Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 マルホランド・ドライブ "Mulholland Dr." semスキン用のアイコン02

  

2008年 05月 24日

a0035172_18375796.jpg『マルホランド・ドライブ』はリンチの集大成的作品といえる。

リンチの映画は一種の妄想である。まぁ映画そのものが映画作家の妄想であることも確かなんだけど、リンチの場合はそのことを明確に主張しているように僕には思える。この映画のすごいところは、リンチの妄想という土俵の上でさらに妄想的な世界と現実的な世界が入り乱れているにも関わらず、メインストーリーがしっかりと成り立っていることである。

前半はマルホランド・ドライブの境界に入り込んだカミーラが妄想の世界に迷い込んでいるというのが僕の解釈だけど、観てる時には全くそのことに気がつかない。逆にカミーラの存在に違和を感じてしまう。箱を明けたところで妄想的世界が終わり、その後に「以前の」物語が始まるんだけど、それまでの流れと一変して激しい展開になる。これが実は現実的世界で、この物語の軸となるのは、ダイアンのカミーラへの強烈な恋心である。この「恋」への執心と現実の違いに対する嫉妬、憎しみ、絶望がダイアンの中の世界を歪ませてつくらせた物語が前半の妄想世界なのだと僕は思う。最後にカミーラはダイアンの雇った殺し屋に殺られそうになるんだけど、不意の交通事故で助かって最初のシーンにつながる。

とにかくこの作品のストーリー展開と映像にはもう観ている最中から興奮しまくりだった。(レズシーンだけじゃない!?)それはリンチの奇妙に捻れた映像感覚が僕らの内面の捻れに共鳴しているからなんだと思う。そして観終わった後に、この物語の核がダイアンの恋心であり、それがとても哀しい「ラブストーリー」なんだって気がついた時には強烈に心揺さぶられるものがあったのだ。

『マルホランド・ドライブ』は、リンチのベスト作品だと思う。ついにここまで来たか…っていうのが素直な感想。2001年アメリカ/フランス映画(2002-03-10)
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by onomichi1969 | 2008-05-24 18:39 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)

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