Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

onomichi.exblog.jp

ブログトップ

semスキン用のアイコン01 ピアノ・レッスン "The Piano" semスキン用のアイコン02

  

2008年 11月 23日

a0035172_1791755.jpgこれは、あやうく刹那的な恋の感情が心的呪縛の開放とともに愛へと転化した幸福な物語なのだろうか。
こんな始まりを感じさせるハッピーエンディングは、悲愛をベースとした恋物語では古今東西を見回してみても、多少なりとも画期的なことだし、ある意味では確信的な志向であり「願い」なのかもしれない。そこには、"The Piano"の作者の水脈に対する信頼度の問題があるけれど、この物語がとても誠実であり、実際に僕の心をぐぐっと惹きつけてやまないというのは確かなのだ。
主人公にとってのピアノは内面世界の象徴であったと思うんだけど、最後に彼女がピアノを断ち切ることによって何を失い、何を得たのだろうか。ピアノ=内面の象徴=自己の観念化という図式で考えれば、当初、彼女の閉じた内面には、地平としての他者が不在であり、だからこそ、突如現れた他者としての恋感情が強烈にして彼女のピアノの旋律を狂わせたのだと思う。この恋感情が彼女を突き破り、現実をも転覆してしまうのである。
この映画のハッピーエンディングには、彼女が欠損者であることがひとつの大きな要素となっている。欠損からの快復の物語がエンディング以降に語られるのだろうけど、その物語が彼女の恋感情からストレートに移行するように思える、そこに恋と同列の可能性をもつある種の「癒し」であり、広範な「愛」という要素を強く感じることができる。この作品は、終わりが始まりとなるような新しい可能性をもった画期的なラブストーリーなのだといえないだろうか。

最後に、、、この作品の邦題はやっぱり単純に「ピアノ」とすべきだったのではないかなぁ。 1993年オーストラリア・ニュージランド・フランス映画(2002-12-31)
[PR]

by onomichi1969 | 2008-11-23 17:27 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://onomichi.exblog.jp/tb/7682130
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
アクセスカウンター