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semスキン用のアイコン01 Black Sabbath "Master Of Reality"(1971) semスキン用のアイコン02

  

2007年 10月 06日

a0035172_1684279.jpgブラック・サバスの代表作と言えば、2nd "Paranoid"(1970)、3rd "Master Of Reality"(1971)、4th "Vol.4"(1972)の3作であろう。重厚なギターリフ、うねるようなベース、シャープに切り裂くドラム、そして地底から響くように唸るボーカル。一般にヘヴィ・メタルの元祖とも呼ばれる彼らのスタイルが確立したのはこれらのアルバムである。歌詞にも黒魔術的な要素が散りばめられているが、楽曲に関しても魔術的、麻薬的な魅力に満ち満ちている。まさに一度病みつきになったら、否応なくハマってしまう音楽なのである。

僕も一時期、この麻薬にハマってしまったくちだが、特に"Master Of Reality"(1971)はよく聴いた。このアルバムはとにかく曲がすごい。オジーの悪魔のような呻きから始まる1曲目Sweet Leafでは、繰り返されるヘヴィー・リフが僕らの三半規管を狂わせ、平衡感覚を失わせるだろう。そしてAfter Foreverの遠くへ逝ってしまいそうなギター音は聴く者を彼方(彼岸)へと誘う。とても危険な曲なのでこれは心して聴かなければならない。さもなければ死神の大鎌によって簡単に魂の尾を切られてしまうだろう。この2曲だけでもう失神しそうな勢いであるが、つづくインストを挟んだChildren of the GraveとLord of This Worldは失神している人間に冷水を浴びせ、針の筵を強制するような焼き鈍し的拷問に近い味わいがある。その味わいは背徳に惹かれる悪魔の魅力と言っていい。Solitudeは一転してフォークロアなバラードソングであるが、その一瞬の心の安らぎは魂を浮遊させる。最後のInto the Voidは比較的スタンダードなヘヴィー・サウンドであるが、その唐突に訪れる終わりが聴く者に禁断症状を与えるようだ。

ブラック・サバスの音楽は、黒魔術そのものであり、聴く者の隣に『デス・ノート』のような死神を必然的に呼び寄せる。しかしそれは恐怖でも畏怖でもなく、非超越的なぎりぎりの人間的な営みであるが故の「死の常態化」とでもいうべきものである。それは儀礼である。死の儀礼。僕らはそのマージナルなメッセージと波動をただ素直に感じ入ればよい。だから心していれば、魂を奪われることはない。(当たり前だけど) そしてその波動は身体の奥底までしみいる。

"Paranoid"(1970)も"Vol.4"(1972)も素晴らしいアルバムである。しかし、さすがに3作続けて聴いたらちょっと身体に効きすぎてしまうかもしれないので、気をつけたほうがよい。
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by onomichi1969 | 2007-10-06 17:45 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(0)

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Tracked from ROCK野郎のロックなブログ at 2008-02-28 09:01
タイトル : ブラックサバス『Master of Reality』
Black Sabbathの3rdアルバム『Master of Reality(マスター・オブ・リアリティ)』。1971年発表。 サバスといえば一般的には『パラノイド』なんでしょうが、僕が聴いた限りでは本作が最も聴きやすく、バランスの取れた傑作アルバムだと思います。僕の記憶が正しければ、確...... more
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