Jackson Browne "For Everyman"(1973)
2007年 05月 05日
"Late for the Sky"(1974)
"The Pretender"(1976)
"Running on Empty"(1977)
の3作はいろいろな雑誌で彼のベストであり、且つ70年代のウエストコーストを代表するアルバムであるとされているが、確かにファースト"Jackson Browne"(1972)からのDoctor My Eyesのトップ10ヒットがあったものの、アルバムセールスで言えば、上記の3作が彼の70年代の代表作と捉える見方は至極妥当なものである。しかし、実を言えば、そこには彼の1stと2ndアルバムが確実に上記の列に連なっていること、そして、楽曲の質という点でみれば、特に"For Everyman"(1973)は上記3作に比する、彼の若々しく瑞々しい魅力が溢れる傑作であることをここで言っておきたいのである。
グレン・フライとの共作である01 Take It Easyは、イーグルス版とは違い暗く重々しい雰囲気で、とても気楽にいこうぜって感じには聞こえないけど、それも彼の思慮深い味わいのひとつである。そこから続くLPのAサイド、02 Our Lady of the Well、03 Colors of the Sun、04 I Thought I Was a Child 、05 These Daysはどれも珠玉の名曲であり、演奏も素晴らしく、構成も清新な流れがある。比較的スローな曲調で押し切る構成は"Late for the Sky"(1974)を既に彷彿とさせる。特に04 I Thought I Was a Childは、彼のキャリアの中でも最高の名曲のひとつに数えられるのではないだろうか。静かなピアノの音色で始まり、爽やかなギターフレーズが被さる、ジャクソン・ブラウンの辿々しくも響く声が、その響きの倍音が独特の節回しと共によく心に届く。
「賢いイノセンスであり、魔法であった。あなたの笑顔に接するまで僕は子供でしかなかった。たなびく笑い声、その目に映る分別によって、僕は何処に行くべきか知った」
とてもぐっとくる言葉。
Bサイドもスライドギターが唸るロックンロール06 Red Neck Friendから始まり、ミドルテンポ或いはスローソングの07 The Times You've Come、08 Ready or Not、09 Sing My Songs to Me、10 For Everymanが並ぶ。この構成も"Late for the Sky"(1974)と同じか。。。ただ、全体的に言えば、このアルバムの方が仄かに漂う土の香りが少し濃い。それは数曲で印象付けられるスライドギターの乾いた味わいによるものかもしれない。
いずれにしろ、このアルバムも素晴らしい。彼の変わらない魅力の礎がこのアルバムには在るし、その後の彼の確信的な生き方を想起させる瑞々しい言葉と音の奔流が有る。
by onomichi1969 | 2007-05-05 11:21 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(4)
アサイラム・レコードとジャクソン・ブラウン。皆さん、ご存知のように、この2者は切っても切り離せない関係にありますね(アサイラムというかデヴィッド・ゲフィンといっていいでしょう)。 そしてジャクソン・ブラウンの初期3部作「Jackson Browne」「For Everyman」「Late For The Sky」がアサイラム勃興の一躍を担ったことは間違いありません。 セカンドアルバムである「For Everyman」は、この3枚のなかの立ち位置で言えば、ちょっと地味な印象かもしれませんが、実は非常...... more
確か、詩に関して、何かの賞をもらってるはずで(グラミーとかじゃなかった)、聞いた時、なるほどと思ったです。
J・ブラウンのアルバムはHOLD OUTまでがお気に入りであります♪
当時「Running On Empty」を聴いて、それからファーストまで遡りましたナァ~~~(◎⌒ ⌒◎)
D・リンドレーとR・バトラー、これで知りましたぁ。
僕もジャクソン・ブラウンのアルバムは"Hold Out"まで好きですね。"Lawyers in Love"も1曲目はいいですけど。
僕にとってのリアルタイムでのジャクソン・ブラウンは実は"For America"で、この歌も結構聴きましたね。