Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 <   2004年 11月 ( 23 )   > この月の画像一覧 semスキン用のアイコン02

  

semスキン用のアイコン01 Sheryl Crow "Sheryl Crow"(1996) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 28日

a0035172_1305151.jpg90年代の洋楽シーンは、僕にとってブラックボックスである。80年代の洋楽少年にとっては、ベストヒットUSAの終了とともに洋楽への興味は薄れることになったし、大学生となり、社会人となって、社会的な自分というものを確立することが求められると、そのことに精一杯で、最新の洋楽へ興味を向けることなど全く気が回らなかったこともある。また、僕の中では高校時代に60年代や70年代のロックに触れたことで、ロックとは時の風化によって耐えたもののみが本物であるという多少過剰な認識もあった。80年代のキラキラしたポップシーンでさえも急激に色褪せて見えたものだったのだ。~80年代ロックの軌跡~
ということで90年代のNew Comer達のアルバムを殆んど僕は持っていない、というか知らないw 僕がSheryl Crowについて知ったのは、村上春樹のエッセイからだったと思う。<これはRadio Headも同様> 15年以上、最新の洋楽から遠ざかっていたので、たまには新しいものを聴いてみるか、と軽い気持ちでCDを借りたのだ。
Sheryl Crow "Sheryl Crow"(1996) 一聴してこのアルバムは素晴らしいと感じた。
正直言って、80年代というロック不毛の時代を経て、ロックミュージック自体が懐古的な傾向を強め、より形式主義的に突き詰められていったのは、時代的な要請でもあるし、仕方のないことだと思う。このアルバムもループ的なリズムやギターリフの音の肌触り、ボーカルアレンジに90年代的な洗練さを感じるが、方法論的には70年代のロックやR&Bのテイスト、その模倣である。
しかし、ロックというスピリットや技術が70年代前半に突き当たったもの、その壁自体がやはりロックの原点であると僕は思っている。それはそう簡単に超えられるものではなく、簡単に超えられたとしたらそれは嘘である。今やロックミュージシャンはロックを真摯に抱えることしかできないし、それを抱えること自体の誠実さこそが貴重なのだといえるのではないか。
昨今、過去のロックバンドの再結成などに脚光があたることが多いような気がするが、それは新しいはずのものが全然新しくないという停滞感が呼び起こす現象なのだと僕は思う。でも、それはそれでいいのだ。ロックは何度も死んだと言われたが、いい音楽というのはずっと残っていくものだし、ロックのアビリティにも幅としての限界はあるのだ。その深さや複雑さを無理やり単純化したり拡張したりするような変化はロックにとっても人間にとってもいいことではない。
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by onomichi1969 | 2004-11-28 02:24 | 90年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Japan "Tin Drum"(1981) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 27日

a0035172_16202675.jpg僕が洋楽を聴き始めた1984年頃、デビッド・シルビアンならびにジャパンは、一部のファンの間で既に神格化されていたと思う。当時のFM誌で"Tin Drum"(1981) 『錻力の太鼓』をフェイバリット・アルバムに挙げるミュージシャンを何度見たことか。
"Tin Drum"(1981) は、ロキシー・ミュージックの"Avalon"(1982)と並んで、ヨーロピアン・ロマンティシズムの到達点として最大限の評価を受けていたのだ。

僕は最初にジャパンを知った時、僕らにとっての最も身近な国名を語るこのバンドにある種の不遜なというか無邪気な屈託を感じたものである。もちろん、このバンド名故に日本での人気が高かったというのも事実なのであるが。<ただ、エイジアの時はそんな感じは全くしなかった。しばらくの間、AISAがアジアであるとは全く気がつかなかったからであるw>

本題に戻る。。。Japan "Tin Drum"(1981)は、ロマンティシズムと同時に、いわゆる退廃的、デカダンス風のイメージで語られることも多いように思う。 退廃とは、絶対的空疎がもたらす無根拠な様式の衰退/強化でもあり、悪霊的イデオロギーにも繋がるものである。しかし、このアルバムの最大の聴き所であるシングル"Ghost"などは、音と音、音と声の絶妙な繋がりと間合いをじっくりと聴かせる実に情緒的な曲であると感じる。とてもスピリチュアルなイメージを喚起させる現代的なソウルを僕は感じるのである。
確かに彼らのスタイルは、ひとつのファッションとして多くのフォロアーを生んだ。僕らは、当時の流行であるシンセを中心とした音楽的環境の中で同様なボーカルスタイル、同様な曲調のバンドを数多く見ることになる。しかし、本来的な彼らのスピリットが真の意味で受け継がれていくのは、20年近く後のレディオヘッドの登場を待たなければならなかった、と僕は勝手に思っている。。。

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Japan "Quiet Life"(1979)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2004-11-27 16:20 | 80年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Marvin Gaye & Tammi Terrell "The Best of Marvin Gaye & Tammi Terrell" semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 27日

a0035172_1281418.jpg愛すべき永遠のDuo Marvin Gaye & Tammi Terrellのベスト盤。
2人の歌には愛が溢れていますね。

ジャケットで選ぶと僕もやっぱりこれ(やぎさんのレビューより)かな。

彼らの歌を聴いていると、なんか2人のラブストーリーが見えてきます。マーヴィンが天真爛漫なタミーを優しくリードするような。。。タミーの夭折がマーヴィンに与えた哀しみはどんなに深かったでしょうか。。。
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by onomichi1969 | 2004-11-27 12:20 | リズム&ブルース | Trackback(1) | Comments(4)

semスキン用のアイコン01 Van Halen "Van Halen"(1978) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 27日

a0035172_4472827.jpg「ロックギタリストとは?」と言われて、僕が真っ先に思い浮かべるのは、ジミ・ヘンドリクスとエディ・ヴァンヘイレンの2人である。
フィードバックとライトハンド。この2人の登場によって普及したギターテクニックは、その後のロックミュージックシーンにとって革新的な意味合いを持つものであったろう。
確かに技術的側面から見れば、この2人のギタリストは超絶的である。しかし、その内実は、全く志向の違う音楽性に支えられていた対照的なギタリストだと思うのである。
ジミヘンといえば、ライブで見せるエモーショナルなインプロヴィゼーションに代表されるように音へのこだわりは常に彼の内面に向かっていた。クラプトンがクリーム時代の激しいインプロヴィゼーションをあっさりと封印したのは、彼の元々もっていた牧歌的なブルースへの志向があったのと同時にインプロヴィゼーションが陥る技術的な形式主義への懐疑があったからである。クラプトンがロックという可能性を前にして、クリームが構築してきた音楽から敢然と背を向けたのとは対照的に、ジミヘンはその破壊的な性格を前面に押し出し、エモーショナルな志向によってロックの技術論を打破することを目指した。そのために彼は常に自らの内面とギターサウンドを強引に引き合わせなければならなかったのだ。
しかし、ジミヘンの死から数年後に登場したエディ・ヴァンヘイレンにもはや内面はなかった。彼のギターサウンドは「底抜け」である。それが当時、60年代を引き摺っていた多くのロックギタリストと決定的に違っていた点であった。エディのインプロヴィゼーションには形式主義に対する懐疑や葛藤が皆無なのである。彼の音は最初から無機質で非牧歌的でありながら、その内面の欠如ゆえにある意味で圧倒的に牧歌的ロックなのだ。(1周引っくり返ったわけだ)それは正に80年代的な志向であろう。
ヴァンヘイレンの代表的アルバムといえば、1stアルバム"Van Halen"(1978)『炎の導火線』であろうか。第1期のヴァンヘイレンが正統派のハードロックバンドでありながら、なんとなく異端的なイメージがするのは、おそらくデイブ・リー・ロスという素っ頓狂なボーカリストのせいだろうw エディのギターがある時はメタリックに、ある時はメロディアスに炸裂し、デイブ・リー・ロスの如何わしげなボーカルが絶妙に交錯する。彼らのスタイルは新しいものであったが、そのスタイルの追求自体は正統的なハードロックバンドの方法論なのである。
なんだかんだ書いてきたが、僕はヴァンヘイレンが大好きである。それは、かく言う僕も80年代の底抜け人間だからなのだ。80年代的空虚さをもろともしない底抜けなサウンドは、この時代のヴァンヘイレンの最大の魅力なのである。

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Van Halen "Balance"(1995)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2004-11-27 04:49 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Aretha Franklin "I Never Loved A Man The Way I Love You"(1967) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 21日

a0035172_0565312.jpgAretha Franklin "I Never Loved A Man The Way I Love You"(1967) を含め彼女の60年代後期のアトランティック作品は全て傑作である。 “Lady Soul”(1968), ”Aretha Now”(1968)… どれを一番とは言えないけど、この時期のアレサは本当に素晴らしい。
実はゴスペル時代のアルバムを聴いたことがないので、あくまでR&Bというジャンルの彼女しか評価できないのは心苦しいけど、とはいえ、やはりアレサは60年代最高の女性R&Bシンガーであることに間違いないだろう。
この辺りはもう理屈ぬきで、彼女のアルバムを聴いてみたら誰でも納得しちゃうんじゃないかなと。またアルバムの選曲もいい。もちろん彼女自身の曲もいいけど、やはり印象に残るのは、オーティスやサムクックのカバー曲、キャロルキングやバカラックの曲も完全に自分のものにしてしまっている。そりゃ、あの歌唱力で歌われた日にゃ、もうどうしようもないけどね。
彼女の曲を最初に聴いたのは高校生の頃にラジオでかかっていた”Respect”と”(You Make Me Feel Like) A Natural Woman”だった。そりゃもう圧倒された。それは同じ時期に聴いたジャニス・ジョプリンに迫る衝撃だったと思う。でも本当の衝撃はその後に聴いた”I Say a Little Prayer”だったかもしれない。
彼女の魅力は、シャウトの迫力にある。彼女の姉妹をコーラスに従えて弾ける歌声には完全にノックアウトされるだろう。しかし、それだけではなく、バラードを切々と歌い上げる円熟さを持ち合わせているところが彼女のスゴイところなのだ。”I Say a Little Prayer”や、このアルバムの”Do Right Woman, Do Right Man”なんて、その歌声のパンチとすかしのコンビネーションによって僕らは完全に翻弄され、うねりのような波状攻撃にただ恍惚として身を任すしかないのである。<そしてKOされる。。。>
彼女に比べたら、その後に現われる女性黒人シンガー達はみんなスケールが小さい、と思わざるを得ないナ。。。

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by onomichi1969 | 2004-11-21 01:01 | リズム&ブルース | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 Elvis Costello ”King Of America”(1986) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 20日

a0035172_17221722.jpgElvis Costello ”King Of America”(1986)
このアルバムの全ての曲、特にバラードは、一度聴いただけで僕らにある種の懐かしさを感じさせる、ポップミュージックそのものの郷愁を漂わせる珠玉の名作ぞろいであり、またコステロの歌声はそれらの曲に十分に映える。まさにここには、響きのある「うた」が存在している。
パンク/ニューウェイブの時代にデビューして以来、コステロは自らの音楽スタイルを求道してきた。それはある意味で時代的な要請としてのキャラクター模索だったのかもしれない。彼は一種のギミックとしてのエルビスを名乗り、ポップで遊び心満載のロックンロールを歌った。しかし、一方でデビューアルバムの名曲「アリスン」では、自らの不明瞭な傷心を赤裸々に表明し、苛立ちと優しさが交錯する行き場のない過剰さを切々と歌いあげた。そういった彼の過剰な自意識は、執拗にキャラクターを求めるのと同時に一つのキャラクターへの留まりを無意識的に拒否するだろう。性急さに囚われ、常に変遷していくことが彼にとっての強迫観念となっていったはずである。
しかし、彼には響きのある「うた」があった。「アリスン」が僕らの心を震わせるのは、そのシンプルなメロディにのせた彼の歌声、その響きから立ち上るある種の切実さによるところが大きい。そして、彼が素直に自らの切実さを自らの響きによって表現しようと考えたのはとても自然な流れだったように思う。簡単に言えば、「原点に帰る」ということだろうか。それは自らのゼロ地点であり、自らの弱さを踏まえて世界を理解することでもあったはずである。そこから生まれたのは、ある種の「優しさ」ではなかったろうか。それは人の心に確実に届くのだ。
“Indoor fireworks” “Little palaces” “I'll wear it proudly” “Jack of all parades” “Suit of lights” …とても素晴らしい「うた」達である。 
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by onomichi1969 | 2004-11-20 17:25 | 80年代ロック | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 Pink Floyd ”Meddle”(1971) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 20日

a0035172_3331868.jpgPink Floyd ”Meddle”(1971) <邦題は「おせっかい」。> このアルバムの1曲目は、かの有名なプロレスラー アブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲<「吹けよ風、呼べよ嵐」>である。まぁ、それはどうでもいい。<が、実はブッチャーはカナダ人のインテリなので、案外ピンクフロイドを聴いていたのかもしれない。昔「プロレス スーパースター列伝」を読んだ限りでは結構いいやつなのだ。> 
ピンクフロイドといえば、やはり「原子心母」と「狂気」が有名だろう。僕は「原子心母」も大好きなアルバムである。”Atom Heart Mother”でいう原子の心を持った母親とは、大いなる自然を意味すると思われる。その音楽は壮大で、シンフォニックなオーケストラゼーションをじっくりと聴かせてくれるが、演奏技術以上にモチーフを重視し、音楽を文学的に表現する実直さは、ピンクフロイド特有の魅力であろう。
そんな彼らの文学性が最も現われた作品が「おせっかい」であり、アルバムのB面を堂々と飾る超大作”Echoes”であると僕は思っている。
そもそも文学とは、「語りえない私語り」であり、「躁鬱的な自己言及」である。そんな不可能性の中から立ちのぼる断続的な超越性こそが人間の抑え難い過剰性を回収させ、社会の中で生きる僕らにとっての言い知れないかけがえのなさへの癒しともなるのだ。
そういう意味で、“Echoes”は、説話的ファンタジー、シンフォニーというよりは、やはり文学を志向したロック的表現作品だ。その究極のこだわりである研ぎ澄まされた「音」と「間」を感じてみればよい。徹底した繊細さによって描き出されるのは、人間感情の無機質への解体であり、そこから零れ落ちる生々しい震え、ロックの響きである。
彼らの音楽というのは、とことん実直であると僕には感じられる。その真摯な突き詰めがギリギリのところで垣間見せる「狂気」こそ、彼らの最大の魅力なのである。

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Pink Floyd “Dark Side of the Moon”(1973)のレビューは、こちら
"Wish You Were Here"のレビューは、こちら
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by onomichi1969 | 2004-11-20 03:32 | 70年代ロック | Trackback | Comments(6)

semスキン用のアイコン01 こちらを。。。 semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 14日

【onomichi映画評】
jtnews onomichiのページ
ここにたくさん載ってます。バリバリ更新中。。。
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by onomichi1969 | 2004-11-14 15:08 | 音楽の映画 | Trackback | Comments(0)

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2004年 11月 14日

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by onomichi1969 | 2004-11-14 15:01 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 ラスト・ワルツ semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 13日

a0035172_084798.jpgザ・バンドのラストライブのドキュメンタリーフィルム。監督はマーチン・スコシージ。僕はダンコのバラードが大好きで、「It makes no difference」の歌い出しのところなんか映像で観るとしびれるんだなぁ。ゲストも最高。ヴァン・モリソンの変なおっさんぶりも、ニール・ヤングのおたく青年っぽい感じも、Dr.ジョンも、ディランも何もかも素晴らしい。ロビー・ロバートソンとクラプトンのギターバトルもいい。(クラプトンと比べると改めてロビーのギターソロの味が分かるのだ)同名CDは永遠不滅のライブアルバムだと思う。 (2002-01-17)



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by onomichi1969 | 2004-11-13 23:55 | 音楽の映画 | Trackback | Comments(0)

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