Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 The Who "Quadrophenia"『四重人格』(1973)  semスキン用のアイコン02

  

2004年 10月 25日

a0035172_3261164.jpgThe Whoは、The Beatles、The Rolling Stonesに並ぶ3大ロックバンドのひとつであり、また世界一のライブバンドとも称される実力派バンドである。にもかかわらず、他の二つのバンドに比べ、日本での知名度はめちゃめちゃ低い。ビートスタイルロックのリーディングバンドとして、演奏力、構成力、ライブパフォーマンスのカッコよさは群を抜いており、ロジャー・ダルトリーだけ見ればルックスも悪くない。キースやピートにしても一種独特のカリスマ性を漂わせている。なのにこの人気の無さは何故だろう? これは日本におけるロックの七不思議のひとつである、と言いたいところだが、やっぱり比べる相手が悪かったとしか言いようがないか。。。僕が思うにThe Whoというバンドは、「ザ・ロックバンド」と言っても過言ではないくらいロックの関わる要素に対してパーフェクトなバンドスタイルを持っているし、ロックを哲学として体現し、そのロックというオリジナリティをとことん突き詰めた末にロックオペラに至る彼らの方法論にはとても納得させられるのだ。
とにかく手数の多さに圧倒されるキースのドラミング、早弾きソロが最高に素晴らしいジョンのベース、ブンブン奏法がカッコいいピートのギター、そしてマイクスタンドぶん廻しのロジャーのボーカル。もちろんリーダーであるピートの音楽性を含めて、どれを取っても「素晴らしきロックの世界」なのである。
そんなThe Whoの代表作といえば、世界初のロックオペラであり、壮大なスケールを誇る"Tommy"(1969)、壮絶なるライブパフォーマンスをみせる"Live at Leeds"(1970)、最強のスタジオアルバムであり、演奏的、楽曲的にも文句なしの"Who's Next"(1971)ということになるだろうか。どれもこれも素晴らしいアルバムたちだ。
しかし、ここで1枚選択するとなると、僕はやっぱり"Quadrophenia"(1973)を選ばずにはいられない。それは何故か。確かに"Tommy"(1969)や"Who's Next"(1971)に何の文句もないし、どちらをとってもロック名盤中の名盤と呼ぶに相応しい大傑作である。それぞれにThe Whoの違った色合いを楽しむことができる。しかし、だからこそ、どれか1枚となれば、"Who's Next"(1971)を経た後のロックオペラ集大成、ある意味でThe Whoの真骨頂たる作品"Quadrophenia"(1973)を選ばずにはいられないのだ。人によっては中途半端な印象を受けるのか、このアルバムの人気は必ずしも高くない。楽曲的な魅力のなさを理由にあげる人もいるだろう。しかし、アルバムの構成、演奏、そして幻視されるパフォーマンス、ここにはThe Whoのこれまでの道程のすべてが、言い換えればロックのすべてが詰まっているんじゃないだろうか。このThe Whoの渾身の一作を聴かずして、ロックを語ることはできないのだ。
ちなみに僕は何故かサントラ盤の"Quadrophenia"(1979)を所有している。これは青春映画の傑作、モッズ映画の定番「さらば青春の光」(原題はもちろん"Quadrophenia")のサントラである。というか、ロックオペラ"Quadrophenia"(1973)をモチーフにしてThe Whoがプロデュースしたのが映画作品’Quadrophenia’なのだ。すべてがロックという文化に繋がる、それこそがThe Who又はピート・タウンゼントの行き方なのである。ただ、、、キースはそんなピートの哲学的ロック道についていけなかったのか、ハチャメチャな生き方を貫いたまま78年に急逝してしまう。これもある意味でロック的なのかもしれないが。

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The Who "A Quick One"(1966)のレビューはこちら!
The Who "Live at Leeds"(1970)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2004-10-25 03:30 | 70年代ロック | Trackback | Comments(3)

semスキン用のアイコン01 Boz Scaggs "My Time"(1972) semスキン用のアイコン02

  

2004年 10月 17日

a0035172_0164435.jpgボズ・スキャッグスのアルバムの中から1枚選ぶというのもなかなか難しい。初期のR&B路線もいいし、出世作「Silk Degrees」(1976)以降のAOR路線も大好きだ。ただ、これまでマイナーな作品を紹介してきた関係上、ここでもやはりマイナー路線を貫かせてもらうw
"My Time"(1972)は、ボズの4枚目のソロアルバムになる。(幻のデビュー作「BOZ」(1966)を加えれば、実質的に5枚目) 既に初期のブルース/R&B路線から都会的なAORサウンドへと繋がる萌芽が十分に見られる。ただ、アラン・トゥーサンの"Old Time Lovin," "や"Full-Lock Power Slide," "Hellow My Lover"などにスワンプ系R&Bの良質さをまだ残している。
このアルバムの出色はやはり彼のオリジナル・バラード"Slowly in the West"であろう。個人的には彼のバラードで一番好きなナンバーだ。彼のメロウな歌声がシンプルなメロディに程よく嵌まる。確かに彼の代表曲である"We are All Alone"や"Slow Dancer"のような派手な叙情性はないが、徐々に盛り上がりつつ、引いていくメロディはある意味で静かな叙情性を感じさせ、妙にゾクゾクしてしまうのだ。
僕がこのアルバムを一番好きなのは、この1曲があるからかもしれない。そのくらい痺れるナンバーなのだ。

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Boz Scaggs "Moments"(1971)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2004-10-17 00:19 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 Bruce Springsteen "The Wild、The Innocent and The E Street Shuffle"(1973) semスキン用のアイコン02

  

2004年 10月 16日

a0035172_10345586.jpgブルーススプリングスティーンの代表作を挙げるとすれば…
「アズペリーパークからの挨拶」(1973)や「明日なき暴走」(1975)、「Born in the USA」(1984)あたりが妥当なところだろうか。もしかしたら、「The River」(1980)が一番という人がいるかもしれない。ちょっと地味だけど「闇に吠える街」(1978)を推す人もいるだろう。
しかし、僕は敢えて彼の2作目「青春の叫び」(1973)を代表作として挙げてみたい。原題を「The Wild、The Innocent and The E Street Shuffle」(1973)という。
このアルバムほど彼のアグレッシブなロックンロールが前面に押し出されているものはない。さらにアレンジもバラエティ豊かで、全体を通してスピード感に溢れる。1作目に通じる彼独特の蒸せかえるようなボーカル(言葉の奔流といわれる)を確かなバンドサウンドで支えている。ボーカルの暑苦しさにも増して都会的でスリリングなサウンドの印象が濃い。
この2作目の批評として、「アズペリーパーク…」で掴み「明日なき暴走」で完成される彼のスタイルの中間段階であるということから全体的に中途半端な、さらには散漫な印象を受けるということが聞かれる。
しかし、僕にしてみれば、「これほど完成度の高いアルバムはない!」と思えるのだ。
僕は「アズペリーパーク…」も好きなアルバムだけど、そこに足りないものがあるとすれば、バンド特有のグルーブ感だ。ボーカルの暑苦しさに耐えられるだけのバンドサウンドこそ彼には必要だったのである。
しかし、E-StreetBandと組んだ「青春の叫び」でこの問題はすっかり解消されている。ここには跳び上がるほどのグルーブ感が溢れているのだ。70年代的なジャンルごった煮サウンド、スリリングな展開、立ち眩らみ蒸せかえる言葉の奔流。それは新しいサウンドの始まりだったはず。
では、3作目「明日なき暴走」はどうか。僕にはここにひとつの分岐点があったと思う。よりシンプルでソリッドなサウンドへの移行である。2作目で完成形に達したサウンドスタイルをここで早くも変化させているのだ。現在の位置から俯瞰的にみれば、彼のこのサウンドスタイルの移行は80年代の主流を既にして捉え、「Born in the USA」の大成功を予見させるものであった。
これ以降の彼のアルバムは彼自身のスタイルの確立とともにワンパターン化の方向を目指してしていく。(と僕には思える) 時に「The River」のような冗長なアルバムをも産み落とす。
「The Wild、The Innocent and The E Street Shuffle」は、稀有なマスターピースであり、今聴いても全く色褪せない珠玉の作品である。後にも先にもないそのワイルドでイノセントな印象は僕らを深く強く揺さぶるのである。

THE WILD、THE INNOCENT and THE E STREET SHUFFLE
E-Street では little angel が step を踏み、少年達は shuffle し続ける。7月8日の Asbury Park。 Sandy は恋人を見送り、 Kitty は Big Pretty と別れてこの街に帰ってくる。Wild Billy のサーカスは Nebraska で夜を迎え、57th street では Spanish Johnny が Jane におやすみをつぶやく。そして、、、Rosalita は街に出て行き、 New York では Jazz-Men 達が Billy と Jackie の為に serenade を歌う…今夜。
By B.Springsteen&Onomichi


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Bruce Springsteen “Born in the U.S.A” (1984)のレビューはこちら!
Bruce Springsteen & the E Street Band "Live-1975-85"(1986)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2004-10-16 10:39 | 70年代ロック | Trackback | Comments(4)

semスキン用のアイコン01 Robert Palmer "Sneakin' Sally Through the Alley"(1974) semスキン用のアイコン02

  

2004年 09月 25日

a0035172_1362847.jpg「Sneakin' Sally Through the Alley」(1974)は、Robert Palmerのデビューアルバムにして最高傑作である。僕はこのアルバムを高校生の頃にカセットでよく聴いていたが、つい最近までCDを手に入れられずにいた。しかし、今ではAmazon等で簡単にCDを購入できる。こういう傑作が時代に埋もれずに簡単に検索できるようになったのは実に喜ばしいことだ。但し、これは彼が昨年死去したことによるものであろうか? その辺りはよく分からない。
とにかく、改めて言うが、このアルバムは素晴らしい
Lowell Georgeとのコラボレーションによるブルーアイド、ニューオーリアンズサウンド。まず1曲目のSailin' Shoesは、Little Feet版よりもやはりこちらがいい。躍動感と情感溢れるボーカルがテンポのよいサウンドに映える。さらには彼独特の都会的センスが軽快で心地よい。
そして、Hey Julia, Sneakin' Sally Through the Alley, Get Outside, BlackmailとAサイドはいわゆるスワンプロックのオンパレードで、すべてはこのノリで押し切っている。僕にとって、彼のこのノリの「押し切り」はかなり新鮮なものであった。それはLittle Feetや初期のBoz Scaggsとも違い、ある意味でバラエティに富んでいないが故のシンプルな潔さを感じる。
このアルバムのAサイドはトータルで1曲のような潔い統一感があり、それが魅惑的なのである。<そうは言っても、いまやAサイドやBサイドという概念自体が無意味なのであるが。>
まぁ、とにかく僕にとってはRobert Palmerと言えば、これ。「Sneakin' Sally Through the Alley」なのだ。
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by onomichi1969 | 2004-09-25 13:04 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(0)

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