
”01 Cinnamon Girl”から、”02 Everybody Knows This is Nowhere”、長丁場の”04 Down by the River”、”07 Cowgirl in the Sand”まで全くもって佳作揃いである。ここでの彼の楽曲は思いのほかにバラエティに富んでおり、尚且つ、改めて言えばやはりその音は繊細である。そこにはのどかさとは全く反対の切実さが溢れており、バラードの”03 Round & Round (It Won't Be Long)”など、真面目に聴いていると知らず知らずのうちに胸が詰まる。
”04 Down by the River”の実直ながら計算された長いインプロヴィゼーション的な間奏も素晴らしい。”07 Cowgirl in the Sand”のハードサウンドも痺れるくらいカッコいいのである。
彼のその後のプログレ的歩みを考えれば、まだこのソロ2枚目は序の口というところだろう。彼が70年代を代表するミュージシャンであることは言うまでもないが、それはあまりにも70年代という時代にリンクし、時代と一体となって人間の内面と音を突き詰めていった結果であり、カントリーロックなどというイメージの羊の皮を被りながら、その特異的な個性を音楽的に確立していった結果でもある。
その辺りについてはまた別の機会に書いてみたい。
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by onomichi1969 | 2005-03-05 02:35 | 60年代ロック | Trackback(2) | Comments(6)

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