Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 タグ:90年代ロック ( 10 ) タグの人気記事 semスキン用のアイコン02

  

semスキン用のアイコン01 Neil Young & Crazy Horse ”Ragged Glory”(1990) 『傷だらけの栄光』 semスキン用のアイコン02

  

2010年 02月 02日

a0035172_1594563.jpgニール・ヤングがグランジおやじだったなんて初めて知った。90年代も奥が深い。。
このところ、リアルタイムでは殆ど聴いたことがなかったニール・ヤングの80年代、90年代の代表作を聴いている。
ニール・ヤングにとって、80年代はexperimental yearsだそうで、おそらくテクノに挑戦したアルバム”Trans”(1982)のイメージが強いのだと思うけど、要は彼にとって試行錯誤の時代だったいうことなのだろう。そんな曲折の80年代を吹っ飛ばすかのようなロックンロールアルバム。それが1990年に発表された”Ragged Glory” 『傷だらけの栄光』であった。
ニールとクレイジーホースにとっての久々の快作であり、吹っ切れたようなギターサウンドを存分に聴かせる90年代の代表作と言えよう。60年代のDown by the RiverやCowgirl in the Sand、70年代のHey Hey, My My(Into the Black)以来のフィードバック・ノイジー全開のギターサウンドが全編に満ち溢れると共に、キャッチーで明るいメロディが特徴的。クレイジーホースがこの時期にしてこのようなサウンドを掴んだのは、おそらく80年代後半のR.E.M.のようなギターポップが一躍メジャーとなり、Guns'n Rosesがギターアンサンブルを復興し、その後のソニック・ユースやニルヴァーナのようなオルタナ全盛時代を準備した1990年という時期故のことだったのだろう。
但し、これだけは言っておきたいが、”Ragged Glory”は、ニールとクレイジーホースにとって完全なるオリジナルサウンドであり、そのスタイルは迷走の80年代をすっ飛ばしてみれば、60年代から連なる何の変哲もない彼ら独自のサウンドなのである。冒頭のCountry Homeはアルバムを象徴する名曲だけど、この曲は70年代中期にニールのライブでは既に演奏されていたナンバーだという。そういった意味でこのアルバムは、時代を超越していると感じる。70年代も80年代もない、時代という屈託のない、今聴いても新しいと同時に古めかしい正真正銘のロックンロールアルバムなのだ。

このアルバムの意気は、ファーストナンバーCountry Homeに尽きる。もちろん、F*!#In' UpやMansion on the Hill、Over and Overも素晴らしいが、やっぱり冒頭の一発で全てが決まったって感じがする。この曲はその名の通り、何の変哲もないthankful for my country homeを高らかに歌うカントリーロックである。しかし、そこには新しさと古さが渾然一体となった本来的なロックの匂いがある。1990年という時代の端境に迸ったロックの彷徨える魂がある。

70年代後半パンクロックにエールを送り、90年代にはグランジおやじとなる。ニールはいつもヤング・ジェネレーションに自然と寄り添う運命なのだろう。ロックの彷徨える魂。彼は稀代のギターヒーローでもある。

1991年、湾岸戦争が始まり、時代は一挙に暗澹とする。それはロックの世界にも影を落とし、心あるミュージシャンは必然的に時代に囚われていくことになる。彼らのロックの魂は、それ以来ずっと彷徨い続けている。
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by onomichi1969 | 2010-02-02 02:06 | 90年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 Mariah Carey "Music Box"(1993) semスキン用のアイコン02

  

2008年 01月 14日

a0035172_16104043.jpgマライア・キャリーがデビューした1990年頃、僕は全く洋楽を聴いていなかったので、彼女が彗星の如くデビューした当時の全米の音楽シーンについて何も知らなかった。しかし、偶然にも、ちょうど”Emotions”(1991)が出た頃だと思うが、友達の車でドライブした時にマライアの2枚のアルバム(1stと2ndのCD)を延々とリピートで聴くことがあった。その時のマライアの歌声の第一印象は、「マイケル・ジャクソンに似ているなぁ」と。もちろんJackson5の頃の高音バリバリのマイケルである。いわゆる子供っぽいピュアで透きとおるような歌声。しばらく聴いてみて、特にアップテンポの曲、”Emotions”で聴かせる小鳥のさえずりのような高音のファルセットには驚かされたし、バラードの”Vision of Love”や”And You Don’t Remember”のナチュラルに伸びる高音パートには圧倒された。その音域の広さと伸びやかな歌声は、ディーバと呼ぶに相応しい十分なタレントだったと思う。特に”Emotions”(1991)の頃は彼女の声の状態が最も良かったのだろう。前作”Mariah Carey”(1990)にも増して声に張りがあり、のびのびとした印象を受ける。キャロル・キングとの共作”If It’s Over”のようなR&B系のバラードも素晴らしい。(キャロル・キングが彼女の代表作『ナチュラル・ウーマン』のカバーを薦めたところマライアが固辞したという。『ナチュラル・ウーマン』と言えばアレサ・フランクリンの歌唱で有名なので、アレサとダイレクトに比較されるのを拒んだのだ。)

圧巻は彼女の初ライブをレコーディングした”MTV Unplugged”(1992)である。ライブで聴く彼女の声は初期2作のピュアで完璧な歌声、悪く言えば子供っぽい、清純すぎるそれに加えて、ライブならではの陰影やコブシがきいており、正に圧巻と言うべき貫禄をみせるのである。

そんなマライア・キャリーの歌声に翳りが見え始めるのは3rdアルバム、”Music Box”(1993)からだと言われる。オリジナルでは前作にあたる”Emotions”(1991)に比べて、声が鼻にかかる際の掠れが目立つようになる。このこと自体は一般の女性シンガーにはよくある唱法なので、そういった引っ掛かりの全くない彼女の前2作がなければ、特に咎められるものでも何でもないし、曲の良さを歪めるものでもない。これまでの彼女に乏しかった情感やその息遣いを伝える一つの要素と思えば、ある意味で彼女の歌声を奥深いものにしていると思える。彼女がデビューした当時のアメリカの記者が彼女の歌に関して、「彼女の歌にはその完璧さ故にエモーションが乏しい。上手い歌手がそのまま素晴らしい歌手というわけではない」と評している。逆に言えば、”Music Box”(1993)は、これまで以上に歌が心に残る、また心が歌に残るエモーショナルなアルバムだと言えるのではないか。実際のところ、”Music Box”(1993)は”Hero”やカバー曲”Without You”の選曲の良さもあり、アルバム的にはこれまで以上に大ヒットする。

人にとって完璧というものが常に最大の評価を得るとは限らない。完璧なことが人にとって完璧であるとは言えないわけだ。そして人は多くの場合、何かを得ようと思えば何かを捨てないと先には進めない。彼女が選んだ道、その決意の表明として僕は”Music Box”(1993)のあり方を評価したいと思う。確かに彼女の特徴であったのびのびとした澄んだ歌声は翳りをみせたが、それ以上に、そこには「うたごころ」というべき叙情性を湛えるようになったのである。
そして、次作、4thアルバム”Daydream”(1995)でその方向性は顕著となる。シングルとして史上空前の16週連続No.1の大ヒットを記録する”One Sweet Day”の彼女の歌声は、初期の頃とは明らかに違う。それは簡単に言えば「大人の魅力」とでも言うべき(簡単に言えないから「大人の魅力」なのだが、、、)ある種の情感を感じさせる。ためらい、あらがい、立ち止まり、妥協し、乞い、寛容する、初期のピュアな彼女にはとても表現できなかった種類の響きだ。その歌声が奏でるジャーニーの名曲”Open Arms”はとても感動的である。

彼女の栄光は90年代中期でクライマックスを迎え、その後は人気もアルバムの質も、そして歌声も凋落していくことになる。2000年代初期は彼女にとってどん底の時期だったと言ってもいいだろう。そして2005年、彼女は復活する。最新作”The Emancipation of Mimi”(2005)には、現在の彼女の人生が滲み出ている。それこそが「うたごころ」というものだろう。失われたもの、その郷愁さえ歌の響きに込められる声というのは少ない。彼女は今こそ素晴らしい歌手としてその地位を確立した。彼女の最新作はそのことを教えてくれる。(実のところ、その楽曲の多くはあまり好きじゃないけど、、、)
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by onomichi1969 | 2008-01-14 16:36 | 90年代ロック | Trackback | Comments(4)

semスキン用のアイコン01 Van Halen "Balance"(1995) semスキン用のアイコン02

  

2007年 12月 08日

a0035172_11211424.jpg「ヴァン・ヘイレンのボーカリストは?」と聞かれたら、僕らの世代にとって、その答えは十中八九ダイヤモンド・デイブ・リー・ロスになるのではないかな。大ヒットアルバム”1984”(1984)でブレークし、彼らをスーパーバンドに押し上げた要因は、ギターヒーロー、エディ・ヴァン・ヘイレンの存在と共に、『ジャンプ』のPVで魅せたデイブ・リー・ロスの底抜けなパフォーマンス、そのボーカルの個性によるところも大きかったと思う。デイブがヴァン・ヘイレンというバンドの象徴的な存在だったことは間違いなかった。だから、ヴァン・ヘイレンがデイブと決別し、サミー・ヘイガーを新たなボーカリストに迎えるというニュース(1985年当時)には誰もが驚き、当初はがっかりしたのである。

当時のサミー・ヘイガーは、ソロのハードロッカーとして有名ではあったが、僕は、”Fast Times at Ridgemont High”(1982)『初体験リッジモント・ハイ』の主題歌や”Footloose”(1984)『フットルース』の挿入歌でしか知らなかった。たまにMTVでソロのPVを観た事があるが、その曲の印象は薄い。僕の知っている彼の曲は、如何にもハードロッカーというべきシャウト系のボーカルスタイルに似合わず、ポップな味わいのあるものであった。が、印象としては地味と言わざるを得ず、アルバムとして聴いたことは全くなかった。

サミー・ヘイガー加入当時はヴァン・ヘイレンとデイブがファンそっちのけの対立をしており、それはおのずとデイブvsエディという様相を呈していた。ハードロックファンの大勢がポップミュージックに寄り添い始めたデイブを見限り、エディ側についたのだと今では思えるが、やはり、当時のハードロックファンにとってギターヒーローの存在はものすごく大きかったのだろう。サミー・ヘイガー版ヴァン・ヘイレンのニューアルバム”5150”(1986)も予想以上の出来で、アルバムもシングル(『Why Can't This Be Love』)も全米No.1を獲得したことにより、その地位は完全に確立したと思われた。

僕自身は、1984年に観たベストヒットUSAでチャートNo.1となっていた『ジャンプ』のPVに魅せられ、それがきっかけで洋楽ファンになった(と言っても過言ではない)という経緯もあったので、デイブのいないヴァン・ヘイレンにあまり魅力を感じていなかった。確かに”5150”(1986)はいいアルバムだと思うけど、正直言って、デイブ時代のようなインパクト、その個性が乏しいという印象だった。ただ、実際のところ、ヴァン・ヘイレンというバンドの元々の特徴は底抜けにドライな味わいなのであるが、それに対してサミー・ヘイガーはウェットなのであり、その融合というのがハードロックバンドとして真っ当な方向に働いたという見方もできた。ヒットした『Why Can't This Be Love』や『Dreams』は正にサミー・ヘイガー調のウェットな曲であるが、これにヴァン・ヘイレンのドライさが融合することにより、楽曲そのものがパワーアップして生まれ変わったわけだ。

88年以降、あまり洋楽を聴いていなかったので、その後のヴァン・ヘイレンに対する関心はなくなっていったのであるが、1995年という年は、会社の寮にケーブルテレビが引かれていたこともあって、例外的にMTVを時々観ていた。その頃に、グリーンデイやトム・ペティ、ボン・ジョビなどの活躍と共に、当時のヴァン・ヘイレンの新曲『Don't Tell Me』のPVに遭遇したのである。このPVには正直驚いた。何に驚いたかと言えば、まずエディの髪型とヒゲである。そして音も80年代のハードロック調とは明らかに違う、所謂90年代の音になっていた。ヴァン・ヘイレンというバンドは、ウェットだドライだと言っても所詮は典型的な80年代のバンドだと思っていたが、そのヴァン・ヘイレンが堅実に変化を遂げているということに驚いたのである。
最近になり”Balance”(1995)をアルバムとして聴き、これがなかなかの名盤であることに思い至り、認識を新たにした。それは多分、僕自身が、90年代を経て、00年代も後半の今だからこその感想なのだとは思う。ニルヴァーナやチリ・ペッパーズ、R.E.M.、レディオヘッドが90年代を代表するバンドだとすれば、そこには80年代とは違うある種の気圧と彩度の変化があり、それは全体的に重々しい音圧とダークな色彩として、僕らに圧し掛かってくるように思える。
90年代とは、無根拠であることの「突き当った」感覚、その閉塞感こそがキーワードとして捉えられる時代である。それに対して80年代とは同じ無根拠でも、それはまだ自覚的に底抜けであり得た幸福な時代であった。そういう意味でヴァン・ヘイレンは80年代のバンドなのである。
そのヴァン・ヘイレンが変化を遂げ、『Don't Tell Me』は、90年代の流れの中に位置する曲、そのハードロック的な達成であると思える。アルバム全体からしてみれば、これまでの第2期ヴァン・ヘイレンの色合いはさほど変わらないが、この1曲のインパクトによって、このアルバムの印象はがらりと変わる。この90年的達成は、ヴァン・ヘイレンというバンドの変化によるものと捉えられるが、多分、それはサミー・ヘイガーがボーカルだったからこそ出来たことであり、結果的に彼らは80年代後半に正しい選択をしていたということになるのだろう。

(それはそれとして、、、、こんな傑作がAMAZONで1円なのだから、不思議なものである)

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Van Halen "Van Halen"(1978)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2007-12-08 16:27 | 90年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 僕が好きな90年代ロック・アルバム12枚 semスキン用のアイコン02

  

2007年 06月 07日

70年代80年代の次は90年代です。
とはいえ、僕にとって90年代はブラックボックス、、、リアルタイムの音楽を全く聴かなかった時代なのです。よって、ここに挙げたアルバムも全て後から聴いたものばかり。。。

90年代の音楽は80年代に比べて音楽の質が格段に上がっていると思います。その深化ぶりは、今さらながら、僕にとってすごく刺激的ですね。素晴らしいアルバムも多いと思います。(でも、オルタナとかグランジとかダウナーとかメロコアとか言われてもよく分からないのです。僕にとってロックはロックなのですが、実はそれが既にロック足りえない時代なのかもしれませんね) 
この時代のアルバムについてひとつ難を言えば、アルバムの収録時間が長すぎ(収録曲が多すぎ)るってことでしょうか。(CDだから仕方ないけど)

如何せんアルバムの母数が少ないので、今回の90年代は、他の時代と同じレベルで25枚を選べませんでした。。。ということで、とりあえず最高にロックな12枚!!僕にとっての失われた10年、、、90年代はなかなか奥が深そうです。

では、いってみましょう!ロッケンロール!!

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1 Wilson Philips / Wilson Philips / 1990
2 Guns'n Roses / Use Your Illusion / 1991
3 Nirvana / Nevermind / 1991
4 Ozzy Osbourne / No More Tears / 1991
5 The Commitments / The Commitments / 1991
6 U2 / Achtung Baby / 1991
7 Brian Wilson / Sweet Insanity / 1992
8 R.E.M. / Automatic for the People / 1992
9 Tom Petty / Wildflowers / 1994
11 Sheryl Crow / Sheryl Crow / 1996
11 Radiohead / OK Computer / 1997
12 Red Hot Chili Peppers / Californication / 1999

ついでと言っては何ですが、、、00年代もいきましょうか。
(更なる未知の世界ですので選ぶのもおこがましいですが。まぁついでということで、、、)

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1 Radiohead / Kid A / 2000
2 Electric Light Orchestra / Zoom / 2001
3 Brian Wilson / Smile / 2004
4 Wilson Philips / California / 2004

まぁ、ここまでですね。ただ、この辺からまたリアルタイムになりますw 
ここで世紀の傑作"Kid A"(2000)がいよいよ登場です。このロックの極北とでも言うべきアルバムについてはまたじっくり書いてみたいですね。
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by onomichi1969 | 2007-06-07 00:09 | ランキング | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Brian Wilson "Sweet Insanity"(1992) semスキン用のアイコン02

  

2006年 08月 05日

a0035172_22523726.jpgブライアン・ウィルソンの幻の2ndアルバムであり、『スマイル』と違って作品として殆ど完成していたにもかかわらず、レコード会社からの訂正要求をブライアンが拒否した為にお蔵入りとなってしまった伝説のアルバムである。マスターテープが既に消失してしまったとの話もあり、正式なリリースはもはや不可能と言われていたが、この度(と言っても2003年のこと、、、)ブートでありながらほぼ完璧な形として発売され、音質も良好で構成や楽曲の質からしてもほぼ決定盤といえる出来である(と言われている)。
<この分野に関しては僕も疎いので、何をもって決定盤なのかとか、オリジナルと違うリミックスに対する評価はどうなのかとか、このブートがどういうレベルのものなのかなど、はっきり言ってよく分からない>

僕もつい最近までこのアルバムが簡単に入手できるとは全く知らなかった。

さて、作品の印象としては、前作1stの延長線上にあると僕は感じている。前作をどう評価するかによって好みが分かれるところかもしれないが、ブライアンの新しい魅力が前作以上に味わえる内容に僕はとても満足している。
とくに08 spirit of rock'n'roll は素晴らしいの一言である。10 love yaや11 make a wish、01 consert tonight、05 i do も最高にカッコいい。そうか、そういう手があったのか!そういうブライアンもいいじゃないか! 思わず唸ってしまった。これらの曲は基本的に1stのベストチューン(だと僕が勝手に思っている)"Let It Shine"や"Meet Me in My Dreams Tonight"の流れの中に位置する。確かに08 spirit of rock'n'roll が"Let It Shine"と同じジェフ・リンのプロデュースではないかとの噂が流れるのも分かるような気がする。(実際はよく分からないけど、、) 60年代や70年代の印象を引きずるブライアンも悪くないけど、明るいロックンロールをリラックスして奏でるブライアンの歌声、その明るく響くファルセットは彼の新しい魅力として十分に味わうことができるし、とても胸を打つのだ。(その声は若々しく、甘さと張りがあって最高の調子だったことを伺わせる。) もちろん楽曲も素晴らしい。08 spirit of rock'n'roll は彼のソロでのベストチューンとなった。

正直言って、ブライアンがこんなところで彼のキャリアのピークを迎えているとは考えてみたこともなかった。それほどに素晴らしいアルバムである。これは。
但し、、、敢えて言えば、やはり<ラップ・ナンバー>13 smart girlsはいらないかもしれない。。。

このアルバムは確実に"SMiLE"(2004)に繋がっているとも感じる。こんな素晴らしいアルバムがほぼ完成されていながら何故正式にリリースされなかったのか、甚だ不可解であると同時に、これは文化的な意味での犯罪に近い。
もしかしたら"SMiLE"(2004)のときのようなサプライズが今後あるのかもしれないが、名作がリアルタイムで聴けないという事実は一種の不幸であることに変わりはない。

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Brian Wilson "SMiLE"(2004)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2006-08-05 23:06 | 90年代ロック | Trackback | Comments(4)

semスキン用のアイコン01 Wilson Phillips "Shadows & Light"(1992) semスキン用のアイコン02

  

2006年 07月 16日

a0035172_1125039.jpg我らが同級生の星、ウィルソン・フィリップスの2作目にして最高傑作がShadows & Light"(1992)<邦題:『光と影のドラマ』>である。
あえて彼女たちの最高傑作と書いてみたが、彼女たちの1作目、3つの全米No.1ヒットを出した"Wilson Phillips"(1990)に比べるとこのアルバムの印象は確かに薄い。1作目が光だとしたら、正に2作目は影のような存在である。明るいポップセンス溢れる前作に対して、こちらは全体に落ち着いた雰囲気で曲調は地味である。最初と最後を飾る主題曲でもある I Hear You や07 Flesh and Bloodの冒頭での美しく完成度の高いコーラスがある一方、全体としてコーラス曲よりも彼女たち3人それぞれのソロ、それもバラード系に重点が置かれているようにも思える。とてもじっくり聴かせる曲が多く、バラードが多い割には曲ごとに味わいが違うため、ある意味でバラエティに富んでいる。もちろん3人の歌声が絡む美しいバラード曲、ファーストシングルとなった03 You Won't See Me Cry も素晴らしい。

<You Won't See Me Cry のPV!> ←クリックすると始まるので音量注意!!

残念ながらウィルソン・フィリップスはこのアルバムの後に一度解散してしまう。その後にチャイナがソロを、ウィルソン姉妹も父ブライアンとコラボレイトしたアルバムを発表する。それぞれになかなかの快作であるが、チャイナの情感溢れる声にはやはりカーニーとウェンディの晴れやかなコーラスが被さってほしいと思うし、ウィルソンズだけでは何か淡白な感じなのだ。そう思ってこの2ndアルバムを聴いてみれば彼女たちの声がとてもバランスよく聴き応えがあることに改めて気付く。
カーニーとウェンディが紡ぎだすウィルソン姉妹のコーラスは女性らしいスウィートさが調和するおしゃまな優等生派。音的には姉妹とほぼ同じながら声の響きに力強さを感じさせるのがチャイナで、彼女の声は叙情的なコブシが効いていて、お嬢様な姉妹と比べると、ちょっとはすっぱで健康的な庶民派。僕としては、姉妹の間にチャイナが入ることでバランス的にとてもしっくりくるのだ。
やはりボーカルの掛け合いは3人が基本。ザ・バンドもリチャード・マニュエルにリヴォンとダンコの声が被さり、掛け合ってこそ味があるというものなのだ。この3人も同じような声質だけど、その微妙な違いが重なることでコーラスに深みを与えるのである。

ウィルソン・フィリップスの久々の復活作"California"(2004)はカバー集ながら素晴らしい出来だった。こうなればあとは彼女たちのオリジナルの新作待つばかりなのであるが、カーニーがすっかり激ヤセタレント化しているのがちょっと心配なところである、、、

ウィルソン・フィリップス 同級生の会代表 onomichi1969でした。。。

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Wilson Phillips "Wilson Phillips"(1990)のレビューはこちら!
Wilson Phillips "California"(2004)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2006-07-16 01:23 | 90年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Wilson Phillips "Wilson Phillips"(1990) semスキン用のアイコン02

  

2005年 04月 22日

a0035172_127443.jpgWilson Phillips “Wilson Phillips”(1990)は80年代の最後を飾るPOPアルバムである。

この女性トリオの売りは何と言っても、ビーチボーイズとママス&パパスの娘達による80年代ポップスということになろう。
あの映画”An American Band”に出ていた小さなお嬢ちゃん達が、いつのまにかこんなに大人になっていたのだなぁ、、、と思うと最初は妙に感慨深かったが、よくよく考えれば、彼女らと僕は全くの同世代。そんな小娘扱いしてはいけなかった。。。

このアルバムも実際に聴いたのは発売してから10年程経ってからである。
正直言って、全米No.1ヒットを連発したアルバムであるが、その存在を僕は知らなかった。世は洋楽からJ-POPへ以降しつつあった90年。それも仕方ないか。

買った当初はそんなに期待もしていなかったが、このアルバムは結構繰り返し聴くことになる。彼女達のコーラスワークはなかなか聴かせるし、楽曲も全編通して悪くない。
アルバムのノリは、80年代ポップスの集大成という感じであるが、エッセンシャルな所で良質なポップスの花をうまく掴み取っていると感じる。それも最後の仇花って感じがしないでもないけどね。

<Hold on のPV!> ←クリックすると始まるので音量注意!!

彼女らが十数年ぶりに再結成し、カバーアルバムを発売したという。
カーニー&ウィンディのウィルソンズは父親との共演やアル・ジャーディンとの地味な活動が長く続いたようであるが、もっともっと前線で活躍できる才能をもった2人である。チャイナも戻り、このトリオでの歌声がまた聴けるのは嬉しい限りだ。
ただ、カバーアルバム『カルフォルニア』の選曲は、、、かなりベタですなー。
まだ聴いてないけど。。いっそオリジナルでも良かったんじゃないかな。。

新作のジャケットを見る限り、彼女らは昔よりも美しい。特にカーニーが。。(新作のレビューはこちら) 
女性の美しさは年輪と共に潤み深まります。女性35歳からかな。。

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Wilson Phillips "California"(2004)のレビューはこちら!
Wilson Phillips "Shadows & Light"(1992)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2005-04-22 01:31 | 90年代ロック | Trackback(1) | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 U2 "Achtung Baby"(1991) semスキン用のアイコン02

  

2005年 04月 22日

a0035172_0302932.jpg僕はあまりこのバンドを音を聴かないのであるが、1991年に発売された"Achtung Baby"は例外的にわりと気に入っている。
U2を初めて聴いたのは、3rdアルバム"War"(1983)である。当時から名盤との誉れ高い作品であったが、僕個人としては、名曲"Sunday Bloody Sunday"や"New year's day"を除けば特に印象に残らず、逆にマッチョな感じがどうも馴染めない作品であった。
彼らのアメリカでの名声を決定付けた"The Joshua Tree"(1987)にしても、マッチョ感に少し枯れた味わいが付け加えられたことにより、僕にとっても多少は聴きやすくなったが、それでも世間で言うほどの名盤とも感じられず、アルバムを繰り返し聴くこともなかった。

僕にとって、"The Joshua Tree"から10年ぶりのU2との邂逅が"Achtung Baby"(1991)になる。(実際、アルバム発売から8-9年近く後に初めて聴いた)
このアルバムは一聴して、気に入った。

たぶん、80年代のボノの声は僕に合わなかったのだろう。

そして、90年代のボノの声。。。
人によっては、彼特有のトゲトゲしさを排除した故に、あまりに普通っぽい声になってしまった、と感じるかもしれない。
ボウイのようなダンディズム、、、その姿勢の転換に違和感を覚えるかもしれない。

でも、僕はこっちの方が好きだな。
曲もアレンジもバラエティに富んでいて、面白いし。
やっぱりイーノはこうでなきゃ。

エッジのギターは相変わらずとしか言いようがないけど。
でも、彼のギターの色合いは、このアルバムによくフィットしているし、悪くない。

ある意味で90年代はこの作品で幕を開けたのかもしれない。そう思わせるある種の変化、境を乗り越え得た何かをこのアルバムは根本に持っている。
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by onomichi1969 | 2005-04-22 00:52 | 90年代ロック | Trackback | Comments(4)

semスキン用のアイコン01 Sheryl Crow "Sheryl Crow"(1996) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 28日

a0035172_1305151.jpg90年代の洋楽シーンは、僕にとってブラックボックスである。80年代の洋楽少年にとっては、ベストヒットUSAの終了とともに洋楽への興味は薄れることになったし、大学生となり、社会人となって、社会的な自分というものを確立することが求められると、そのことに精一杯で、最新の洋楽へ興味を向けることなど全く気が回らなかったこともある。また、僕の中では高校時代に60年代や70年代のロックに触れたことで、ロックとは時の風化によって耐えたもののみが本物であるという多少過剰な認識もあった。80年代のキラキラしたポップシーンでさえも急激に色褪せて見えたものだったのだ。~80年代ロックの軌跡~
ということで90年代のNew Comer達のアルバムを殆んど僕は持っていない、というか知らないw 僕がSheryl Crowについて知ったのは、村上春樹のエッセイからだったと思う。<これはRadio Headも同様> 15年以上、最新の洋楽から遠ざかっていたので、たまには新しいものを聴いてみるか、と軽い気持ちでCDを借りたのだ。
Sheryl Crow "Sheryl Crow"(1996) 一聴してこのアルバムは素晴らしいと感じた。
正直言って、80年代というロック不毛の時代を経て、ロックミュージック自体が懐古的な傾向を強め、より形式主義的に突き詰められていったのは、時代的な要請でもあるし、仕方のないことだと思う。このアルバムもループ的なリズムやギターリフの音の肌触り、ボーカルアレンジに90年代的な洗練さを感じるが、方法論的には70年代のロックやR&Bのテイスト、その模倣である。
しかし、ロックというスピリットや技術が70年代前半に突き当たったもの、その壁自体がやはりロックの原点であると僕は思っている。それはそう簡単に超えられるものではなく、簡単に超えられたとしたらそれは嘘である。今やロックミュージシャンはロックを真摯に抱えることしかできないし、それを抱えること自体の誠実さこそが貴重なのだといえるのではないか。
昨今、過去のロックバンドの再結成などに脚光があたることが多いような気がするが、それは新しいはずのものが全然新しくないという停滞感が呼び起こす現象なのだと僕は思う。でも、それはそれでいいのだ。ロックは何度も死んだと言われたが、いい音楽というのはずっと残っていくものだし、ロックのアビリティにも幅としての限界はあるのだ。その深さや複雑さを無理やり単純化したり拡張したりするような変化はロックにとっても人間にとってもいいことではない。
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by onomichi1969 | 2004-11-28 02:24 | 90年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 ザ・コミットメンツ "The Commitments" semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 13日

a0035172_11201629.jpgこの映画のサントラが中古で500円で売られていた時はショックだったなぁ。定価で買った僕としては。物語としてもなかなか面白かったけど、やっぱりライブ映像が良かったな。ボーカルが良い。「トライ・ア・リトル・テンダネス」はとても感動的でした。パブロック的な白人R&Bは結構イケると思うんだけど。1991年英・アイルランド・米映画
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by onomichi1969 | 2004-11-13 23:06 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)

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