Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 シャイン・ア・ライト "Shine a Light" semスキン用のアイコン02

  

2009年 02月 07日

a0035172_1504997.jpg日比谷でストーンズのライブ映画"Shine a Light"を観た。

ストーンズのライブと言えば、1990年の初来日公演が思い出深い。 ミックとキースは47歳、僕が20歳の頃の邂逅であった。あの東京ドームで僕の10代が終わり、僕の中のストーンズは終わった。80年代を通して聞き続けたロックに対して、10代の僕が追い求めた何かが確実に終わったのを感じた。事実、その後、90年代を通して、僕は洋楽を全く聴かなくなってしまった。

高校生の頃、僕はストーンズに夢中だった。ロックと言えばストーンズ、ストーンズこそがロックだと思っていたのだ。しかし、それは60年代後半から70年代のストーンズ。その頃のアルバムは何度も繰り返し聴いた。"Let It Bleed"(1969)、"Sticky Fingers"(1971)、"Exile on Main St."(1972)、"It's Only Rock'n Roll"(1974)、"Black and Blue"(1976)、"Some Girls"(1978)、、、最高だった。当時ライブやスタジオ演奏の映像でみるミックとキースのなんと精悍でカッコよかったことか。。。ちょうど30代前半から半ば頃の脂の乗り切った2人の自然にロックしている立ち姿がしびれるほどにセクシーだった。
同じ時期に"The Kids are Alright"用のスタジオライブでピート・タウンゼントが「オヤジのロック!」と叫んだとき、彼はまだ33歳だったが、その立ち姿はまさにオヤジだった。。。

80年代に入り、ストーンズは、僕らに急激な老いを感じさせるようになる。それを打ち消すようなパフォーマンスをみせた81年のライブ映像。ミックのフットボーラー姿は今でこそミックらしいエンターテイメントを十分に感じさせる微笑ましいものであるが、当時は何か間違った歌謡曲的な演出を見せられたような気がした。キースはシャープさが失われ、急激に老けこんでいた。70年代のストーンズが好きだったからこそ、80年代に当時のポップスをうまく取り入れてアルバムを出し続けていたストーンズに正直言って落胆したのだ。1990年の東京ドームのライブでは、そのことを改めて、目の前に見せつけられたようだった。

そして、2006年のストーンズである。それはまさに「オヤジのロック」を通り越して、「おじいちゃんのロック」である。ミックとキースは還暦をとっくに越えた63歳である。その映像を観る僕も39歳になって、久々の現在形のストーンズとの邂逅となった。

そう、パンクの時代、ピートが33歳でオヤジのロックと叫んだ時代からさらに30年。63歳のロックとは如何なるものか? 皺皺のミックは以前と変わらない身のこなしでロックを歌い続ける。20代も30代も60代も変わらないロックというのはミックの思想そのもの。彼の中では全く違和感のないロックのあり方なのである。健康的でセクシー。バディ・ガイを前に悪ガキっぽさをアピールしつつ、若い女性シンガーに対してはセクシーに迫ってみせる。年齢を感じさせない、中性的でとても現代的なセクスである。

60年代から変わらず発散しているミックの魅力がそこにある。63歳になってもそのロックは死なない。健康的な生活を感じさせる見事にシェイプアップされた体。長いステージでも疲れを感じさせないエンターテイナー。

でも、僕の心は死んだロックの方に今でも引き寄せられる。60年代、70年代という時代にとり残され、囚われの身となったロックの魂たち。ミックを見ているとそういう魂はもう過去の遺物にすぎないように感じられる。彼にとっては子供や孫の代にあたるような若いオーディエンスと見事に一体化したステージパフォーマンス。笑顔の絶えないキースの立ち姿。彼は本来、70年代にドラッグで死んでいたはずの男である。
そうそう、70年代ロックといえば、ザ・バンドのラスト・ライブ映像"The Last Waltz"
もマーチン・スコセッシ監督作品だったナ。ウッドストックも彼が助監督時代の作品である。

僕の中で80年代と共に死んだストーンズは、2006年、まだまだ健在だった。彼らは70歳になってもストーンズでありつづけるだろう。そのスタイル故に、彼らのロックは永遠なのだ。2008年アメリカ・イギリス映画
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by onomichi1969 | 2009-02-07 13:54 | 音楽の映画 | Trackback | Comments(0)

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