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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 サザンオールスターズ 『Southern All Stars』(1990) semスキン用のアイコン02

  

2008年 03月 26日

サザンオールスターズ 『Southern All Stars』(1990)_a0035172_23503131.jpgJ-ロックの王道と言えばやはりサザンオールスターズである。桑田佳祐の歌う切ないバラードに心揺さぶられない人はいないだろう。「Oh、クラウディア」「Ya Ya (あの時代を忘れない)」「栞(しおり)のテーマ」「メロディ(Melody)」などなど、80年代サザンの珠玉のバラードは時代を越えて残る名曲である。ただ、僕の中でサザンは小さい頃から聴いていたこともあり、どちらかと言えばシングル・アーティストで、アルバムとして彼らの曲を聴くことはあまりなかった。巷で評判となった『kamakura』(1985)にしても、アルバムとして聴き通すには当時の僕にとって結構退屈な作品だったのである。これ80年代の話。。。

サザンをアルバムとして聴くようになったのは90年代からである。特に1990年早々に発表された9th『Southern All Stars』(1990)には正直驚いた。日本のロックアルバムでここまでしっかりと作り込まれた作品があったかと。。。シングルとCM曲を寄せ集めたような構成ながら、アルバムとしての統一感と多彩なVarietyとが同時に味わえる。そしてどの曲も粒揃いで、じっくりと聴かせるものになっている。個人的には「フリフリ'65 」や「忘れられた Big Wave」「You」「ナチカサヌ恋歌」「さよならベイビー」等が特に印象深い。

続く10th『世に万葉の花が咲くなり』も同じ路線でなかなか聴かせる楽曲が並ぶ。シングルとなった「シュラバ★ラ★バンバ」や「涙のキッス」の他、「慕情」、「BOON BOON BOON OUR LOVE」「HAIR」などなど、硬軟取り混ぜた構成も絶妙である。

90年代のサザンを代表する傑作が11th『Young Love』(1996)であろうか。このアルバムの味わいはそのジャケットにも現れているように60-70年代ロックへの確信犯的なオマージュにある。1曲目の「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」からいきなりZEPのタイトルにTOTOの”Africa”である。初期や後期のビートルズ、キング・クリムゾンが玉手箱のように跳びだす。洒落っ気たっぷりの楽曲と共に桑田の声も楽曲毎に色合いが変わり、凝りに凝った歌詞もリズムよく聴かせるものになっていて、とにかく楽しい。オマージュを一種のオリジナリティに転換しているところは一歩間違えばあざとく感じられてしまうのであるが、それを心地よく聴くことができるのは、サザンが十分に大人のバンドだからだろう。(それとも90年代以降に表層化するオリジナリティの消滅という現象のひとつの象徴か、、、) このアルバムも捨て曲なしで、特に1曲目からラストまでの選曲の流れは完璧じゃないだろうか。個人的には意外とオーソドックスな「ドラマで始まる恋なのに」と「愛無き愛児(まなご) ~Before The Storm~」が特に気に入っている。

85年以降のサザンはわりと寡作で22年で6作のオリジナルしか製作していない。その中で彼らがここまで高い人気を持続できているのは、継続的なヒットシングルの存在と共に、質の高いアルバムをしっかりと作り続けていることが大きな理由なのだろうと思うのである。

サザンオールスターズ 『Southern All Stars』(1990)_a0035172_022461.jpgサザンオールスターズ 『Southern All Stars』(1990)_a0035172_23593055.jpg


by onomichi1969 | 2008-03-26 00:15 | 日本のロック | Trackback(1) | Comments(0)

Tracked from Let's Go!! at 2008-03-29 02:12
タイトル : 桑田佳祐
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