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semスキン用のアイコン01 STYX "Cornerstone"(1979) semスキン用のアイコン02

  

2008年 11月 15日

a0035172_125381.jpgプログレ・ハードの流れでもうひとつ、、、と言えば、あとはこのジャンルの本質的な元祖となるSTYXだろう。
そのSTYXの最高傑作と言えば、80年代ロック黎明期の代表作であると共に、70年代ロックの終焉を象徴する金字塔的なアルバム"Paradise Theater"(1981)ということになるか。それについては以前にレビューしたので、今回は、その前章ともいうべき名作"Cornerstone"(1979)を取り上げたい。

STYXは、70年代初頭、プログレ・バンドとしてスタートし、独特の構成力から長大な曲を得意としていたが、徐々にポップ色を取り入れて、シングルヒットを獲得しつつ、いわゆるプログレ・ハード的な音楽を確立する。その達成はボストンやカンサスに先立つと言われている。
STYXのポップ路線はデニス・デ・ヤングの主導によるものであるが、ある意味で転機となったのはトミー・ショウの加入と言われる。トミー・ショウがその存在を印象付けたのは、"Pieces of Eight"(1978)からだろう。このアルバムはプログレ風のコンセプチュアルな要素を取り入れながら、ポップでロックでフォーキーなトミーの曲が出色であった。
そして、その流れもあってか、次作"Cornerstone"(1979)では、いきなりトミーの曲 Lights がトップを飾り、アルバムの中でも彼の曲が4曲を占めることになるのであるが、このアルバムから全米No.1になったのはデニスの超ポップ・バラード Babeであった。前作ではプログレ風な楽曲に拘ったデニスであったが、トミーに対抗するが故に彼自身がすっかりポップ路線に嵌ってしまったわけだ。まさに彼のスペーシーでポップの味わいはこのアルバムにこそ極まっているといっていい。プログレ・ハードという括りでありながら、このアルバムは、デニスとトミーのポップ対決とでも言うべ様相をみせる。デニスはBabeとFirst time。対するトミーにはLightsとLove in the Midnightである。
ここで勝利したのはおそらくデニスである。故に次作として、コンセプチュアル且つポップでスペーシーな傑作"Paradise Theater"(1981)が生まれるに至る。デニスはトミーの影響を最大限に受けながら、その要素を自らに取り込み、彼自身の80年代サウンドを確立したのだ。ちなみにトミーの曲はこのコンセプチュアル・アルバムの中で2曲のみとなる。

STYXは、プログレっぽい構成力をポップに表現できるところが最大の魅力である。ディテールよりもコンセプト。技術よりも構成力である。それは結局のところ、デニス・デ・ヤングという個性に集約されていく。特に"Paradise Theater"は、トミーのポップさやジェームズ・ヤングのハードサウンドが脇を固める中で最も光るのはデニス・デ・ヤングという主旋律で、いわゆる三頭体制が三位一体となった瞬間だったのである。
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by onomichi1969 | 2008-11-15 01:03 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

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