Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 Eric Clapton "No Reason To Cry"(1976) semスキン用のアイコン02

  

2008年 02月 25日

a0035172_1263772.jpg70年代のクラプトンのアルバムはそれぞれに特色のある傑作であるが、個人的な趣味で言うと4th "No Reason To Cry"(1976)がお気に入りである。
なんといってもザ・バンドのリチャード・マニュエルとリック・ダンコの曲をクラプトンが演奏して歌うというのがたまらない。特にダンコとの共作、05 All Our Past Timesはもろザ・バンド風のサウンドでダンコとのデュエットもぴったりはまる。
あと、ディランとロビー・ロバートソンとの共演03 Sign Languageもいい。マーシー・レヴィのボーカル曲08 Innocent Times、09 Hungryや青々しいブルース曲07 Double Trouble、そして美しいバラード10 Black Summer Rainもこの作品のバラエティに花を添える。

クリーム、ブライド・フェイスを経て、クラプトンがその音楽的志向を変遷させていく過程が彼の70年代であった。ファーストがディレイニー・ブラムレットのプロデュースしたバリバリのスワンプ系1st”Eric Clapton”(1970)で、それをロックバンドのスタイルに発展したのがデレク・アンド・ドミノスである。その後、ドラッグの後遺症で一時期活動が危ぶまれたが、レゲエを取り入れたリハビリ的なアルバム2nd”461 Ocean Boulevard”(1974)でシングルが全米No.1を達成したこともあって、この作品が彼の当時の音楽的志向である「レイド・バック」という方向性を決定づけるアルバムとなる。この作品は彼のもう一つの代名詞をタイトルにした5th”Slow Hand”(1977)と共にクラプトンのソロとしては最も評価が高い。
レゲエ風の続編的な3rdを経て、いよいよクラプトンが本腰を入れてトラディッショナル・ロックンロールに取り組んだのが本作"No Reason To Cry"(1976)であると言うのが僕の見立てだ。これはクラプトンが60年代後半にザ・バンドの”Music From Big Pink”(1968)の登場によって自らの音楽観に強い影響を受けてから、彼にとっての10年越しの取り組みであり、その共演者として選ばれたのがザ・バンドとボブ・ディランであるのは当然の音楽的帰結であったわけだ。作品全体からクラプトンのトラディッショナル・ロックンロールへの愛着と憧憬が感じられる、それは共演者達の力を得て実に味わい深く、そして微笑ましい。

その雰囲気は、ザ・バンドのラストライブを収めた”The Last Waltz”(1978)にも再現されている。ロックが演奏者をして最もロックらしく楽しめた時代。その時代の雰囲気を最も体現した作品としてもクラプトンの4th"No Reason To Cry"(1976)は評価できるのではないかと僕は思う。
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by onomichi1969 | 2008-02-25 01:33 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

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