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semスキン用のアイコン01 クロッシング・ガード "The Crossing Guard" ~見えない出口を求めて~ semスキン用のアイコン02

  

2004年 08月 07日

a0035172_117240.jpgショーンペン監督2作目は、彼の前作<傑作でもある>「インディアン・ランナー」と同一線上にある作品といえる。

「兄は弟を追いながらそのことの意味を理解できない。弟は兄に追われながらその理由を失っている。」
「インディアン~」のレビューで僕はこのように書いた。人が理由なく分り合えないという切実さを描いたのが「インディアン~」であれば、「クロッシング~」はその地平をさらに一歩進め、そして反転させ、そこからポジティブな回路を模索しているように思える。追う者と追われる者という図式は同じだが、双方にはそれぞれ、そうするための理由が存在する、加害者と被害者という明確な理由があり、それは、お互いが分かり合える足場を既に失っていることを意味するのだ。

にもかかわらず、お互いがその「分かり合えなさ」に対する信憑すら持てず、失った足場の上空でもがきながらも理解への希望を捨てていないようにみえる。絶望的な立場を超えて、人と人はどうコミットし得るのか。いや、絶望的だからこそ、意味を求めてコミットする、その向こうに何があるのか。それは非常に難しいモチーフだ。この作品ではっきりとその答えが示されているとは言えないし、作品自体も1作目に比べて散漫な印象がある。ただ、目指すべきところには大いに共感できるし、正直、ぐっときたんだなぁ。
この監督、やっぱり只者ではない。ショーンペンは今後も注目すべき監督であることは間違いないだろうね。1995年アメリカ映画(2003-10-09)
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by onomichi1969 | 2004-08-07 01:04 | 海外の映画 | Trackback | Comments(2)

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Commented by urumu555 at 2004-08-30 21:03
大切な人を亡くしたとき、残された者はどう生きればいいのか。
その死が突然で不条理なものであればあるほど、その答えを見つけるのは難しいでしょう。
加害者もまた被害者とは別の苦悩のなかで自分が救われることに抵抗を感じるのでしょう。
悲しみの渦中で気持ちを見失ってしまった夫婦、愛する男を救えないと感じる恋人。それぞれの気持ちを思いやるとなんとも切なくなってしまいました。
だからラストには救われた気がします。やはり前向きなメッセージを込めた映画なのだと思いました。
Commented by onomichi1969 at 2004-09-20 17:59
コメント有難うございます。
人は常に救われる道筋があるべきだと、僕は考えたいですね。
ショーンペンもそう考えてこの映画を撮っているはずです。
昨今、僕らの廻りには真っ当な関係性が完全に損なわれてしまったようなニュースで溢れています。その救われなさは既に自明なのでしょうか。その先の道筋へ、仄かな希望の光を見出すこと、そんな方法論に現実性があるのかどうか。今こそ確信的なコミットメント志向の作品を期待したいものです。Peace!
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