Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 タグ:60年代ロック ( 31 ) タグの人気記事 semスキン用のアイコン02

  

semスキン用のアイコン01 Mike Bloomfield with Nick Gravenites and Friends "Live at Bill Graham's Fillmore West 1969" semスキン用のアイコン02

  

2011年 02月 11日

a0035172_23155235.jpg60年代後半、ブルーズ・ロックの2大白人ギタリストといえば、エリック・クラプトンとマイク・ブルームフィールドだったと言われている。クラプトンがソロとしてボーカルも取るようになり、ドラッグ療養によるブランクを経て、そのスタイルをアレンジしながら70年代も活躍したのに対して、マイク・ブルームフィールドは、ドラッグから抜け出せず、また、ブルーズに固執したが故に70年代以降は忘れられた存在となった。

そういう存在に僕は何故か惹かれてしまう。
マイク・ブルームフィールドの代表作と言えば、アル・クーパーと組んだ"Super Session"(1968)がある。ブルームフィールドは、体調が悪くてA面のみ参加であったが、1曲目の"Albert's Shuffle"や"Stop"の流れるようなギターソロ、クリアで力強いレスポールの音色がとても印象的で、A面2曲のみでこのアルバムは名作になったとも思える。

ブルームフィールドの作品はこれまでポール・バターフィールド・バンドや『フィルモアの奇蹟』が有名であるが、彼の魅力が思う存分に発揮されたアルバムと言えば、最近再発された"Live at Bill Graham's Fillmore West 1969"、いわゆる『永遠のフィルモア・ウエスト』である。

これはすごいアルバムである。ホワイト・ブルーズの極致である。
全編に渡り、ブルームフィールドのブルージーなギターが冴えわたる。ディストーションの効いた力強い音色と、その力強さの中に響く甘く柔らかい音色。ライブならではの手触り感。1969年のサンフランシスコ、フィルモア・ウエストというシチュエーションも、このアルバムに彩りを与える。

そして、ブルームフィールドの盟友、ニック・グラヴェナイツのボーカルも素晴らしい。ホワイト・ブルーズかくあるべし、とでも言うべき晴れやかで魂のこもったボーカルスタイルである。ブルームフィールドのギターとニック・グラヴェナイツのボーカル。それにホーンやピアノが絶妙に絡む。特に、オープニングのIt Takes Timeや、長尺のBlues on a Westside、One More Mile to Goが個人的にはとても好きな楽曲である。重厚なギターソロが圧巻なKilling My LoveやCarmelita Skiffle、Moon Tune、Mary Annもいい。
楽曲自体も深く、それでいてしつこくなく、ポップな若々しさがある。当時のイギリスの若いブルーズ・バンドとは違う落ち着いた味わいがある。

70年代のブルームフィールドはまだ聴いたことがないので、いくつか聴いてみようかと思う。

1981年、車の中で死亡しているブルームフィールドが発見される。ヘロインの過剰摂取が原因とされているが、実際のところ、彼は80年代を生き抜くすべを持っていなかったのだろうと僕は思う。60年代後半に一世を風靡した伝説のギタリスト。彼は、時代に殉じたロック・ミュージシャンの一人だったということなのだろう。
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by onomichi1969 | 2011-02-11 23:35 | 60年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 The Beach Boys "Pet Sounds"(1966) semスキン用のアイコン02

  

2010年 09月 30日

a0035172_1425737.jpg『レコード・コレクターズ』誌(2007) 執筆陣が選ぶ60~80年代ロック・アルバム・ベスト1に輝く作品。(ちなみに読者選出では6位)
『ペットサウンド』が90年代以降に高評価を得た理由のひとつは、その「暗さ」が時代にフィットしたことにあるのだと思う。故に80年代に『ペットサウンズ』が今ほどの評価を受けていなかったことは至極真っ当なことだったと言える。それが80年代というポップな時代の趨勢だったから。
特にこの作品の日本での高い評価について言えば、村上春樹や山下達郎、萩原健太等の識者による宣伝が大きな影響を与えたのだろうか。永遠のNo.1アルバムと思われたビートルズの『サージェント・ペッパーズ』を超える評価は、逆に『サージェント・ペッパーズ』の醸し出すストレートなドラッグ(サイケ)・カルチャーの雰囲気が現在の日本では受け付けにくくなっているからかもしれない。それはそれとして、、、

ブライアン・ウィルソンの心情。それが『ペットサウンズ』なのだと言われる。殆ど彼一人の意向によって作り上げられたのであるから、それも当然のことだろう。アルバムを貫く統一感と不完全性、そして複雑さと矛盾は彼の心情の吐露そのものである。

冒頭を飾る『素敵じゃないか』"Wouldn't It Be Nice"はアルバムの性格をよく物語る名曲である。表題や歌詞だけ見れば、それは恋人同士の明るい未来を歌った楽しい曲であるはずであり、曲調も一見華やかなものと思える。しかし、聴けば聴くほど、この曲のアカルさの上には常に暗雲のイメージが浮かぶ。『素敵じゃないか』が全然「素敵」にきこえないという、その滲み出るような裏腹さがこの曲にある種の違和と奥深さを与えている。あとに続く『僕を信じて』"You Still Believe in Me"、『ザッツ・ノット・ミー』"That's Not Me"、『ドント・トーク』"Don't Talk (Put Your Head on My Shoulder)"のブライアンの根暗な心情3連発というシリーズが冒頭の曲のイメージにフィードバックされているとも思える。

圧巻はB面にある。
『神のみぞ知る』"God Only Knows"はアルバム唯一のカールのボーカル曲である。 この曲こそは、メロディとアレンジの完成度と美しさからアルバムの一つのクライマックスとも思える。だからこそ、ブライアンはカールにこの曲を託したのだと思う。カールが歌うことで曲の完成度と美しさが際立つが、アルバム全体の中でそれはひとつの違和を醸し出す。曲そのものだけ取り出せば、『神のみぞ知る』は今時の恋愛映画のエンディングテーマにもなるが、『ペットサウンズ』というアルバムの中で聴いてこそ、この曲の真価(完成度と違和という相反さ)を感じるのである。

『救いの道』"I Know There's an Answer" のオリジナルは、真逆の歌詞としてある"Hang On to Your Ego"である。マイク・ラブによって変更させられた歌詞。心情と曲調の齟齬と矛盾から醸し出される違和がある。

『ヒア・トゥデイ』"Here Today"はマイク・ラブのボーカルにこそ違和がある。

そして締めは、ブライアンの駄目駄目さ全開の『駄目な僕』"I Just Wasn't Made for These Times"と狂おしさ全開の 『キャロライン・ノー』"Caroline, No"である。凡そポップという枠を見事に逸脱してしまった自虐性にこそブライアンという存在自体の違和と天才があるのだ。

ブライアン・ウィルソンは、このアルバムを作り上げたことにより、天才と呼ばれるようになった。それはアルバムを通したアレンジの技術的な先駆性や卓越したメロディセンスによるところが大きいのであるが、僕は、彼の天才こそ、彼自身の人間的な(そして作品の)多重性とそこから滲み出る違和にこそあると言いたい。(そして、それを体言するブライアンの声!) 完全のようでいて不完全な、単純なようでいて複雑な、楽しいようでいて悲しい。ダブルバインドな心情の誠実な吐露。それこそがブライアンであり、『ペットサウンド』の魅力なのだと僕は思う。
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by onomichi1969 | 2010-09-30 00:42 | 60年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 The Band "The Band"(1969) semスキン用のアイコン02

  

2009年 01月 28日

ローリングストーン誌(日本版)の2月号に"100 Greatest Singers of All Time"という特集があって、ふむふむと思って見てみると、1位がアレサ・フランクリン!2位がレイ・チャールズで、以下は次のような順位だった。

3位 エルヴィス・プレスリー
4位 サム・クック
5位 ジョン・レノン
6位 マーヴィン・ゲイ
7位 ボブ・ディラン
8位 オーティス・レディング
9位 スティーヴィー・ワンダー
10位 ジェイムズ・ブラウン

至極妥当な順位だと思う。特にアレサの1位は納得で、僕が選んでも彼女のトップ3は外せないだろう。さすがローリングストーン誌である。

順位が下がってくると、日本ではあまり馴染みがない人も入っていたりして、このあたりにオールド・アメリカンっぽい選定の特徴が見られる。そして、91位にいましたよ。リヴォン・ヘルムが。

残念ながら、ザ・バンドからはリヴォンのみのエントリーだったけど、僕がトップ10を選ぶなら、リチャード・マニュエルとリック・ダンコは必ず入れるだろう。僕の中でリヴォンは3番手なんだな。でも、リヴォンを推薦している以下の文章にはすこしグッときた。

リチャード・マニュエルの声は、痛みと闇を感じさせるところがいい。リック・ダンコも声に濃い影とエキセントリックさがある。そのなかで、リヴォンの声は頑丈な作りの古い農家のようだ。農地の真ん中に長年立って、雨風や嵐、豪雪にもびくともしない。 ジム・ジェイムス(マイ・モーニング・ジャケット)
というわけで、久々の音楽レビューは、ザ・バンドである。
ザ・バンドのレビューとしては、これまでライブアルバムの傑作"Rock of Ages [Deluxe Edition]"(1972)"Moondog Matinee"(1973)を紹介してきた(あと、リチャードのソロライブ、Richard Manuel "Live at the Getaway"(1985) や雑誌関連でUNCUTの記事の紹介も有りです)が、やはり彼らの傑作と言えば、初期の2作と"Northern Lights-Southern Cross"(1975)になるだろう。その中で、今日はたまたま手にとった"The Band"(1969)を紹介してみたい。

a0035172_22372886.jpgこのアルバムは彼らの最も重要な作品に挙げられることが多いが、その理由はアルバムがコンセプチュアルであるということ、尚且つ、曲自体も優れていて、彼らの名曲と言われる作品が揃っているという点にあろう。ハーモニーだけなら1作目が傑出しているが、このアルバムにはザ・バンドの音楽を象徴する物語性(精神性、存在そのものから醸し出される雰囲気といったようなもの)があり、それ故に、以後のアルバムを含めて彼らを代表する作品となったと思える。
このアルバムがあまりにもに完璧であるが故に3作目以降が見劣りすると言われているが、僕は3作目"Stage Fright"(1970)も好きだし、曲のラインアップだけみれば、3作目以降も名曲揃いである。
しかし、"The Band"(1969)は特別なのである。なんというか、そこにはザ・バンドという偉大なる物語性があり、それこそが作品の存在感となり、他を寄せ付けない風格となっていると感じる。(そういう意味でジャケットも素晴らしい)

リチャード・マニュエルの搾り出すような独白から始まる冒頭のAcross the Great Divideに始まり、リヴォンの力強い歌声が響くRag Mama Rag、リヴォンの実直な歌声にリックの影のある声が絡むThe Night They Drove Old Dixie Down。そしてリックのソロでWhen You Awakeに、リヴォンの代表曲でもあるUp on Cripple Creek、リチャードの名曲Whispering Pinesが続く。Whispering Pinesはリチャードのファルセットが切ないバラードの傑作だけど、この曲のリヴォンのハーモニーも素晴らしい。本当に泣けてくる。
そして、リヴォン&リックのJemima Surrenderに、リチャード&リックのRock'n' Chair、リックのLook Out Clevelandに、リチャードのJawbone、リックの名曲The Unfaithful Servantに、最後を飾るのは、リチャードのジャジーな佳作King Harvest (Has Surely Come)である。

ボーカルにスポットを当ててみたが、こうやって曲を追っていくだけで、如何にこのアルバムが絶妙で、隙がなく、完璧であるかを再認識させられる。そして、3人のボーカリストの中で、特にこのアルバムに関して言えば、やはりリヴォンの活躍が光る。僕の中では3番手だけど、やっぱり彼こそはザ・バンドの実直さの象徴であり、屋台骨なんだな。彼らの歌声そのものが北アメリカの歴史や風土を象徴しており、それが作品の物語性を生み出しているとも思える。もちろん、作品自体のコンセプトも旧き良きアメリカ/フロンティア精神を象徴するものであり、そういった完成度も高い。

1作目から受け継ぐハーモニーと物語性、そして、楽曲中心の色の強い以後のアルバムのスタイルが本作で絶妙に融合したことにより、この時期だけの特別なアルバムになったとも思える。
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by onomichi1969 | 2009-01-28 21:44 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 The Zombies "Odessey & Oracle"(1968) semスキン用のアイコン02

  

2007年 11月 25日

a0035172_105118.jpg60年代の優れたポップ・グループと言えば、ゾンビーズである。最近のレココレのランキングでも”Odessey & Oracle”(1968)の人気はとても高く、やはりこのアルバムの持っている普遍的な要素、たぶんそれはポップと呼ばれるもので、それが現代において、いや現代だからこそ、十分に評価されるべきものなのだと思える。
以前、”Odessey & Oracle”(1968)を含めた当時のサイケ&コンセプチュアルなアルバムの一群を纏めて「サージェント・ペッパーズ風」アルバムと呼んだけど、このアルバムは楽曲構成的には地味で、大掛かりなオーケストレーションとは対極に位置する曲も多く、どちらかと言えば、ビーチ・ボーイズの”Friends”(1968)などと同じ系列のソフトロック的流れの中で捉えられるのが一般的のようだ。

僕が80年代に洋楽を聴いていた当時、(ソフトロック路線の)ビーチ・ボーイズもそうだけど、ゾンビーズもあまり話題になることがなかった。(当時の名盤リストを見ても取り上げられていない) ゾンビーズ風なソフトロックが一般的に認められるようになったのはいつ頃のことなのだろうか? それは寡聞にしてよく知らないが、彼らの音楽を聴いてみれば、そのポップセンスが現代に十分に通じるものであること、特に”Odessey & Oracle”(1968)は当時の商業的なポップミュージックとは意識的に一線を画したが故に、本来的なポップミュージックという要素を包含する歴史的にも意味深いアルバムになったと言える。それが、ポップという殻の中で、完全に閉じた音楽なのか、微妙に窓を開けたものであるか、完全に開放したものであるのか、その辺りにポップという本質をめぐるスタンスの問題があるように思うが、幸いにしてゾンビーズ、その中心人物であるロッド・アージェントは、その絶妙な開放さ加減、バランスが絶妙なのである。おそらくそのポップへの理解が、当時よりも現代の僕らの視点においてこそ、彼らを十分に評価できる根拠となっている。

ゾンビーズのオリジナルは2枚である。1枚目が”Begin Here Plus”(1965)で、こちらのアルバムも素晴らしい内容である。ヒット曲の『She's Not There』や『Tell Her No』も斬新さ、センスの良さだけでも十分に感嘆するが、コリン・ブランストーンのソウルフルな歌声も魅力的で、楽曲面と共にこのアルバムをじっくりと聴かせるものとしている。

そして、”Odessey & Oracle”(1968)である。このアルバムについては既に多くを語りつくされていると思うので、ここで改めて付け足すことはないが、とにかく「美しい」アルバムである。有名な『二人のシーズン』や『エミリーにバラを』他、トータルアルバムにも関わらず、そこに収められた楽曲の全てに聴き応えがある。メロディがココロに沁みる。やはりこの手のアルバムとしては、ビーチ・ボーイズの”Friends”(1968)と双璧だろう。

現代において、ビーチ・ボーイズやゾンビーズのソフトロック的アルバムが認められるようになった反面、ビートルズの『サージェント・ペパーズ』は昔のように盲目的に賞賛されることがなくなったように感じる。先のレココレ・ランキングでもその順位は思ったよりも低いし、(読者9位、評論家18位)<80年代は文句なくの1位だった。いつでも。> ビートルズの中でもその評価は『アビーロード』や『ホワイトアルバム』に準じている。これもなかなか興味深く、現代という視点をよく表している現象だと思う。そして敢えて言えば、ビートルズの"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"(1967)こそ、もう一度(と言わずいつでも)、見直されるべきポップミュージックの原型なのであろうと僕は思っているが、それはまた別の話である。。。

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by onomichi1969 | 2007-11-25 11:47 | 60年代ロック | Trackback(1) | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Manfred Mann "What a Mann"(1968) semスキン用のアイコン02

  

2007年 11月 03日

a0035172_11145565.jpg60年代中期以降、マージー・ビートと呼ばれたブリティッシュ・バンドに限らず、アメリカのバンドもいままでのシンプルな音作りから、フル・オーケストラを駆使し、様々なジャンルの音楽をクロスオーバーさせた凝った音作りを展開していくようになる。その先鞭はビーチボーイズであり、ビートルズで、彼らの先駆的名作アルバム”Revolver”(1966)や”Pet Sounds”(1966)、そして”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”(1967)は多くのバンドに影響を与えた作品である。(だからこそ、これらのアルバムは名作と呼ばれる)
ローリング・ストーンズが”Their Satanic Majesties Request”(1967)を作り、ザ・フーが”The Who Sell Out”(1967)を、キンクスが”The Kinks Are The Village Green Preservation Society”(1968)を、スモール・フェイセズが”Ogdens' Nut Gone Flakes”(1968)を、ゾンビーズが”Odessey and Oracle”(1968)を、マンフレッド・マンが”Mighty Garvey!”(1968)を、ヤング・ラスカルズも”Once Upon A Dream”(1968)を作ったわけだ。(こういった流れはザ・バンドの登場によるビッグ・ピンク・ショックと共に終わることになるが、、)
これらのサージェント・ペッパー的なアルバムはどれも素晴らしい完成度を誇るが、例えばストーンズの場合であれば、彼らの特色である荒削りでソウルフルな魅力が半減したこと、また結局のところサージェント・ペパーズの2番煎じであることがその評価を(低く)決定してしまった。その2番煎じというストーンズの例があるからかもしれないが、先に挙げた、特に後半のサージェント・ペパーズ的なアルバムの評価も押しなべて低い。というか、一部で多大な評価を受けながら、その評価は全くと言っていいほど一般化してこなかったのである。

さて、先に挙げたバンドはどれも僕の好きなバンドで、その高い音楽性が特に後年になって徐々に認められるようになったところが似ているように思う。その中でも、マンフレッド・マンは、2面性のあるグループとして知られ、ポップ&ソウルな楽曲をシングルヒットさせつつ、彼らの出自でもあるジャズのインスト系アルバムを発表したりする。それにサージェント・ペパーズ的なアルバムを加えれば、彼らの魅力は3面的とも言える。それぞれの代表作を挙げれば、ヒットチャート曲が楽しい彼らのベスト盤”Singles in the Sixties”があり、サージェント・ペパーズ風の”Mighty Garvey!”(1968)があり、そして、彼らのよりアーティスティックな魅力が溢れるアルバムとして、”What a Mann”(1968)あたりが挙げられるだろう。

”What a Mann”(1968)は、Do Wah Diddy Diddyなんかを歌っていたバンドと同一とは思えないほどにポップスとは一線を画するアルバムである。半分くらいはインストの曲で(それがこのアルバムのモチーフでもあるが)、そのどれもが印象的で、ジャジーな味わいが深い。そもそもこのアルバムは”Soul of Mann”(1967)という完全にジャズ志向の楽曲を集めたコンピレーションの続編であり、ヒットソングのインストバージョンやB面ヒットを寄せ集めたようなアルバムでもある。”Soul Of Mann”(1967)が完全なるジャズ志向であるとすれば、”What a Mann”(1968)にはまだポップスの残香があるとでも言えようか。その雑然とした味わいが大きな魅力であると僕には感じられる。確かに”Soul Of Mann”(1967)も良質なアルバムで、ストーンズのサティスファクションのジャズ風カバーはすごく洗練されていて、今聴いても斬新である。

ということで、個人的には、”What a Mann”(1968)の次に”Soul of Mann”(1967)を聴くのが順当な聴き方かもしれない。そして、もちろん、彼らのヒットチャートソング集やサージェント・ペパーズ風アルバムも同時に素晴らしい。まさに「なんというバンドだ!マンは!!」って感じかも。。。
マンフレッド・マンは、ポップ&ソウルとジャズとサイケを其々に深化させたアルバムを発表し、60年代という時代にロックという領域でインフレーションした高い音楽性を発揮した特異なバンドなのである。

そして、”What a Mann”(1968)はそんな彼らの広範囲でインフレーションする音楽性の境界線を辿った特異点的なコンピレーションアルバムであり、そのマージナル性を十分に味わえる傑作なのである。

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by onomichi1969 | 2007-11-03 20:55 | 60年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 The Young Rascals "Groovin'"(1967) semスキン用のアイコン02

  

2007年 11月 03日

a0035172_1119668.jpgヤング・ラスカルズと言えば、『グルーヴィン』である。
彼らの音楽は、ブルーアイド・ソウルと言われる。
R&Bテイスト溢れるグループであれば、マンフレッド・マンやゾンビーズ、スモール・フェイセズもそうだし、スペンサーやゼムもあるが、やはりブルーアイド・ソウルと言えば、ヤング・ラスカルズになる。『グルーヴィン』は全米ポップチャートでNo.1になっただけではなく、R&Bのチャートでも白人グループであるにも関わらずNo.3の座を獲得した。

ヤング・ラスカルズと言えば、フェリックス・キャバリエとエディ・ブリガッティの2人のイタリア系アメリカンの声に代表される。Groovin'やA Girl Like Youで聴かせるハスキーでいわゆる黒っぽいフィーリング溢れる歌声がフェリックスである。そして、同じく大ヒットしたHow Can I Be Sure 『高鳴る心』やスティーヴィー・ワンダーのカバー曲A Place in the Sun 『太陽のあたる場所』を高らかに歌うのがエディ・ブリガッティである。エディの声もフェリックスに負けないくらいにソウルフルである。

彼らも後年はサイケ色の強いアルバムを発表するが、やはり彼らの特色であり、魅力となるのは2人のブルーアイド・ソウル・シンガーを前面に押し立てたボーカル色の強い作品だろう。彼らによって確立した白人によるモダンなR&Bというイメージ、ブルーアイド・ソウル・デュオというスタイルは後年のホール&オーツへと着実に受け継がれていくのである。
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by onomichi1969 | 2007-11-03 20:24 | 60年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 JANIS semスキン用のアイコン02

  

2007年 08月 15日

a0035172_23292560.jpgようやくDVD化した『JANIS』を購入。
ロック映像・ドキュメンタリーとしては、BBS "An American Band"、The Who "The Kids are Alright"、The Band "Last Waltz"、John Lennon "Imagine"、Elvis "That's the Way It Is"と共に時代を代表する作品と言えよう。

ジャニスを一躍スターダムに押し上げた1967年のMonterey POP Festivalでの名唱"Ball and Chain"、BB&HCとの"Summertime"のレコーディング風景、そして、Kozmic Blues Bandとの共演によるヨーロッパツアー、フランクフルトでの演奏などを収録している。
圧巻なのは、やはり、Full Tilt BoogieとのFestival Express(カナダ)での演奏であろうか。"Tell Mama"、"Kozmic Blues"、"Cry Baby"と素晴らしいステージングが続くが、正に鬼気迫る熱唱と言う他ない。(彼女の夭折はその3ヶ月後である)
ジャニスのステージというと夜のイメージが僕にはある。ウッドストックでの"Work Me, Lord"もナイターの煌びやかさが映えた印象に残るステージだった。

本作『JANIS』には彼女の代表的なステージ映像の他に貴重なインタビューも収録されている。実は、このインタビューがジャニスの本性とでも言うべき彼女の誠実さをよく伝えていて、演奏シーン以上に感動的なのである。それは上記のロック映像作品の全てに共通するが、彼らの生き様そのものを垣間見せ、そのステージの印象をより彫り深いものとさせてくれる。

ロックが最も幸せだった時代、彼女は自由を心から信じ、そして歌った。夢見がちで傷つきやすい少女、世間から孤立し、笑いものでしかなかった少女は歌によって救われ、その彼女の歌が今度は多くの人々の胸を奮わせるのだ。彼女の存在の偉大さを改めて感じさせてくれる。彼女ほどロックの本質、その強さであり、弱さである「誠実さ」を体現するボーカリスト、ミュージシャンは他にいないと僕は思う。
改めて思うけど、ロックとは天性であるとともに、より人間的なもの、ブルージーでソウルフルな、その根源的な哀しみと密やかな喜びから発せられるものなのだ。彼女の歌はそのことをよく教えてくれる。

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by onomichi1969 | 2007-08-15 23:57 | 音楽の映画 | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 Janis Joplin "I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!"(1969) semスキン用のアイコン02

  

2007年 08月 11日

a0035172_1152516.jpg僕が初めて聴いたジャニス・ジョプリンの曲は、”Maybe” と ”Kozmic Blues”だったと思う。
それらは、中学か高校生の頃、家に同居していた叔父が持っていたカセットに入っていた曲である。これまで多くのロック・ミュージックを聴いて、様々な衝撃を受けたが、その時、カセットから聴こえてきたジャニスの声は、その中でも最大級のものであった。

声というものがここまで「響く」ものなのか、心に染み入るものなのか、そのシンプルで原始的な現象に僕はまさに感動したのである。それ以来、僕はジャニスの曲を繰り返し聴くようになり、アルバム(当時のLP)も購入した。

ジャニスのアルバムと言えば、Big Brother & the Holding Company名義の”Cheap Thrills”(1968)、”I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!”(1969)、”Pearl”(1971)の3枚のオリジナルが有名である。その他、BB&HCのファーストや未発表曲集などもあるが、やはり聴き所満載なのはオリジナルの3枚であろう。
この3枚は、どれも名盤であり、もはやどれが1番とは言えない。それぞれにアルバムの色合いが違うので、その特色を楽しむことができるだろう。ライブ感があり、BB&HC特有の荒々しさを感じることができる”Cheap Thrills”、ソウルテイストに溢れる”I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!”、ロック色に彩られたバンドサウンド”Pearl” どれも素晴らしい作品であり、どのアルバム、どの曲にもジャニスの声が圧倒的に響くのだ。

ジャニスは僕が1番好きなボーカリストである。(その他、スティーブ・マリオットやポール・ロジャースも好きだけど、やはり筆頭は、、、ジャニス!) 僕はこれまで、彼女の魅力について、このブログで何度か語ろうとしたが、それが出来なかった。それが如何に難しいことかということのみを実感してきたのである。そして、ようやく、それが「語りえないもの」であるということに気がついた。

「語りえないもの」、それがロックの本質でもある。それが如何に素晴らしいものであるかを語りたいが為に僕はその周辺を迂回するように、これまでいくつかのロックに纏わる話を書いてきたが、やはり、その本質は「語りえない」のである。だから、僕らはごくナチュラルに意味のない叫びを発することになるのだ。Yeah! Noooo!

ジャニスと言う存在は、明らかにそのコアの部分そのもの、ロックの本質そのものである。

彼女の歌を聴きながら、今日も僕は心を響かせる。胸が打たれ、魂が締め付けられる。そして、コアの部分から叫びが搾り出される。Baby Baby Baby!

。。。あと、ついに映画『Janis』がDVD化したんだね。早速購入。Hi Hoooo!
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by onomichi1969 | 2007-08-11 12:09 | 60年代ロック | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 レコード・コレクターズ 60年代ロック・アルバム・ベスト100 semスキン用のアイコン02

  

2007年 06月 23日

a0035172_0143841.jpg70年代編を買った時にバックナンバーで同書5月号(レココレ 2007 Vol.26, No.5)も購入。
遅ればせながら、これまで(70年代80年代)と同様に60年代ランキングの照合してみると、、、

レコード・コレクターズ創刊25周年特別企画
2007年4月14日 (土)
60年代ロック・アルバム・ベスト100

1位 The Beach Boys / Pet Sounds
2位 Bob Dylan / Highway 61 Revisited
3位 The Band / Music From Big Pink
4位 The Rolling Stones / Let It Bleed
5位 King Crimson / In The Court Of The Crimson King
6位 Led Zeppelin / Led Zeppelin
7位 The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
8位 The Beatles / Revolver
9位 The Rolling Stones / Beggers Banquet
10位 Jimi Hendrix / Electric Ladyland

11位 Bob Dylan / Blonde On Blonde
12位 Velvet Underground / Velvet Underground & Nico
13位 Jimi Hendrix / Are You Experienced
14位 Beatles / Rubber Soul
15位 Who / My Generation
16位 Mothers of Invention / Freak Out !
17位 Captain Beefheart / Trout Mask Replica
18位 Pink Floyd / Piper At The Gates Of Dawn
19位 Crosby, Stills & Nash / Crosby Stills & Nash
20位 Buffalo Springfield / Again

21位 Band / Band
22位 Beatles / The Beatles (White Album)
23位 Cream / Disraeli Gears
24位 Doors / Doors
25位 Big Brother & The Holding Company / Cheap Thrills
26位 John Mayall / Bluesbreakers With Eric Clapton
27位 Beatles / Abbey Road
28位 Sly & The Family Stone / Stand !
29位 Jefferson Airplane / Surrealistic Pillow
30位 Led Zeppelin / Led Zeppelin II

31位 Laura Nyro / Eli And The Thirteenth Confession
32位 Traffic / Mr Fantasy
33位 Lovin' Spoonful / Do You Believe In Magic
34位 Kinks / Something Else By The Kinks
35位 Zombies / Odessey & Oracle
36位 MC 5 / Kick Out The Jams
37位 Kinks / Are The Village Green Preservation Society
38位 Beatles / Meet The Beatles
39位 Jeff Beck / Truth
40位 Fairport Convention / Liege And Lief

41位 Stooges / Stoogesiggy Pop
42位 Roger Nichols / Small Circle Of Friends
43位 Blind Faith / Blind Faith
44位 Doors / Strange Days
45位 Who / Tommy
46位 Cream / Wheels Of Fire
47位 Byrds / Mr Tambourine Man
48位 Bob Dylan / Bringing It All Back Home
49位 Ronettes / ...Presenting The Fabulous Ronnettes
50位 Elvis Presley / From Elvis In Memphis

51位 Rolling Stones / Aftermath
52位 Traffic / Traffic
53位 Van Dyke Parks / Song Cycle
54位 Byrds / Younger Than Yesterday
55位 Beatles / Please Please Me
56位 Bob Dylan / Freewheelin
57位 Small Faces / Ogdens Nut Gone Flake
58位 Creedence Clearwater Revival / Green River
59位 Creedence Clearwater Revival / Bayou Country
60位 Phil Spector / Christmas Gift For You From Phil Spector

61位 Association / Birthday
62位 Grateful Dead / Live / Dead
63位 Jimi Hendrix / Axis: Bold As Love
64位 Nick Drake / Five Leaves Left
65位 Neil Young / Everybody Knows This Is Nowhere
66位 Paul Butterfield Blues Band / Paul Butterfield Blues Band
67位 Julie Driscoll, Brian Auger & the Trinity / Streetnoise
68位 Johnny Cash / Live At San Quentin
69位 Byrds / Sweetheart Of The Rodeo
70位 Beatles / Hard Day's Night

71位 Buffalo Springfield / Buffalo Springfield
72位 Millennium / Begin
73位 Yardbirds / Five Live Yardbirds
74位 Velvet Underground / White Light / White Heat
75位 Harry Nilsson / ハリー ニルソンの肖像
76位 Fairport Convention / Unhalfbricking
77位 Laura Nyro / First Songs
78位 Frank Zappa / Hot Rats
79位 Simon & Garfunkel / Bookends
80位 Small Faces / Small Faces

81位 Donovan / Sunshine Superma
82位 Laura Nyro / New York Tenderberry
83位 Neil Young / Neil Young
84位 Vanilla Fudge / Vanilla Fudge
85位 Paul Butterfield Blues Band / East West
86位 Johnny Cash / At Folsom Prison
87位 Free / Free
88位 Traffic / Last Exit
89位 Holy Modal Rounders / Moray Eels Eat The Holy Modalrounders
90位 Yardbirds / Roger The Engineer

91位 Walker Brothers / ダンス天国(廃盤)
92位 Georgie Fame / Rhythm & Blues At The Flamingo(廃盤)
93位 Ventures / Knock Me Out
94位 Van Morrison / Astral Weeks
95位 Jefferson Airplane / Volunteers
96位 Richard Harris / Tramp Shining
97位 Shaggs / Philosophy Of The World
98位 Spencer Davis Group / Autumn'66(廃盤)
99位 Procol Harum / Whiter Shade Of Pale
100位 Simon & Garfunkel / Parsley, Sage Rosemary And Thyme

聴いたことがあるアルバムは以下の45枚(持っているのは41枚)でした。(カッコ付き番号は昔持っていたもの)

1,2,3,4,5,(6),7,8,9,10,11,12,13,14,15,18,20,21,
22,24,25,27,28,(29),30,34,37,39,43,44,45,46,
47,51,53,57,62,65,(70),80,(84),85,86,87,94

まぁ前半は、わりと妥当な順位でしょうね。後半はこれまでも言及している通り、アンケート故のばらつきもあるので、参考(興味)程度の扱いでみておけばいいのかなと。
そう考えると、単純に順位の信憑性としてはベスト50ぐらいに絞った方がよいのかもしれませんね。

ちなみに僕が好きな60年代ロック・アルバム25枚とは11枚ほど被ってます。

とりあえず、これでこのシリーズも一応終わりということで。。。

レココレ 60年代のベスト100<評論家選出>
レココレ 70年代のベスト100<評論家選出>
レココレ 80年代のベスト100<評論家選出>
レココレ 60~80年代のベスト100<評論家選出>
レココレ 60~80年代のベスト100<読者選出>
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by onomichi1969 | 2007-06-23 23:59 | ランキング | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 僕が好きな60年代ロック・アルバム25枚 semスキン用のアイコン02

  

2007年 06月 23日

70年代80年代90/00年代の次は、さかのぼって60年代です。

この時代の音楽は相変わらず熱いですね。

a0035172_0153277.jpga0035172_0155479.jpg


1 The Beach Boys / All Summer Long / 1964
2 The Greatful Dead / At Fillmore West Palladium,'64 / 1964
3 The Who / A Quick One / 1966
4 Bafferlow Springfeirld / Again / 1967
5 Jimi Hendrix Experience / Are You Experienced / 1967
6 Otis Redding / Live In Europe / 1967
7 The Doors / The Doors / 1967
8 The Velvet Undergound & Nico / The Velvet Undergound & Nico / 1967
9 The Young Rascals / Groovin' / 1967
10 Aretha Franklin / Lady Soul / 1968
11 Bloomfield Kooper Stills / Super Session / 1968
12 Bob Dylan / Nashville Skyline / 1968
13 Johnny Cash / At Folsom Prison / 1968
14 Manfred Mann / Mighty Garvey! / 1968
15 The Band / Music From Big Pink / 1968
16 The Beatles / The Beatles / 1968
17 Blind Faith / Blind Faith / 1969
18 Delaney & Bonnie / Original Delaney & Bonnie and Friends / 1969
19 Fleetwood Mac / Einglish Rose / 1969
20 Janis Joplin / I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama ! / 1969
21 Led Zeppelin / Led Zeppelin Ⅱ / 1969
22 Neil Young with Crazy Horse / Everybody Knows This is Nowhere / 1969
23 The Kinks / Arthur or the decline and fall of The British Empire / 1969
24 The Rolling Stones / Let It Bleed / 1969
25 The Small Faces / The Autumn Stone / 1969
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by onomichi1969 | 2007-06-23 01:37 | ランキング | Trackback | Comments(0)

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