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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 AC/DC "Highway to Hell"(1979) semスキン用のアイコン02

  

2007年 04月 11日

AC/DC \"Highway to Hell\"(1979)_a0035172_0413084.jpg70年代後半から80年代にかけてのハードロックシーンの中で僕が好きなバンドと言えば、スコーピオンズとオジー・オズボーン、そしてAC/DCである。
これらのバンドが好きな理由は、おそらく、彼ら特有の個性的な音楽スタイルが僕のロック魂の琴線に触れるからなのだが、その中でも、独特のボーカルスタイルをもつ個性的なボーカリスト達が聴かせる「うた」の響きには特に言い知れない魅力を感じてしまうのだ。
オジー・オズボーンの歌うバラードが僕は好きだ。あくまでギターの後ろから響く、控えめ?ながら圧倒的な存在感のある歌声。スコーピオンズのクラウス・マイネ、いわずと知れた哀愁のハイトーンボイスである。Pictured Lifeとかで聴かせるハイトーンのシャウトがダークでメロディアスなギターサウンドと交錯するのが大好きである。
そして、オーストラリアン・ハード・ブギーの雄、AC/DCといえば、ボン・スコットである。僕は彼ほどにソウルを響かせる金切り声を他に知らない。彼は最強にソウルフルなハードロック・ボーカリストなのである。

AC/DCの傑作アルバムといえば、1980年に全米で大ヒットし、全世界で4300万枚売り上げた"Back in Black"がまず挙がるだろう。確かにこのアルバムはポップでいてハード、重厚でいて薄っぺらい、なんというかロックの魅力がプリミティブに発揮されたシンプルにカッコいいアルバムである。楽曲も充実している。が、如何せんボーカルが弱い。新しく加入したおっさんシンガー、ブライアン・ジョンソンも金切り声を張り上げて頑張っているが、ボン・スコットに比べると「うた」の響きという点でかなり落ちる。ボン・スコットの声はナチュラルに倍音が響く。そのソウルフルな歌声は、スティーブ・マリオットやTHEM時代のヴァン・モリソンを彷彿とさせる、そういうレベルにあるのだ。(彼も天才的なボーカリストなのである)

そんなボン・スコットのボーカルの魅力は、初期のアルバム"High Voltage"(1976)や"Let There Be Rock"(1977)、"Powerage"(1978)で存分に味わえるが、やはり極めつけは、ボン・スコット時代の集大成的アルバムであり、尚且つ、よりハードでモダンな、その後の彼らのロック・スタイルを確立したアルバム、"Highway to Hell"(1979)が最高だろう。ソリッドでシンプルな縦ノリのギター・リフに絡むボン・スコットの歌声がゾクゾクするほどセクシーな表題曲01 Highway to Hell、彼ら本来のハード・ブギーをポップにアレンジした04 Touch Too Much、重量感溢れるロックンロール06 Shot Down In Flames などなど、どの曲も素晴らしい。ボン・スコットの歌声も確実にパワー・アップし、コーラスワークも冴えている。

そして、"Highway to Hell"の素晴らしさはそのアルバムジャケットにも現れている。悪魔君のアンガス・ヤングの隣で無垢な笑顔を見せる優男、それがボン・スコットである。

1980年2月19日、ボン・スコットは車中で死亡しているのが発見される。睡眠中に嘔吐物を喉に詰まらせての窒息死であったそうだが、元々が喘息もちであり、寒さ故の急激な発作が原因であったとも言われている。いずれにしろ、とても悔やまれる、残念な死であった。(多くの天才達は80-90年代を前にして夭折してしまう)
"Back in Black"は、全世界でマイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ、歴代2位の売り上げを誇るそうだ。(日本ではそれほど売れたという認識はなかったけれど、、、まさにモンスターアルバムだ) それほどに親しまれた作品ではあるが、これをボン・スコットの声で聴いてみたかった。そうであれば、アルバムの価値はもっともっと上がったであろうに。

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AC/DC "High Voltage"(1976)のレビューはこちら!

by onomichi1969 | 2007-04-11 01:03 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(0)

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