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semスキン用のアイコン01 Kansas "Point of Know Return"(1977) semスキン用のアイコン02

  

2008年 11月 10日

a0035172_144244.jpg70年代中期のボストンの登場とほぼ時期を同じくしてアメリカン・プログレ・ハードの隆盛に一役買ったのがカンサスである。カンサスとボストンは同じく地名を冠したバンドということもあって、この2つのバンドは並び評されることが多いが、音楽的言えばカンサスの方がいわゆるイギリス系のプログレッシブ・ロックに近い。ポップでハード一辺倒のボストンと違い、ロックのシンフォニーとでも言うべき壮大さとある種のキャッチーさ共存しており、プログレとハードロックが融合しつつ、微妙にポップな演奏も聴かせる。Dust In The Wind(すべては風の中に)などのミニマルなヒット曲があるのも特徴である。ある意味でアメリカン・プログレ・ハードという名称はカンサスにこそふさわしいかもしれない。

メンバーにバイオリンを含むのもこのバンドならではの構成と言える。それもバイオリンをストリングス的に用いるのではなく、ギターやキーボードと同じようにあくまで主旋律でフューチャーされる。2人のギター、2人のキーボード、そしてバイオリンのアンサンブルである。プログレ風の構成力とアンサンブル。そこにハードロック的な味わいが加わる。

アルバムとしては、"Point of Know Return"(1977)『暗黒への曳航』が代表作となろうか。表題曲はプログレとハードポップを融合したようなキャッチー且つ壮大な名曲。そして大ヒットしたDust In The WindやNobody's Homeがポップな色合いを担う。

カンサスというのはある意味で中途半端なバンドだったかもしれない。故に他のプログレ・ハードと呼ばれるバンド、ジャーニーやSTYX、ボストンのように80年代にブレークする産業ロック的な流れには完全に乗りそこなったといえる。カンサスはある意味で典型的な70年代のバンドであり、そのスタイルに固執するが故に時代を超えることができなかったのだと思う。良くも悪くも。。
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by onomichi1969 | 2008-11-10 02:24 | 70年代ロック | Trackback | Comments(2)

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Commented by むつみ at 2008-11-10 21:42 x
洋楽を聴きはじめて結構早い時期にKansasに出会いました。普通のプログレッシヴ・ロックにのめり込んでいたその頃のあたしにとって、初めて出会ったアメリカン・ロックのバンドがKansasでした。
たしかに他のプログレ・ハードと比べればクラシック的な曲構成も多く、正統派のプログレに近いかもしれません。だけど、それよりもJourneyやStyxがポップ/ロックなアプローチをしたのに対して、Kansasは最後まで、あくまでロックバンドとしてメッセージを送り続けていたように思う。だからこそ、音楽産業の巨大化の波には乗れなかったような気がするんです。
思えば、バイオリンがポピュラー音楽に使える事を教えてくれたのも、オベーションの音色を教えてくれたのもKansasだった。あたしが音楽を好きになっていく過程の中で、彼等はかなり重要なバンドだったな・・・と思ったりします。
Commented by onomichi1969 at 2008-11-11 02:33
むつみさん、こんばんは。
カンサスが本当に評価されるのは80年代を飛び越えて、90年代以降なのかもしれませんね。その野暮ったさを含めて、彼らが発信したロックのあり方というのは最も正統的であるが故に廃れることはなかったのです。ある意味で異質だったのは80年代のポップであるところのロックであり、その無臭性だったかなぁと思う今日この頃です。
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