Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 ビッグ・フィッシュ "Big Fish" semスキン用のアイコン02

  

2007年 04月 30日

a0035172_034118.jpg映画っていうのは所詮がホラ話なんですね。そりゃもう巧妙なホラ話。それをリアルに見せれば見せるほど人は満足したりするんです。不思議なことに。
そうすると、「この映画は真実に迫っている!」なんて杓子定規な評価が出たりしまして、これは映画っちゅうものの成り立ちからしてそういう傾向があるから、仕方のないことなのかもしれませんけど。

映画のジャンルを問わず、ドキュメンタリーであろうが何であろうが凡そ人が撮るものには必ず演出ってものが付いてまわるもんだし、言ってみりゃあ、それは思い込みとヤラセの世界ですよ。映画ってものはそもそもそういう了解のもとに観るべきものなんじゃないのかって僕は思うんですけどね。ホラ話だって、そこに夢や希望が感じられれば十分に幸せを与えられるんです。

ということで、ティム・バートンの『ビッグフィッシュ』っちゅう映画なんですけど、これが実に大らかでいい作品なんですね。クソ面白くもないエピソードを延々と見せられてつまらんという評価もあるみたいですけど、あのつまらん(?)ディテールがラストに大団円となるところが「蒲田行進曲」的な映画愛だとしたら、僕がほんとに評価したいのは、そっちのつまらんディテールの方でして、あれこそがティム・バートンなりのささやかな日常への賛歌なのだと思いますよ。ホラ話も、大風呂敷な夢や希望があるのはいいけど、それが日常に繋がる「誠実さ」もなくっちゃね。その観せ方には十分なリアリティがあったような気がしますよ、この映画は。

実は父親も自分と同じ弱さを抱えたひとりの人間なんだって、この「自分が存在することの原理」みたいなものを認めなければ、本当の意味で自分が父親を赦し、自分自身を了解すること(大人になること)はできないんです。映画の中の息子と同様に、観ている僕たちが知らず知らずのうちに自分の父親の存在について思いを馳せてしまう、そういう父子にとっての現実的な物語でもあるんです。 2003年アメリカ映画(2004-06-19)
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by onomichi1969 | 2007-04-30 00:04 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)

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