THE BLUE HEARTS 『YOUNG AND PRETTY』(1987)
2008年 03月 19日
年が明け、大学に進学してからは興味が映画に移ったこともあり、一時期は音楽自体を全く聴かなくなった。そんな中、洋楽への興味が急激に失せたのとは逆に、次第に日本のロックを聴き始めるようになる。ストリート・スライダーズとか、泉谷しげるとか、A.R.B.とか、マイナーだけどわりとロックっぽいやつだ。
そんな時、ブルーハーツ好きの友達から彼らの2nd『YOUNG AND PRETTY』を半ば強引に聴かせられたのである。正直言って、今で言うメロディアス・パンク的な楽曲に最初はピンとこなかったのだが、その中でも他と毛色の違う2つの曲、詩(うた)に否応なく惹きつけられることになった。そう、このアルバムの2曲と言えば、『ラインを越えて』と『チェイン・ギャング』である。僕はこの2曲に完全にノックアウトされた。
僕がオモチャの戦車で戦争ごっこしてた頃、遠くベトナムの空で涙も枯れていた
僕はラインを越えて 確かめたいことがあるよ
真島昌利 『ラインを越えて』
「うた」がその詩と共に響くということはこういうことなのか。それはこれまでの洋楽では味わえなかった感覚だった。それには真島昌利のがなり声(叫び)も大きな要素だったろう。
真島昌利の代表曲でもある2曲はこの頃の彼特有のものだ。ナイーブで一途で切実で、荒々しいザラザラした情感に満ち満ちている。この2曲のインパクトによって、『YOUNG AND PRETTY』は傑作となりえるとすら思える。彼らの曲を「思春期のころの戸惑い、葛藤といったような揺れ動く心が描かれている」と評する文章を読んだが、本当の意味でそういったココロのひだのちょっと奥の感情をナチュラルに歌い切った「うた」って他にあっただろうか。(尾崎豊ですら初期の曲にはある種の装飾が拭えない)
当時も今も僕は思う。『YOUNG AND PRETTY』はいいアルバムだ。他に収録されている『キスしてほしい』とか『ロクデナシ』とか『星をください』もいい。
その後、ブルーハーツ、そして真島昌利の曲はひと通り聴いた。『TOO MUCH PAIN』とか『青空』とか。『夏が来て、僕等』とか『オーロラの夜』とか。やっぱり彼の曲、その詩はよく響く。ヒロトの声でも彼の声でも、とてもナチュラルに響くのである。
by onomichi1969 | 2008-03-19 20:07 | 日本のロック | Trackback | Comments(6)
「オーロラの夜」、大名曲ですよね・・・・ソロ後期だと「空席」もきっとツボだったのでは。
実を言うと、真島昌利の4thは聴いたことがない!のでした。。これじゃひと通り聴いたことになってないですね。本文と違ってすいません;;
買う機会を逃したまま、廃盤の中古が高価なのでなかなか聴けずに今日に至るって感じです。日本の名盤も海外ものと同じように再販してほしいですね~。
http://mimicopy.blog97.fc2.com/blog-entry-230.html
いまgoogleったらこんなサイトもありました。