Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 ドリーム・ガールズ "Dreamgirls" semスキン用のアイコン02

  

2007年 03月 10日

a0035172_2140428.jpgジェニファー・ハドソンがとにかく素晴らしい。最初はモータウン風のフランクリン・シスターズって感じで、すごく楽しめたし、彼女の抜けた後の現代風シュプリームスもよかった。ジェニファー・ハドソンの歌はまさにアレサ・フランクリンのゴスペル調のボーカルスタイルを彷彿とさせ、さすがにシュプリームスの中には入れられないかなと思うが、ジェニファーがリードをとった場合の違和感のあるガールズポップも映画ならではのフィクションとして十分楽しめる。それよりも何よりも、ステージシーンにも増して、ミュージカル仕立ての部分での彼女の「うた」がとにかく響きまくっていて、その響きの倍音が僕らの肌を粟立たせ、胸をぐいっと掴んでくる。彼女の状況語り、心理語りの「うた」が伝える響きこそが、実はこの映画が描きたかったことそのものではないだろうか、とさえ僕には思えた。

この映画に関して、音楽及び音楽史的な事実と違うだの、ストーリーが陳腐で残念だなどという意見は全くの的外れ(で残念)な観方だと言わざるを得ない。そういう画一的な観方でこの映画は捉えられないと僕は思う。全編に響き渡る「うた」は、その浅薄なシチュエーションを越えて、僕らにある種の「身体的な意味性」とも言うべき感動(それはジャッキー・チェンのアクション映画から受ける感動にも似たもの)を訴えかける。それは従来の映画における分かりやすく意味の通った(そうであることを求められる)セリフ回しという映画的常識、その不自然なリアリティを方法論的に(自覚的に)変容してみせるのだ。(例えば、市川準『東京夜曲』で描かれる人々の会話が、その聞き取り難さ故に、各人の「ためらい」という身体性をリアルに表現するのと呼応する) 改めて言えば、『ドリーム・ガールズ』こそは、今、僕らの物語に求められる「身体的な意味性」を、映画的なコミュニケーションを、「うた」の響きによって体現している方法論的に革新的な映画なのではないかと思うのだ。(これこそがロックやソウルの感動であり、物語との融合である)
それには、言うまでもなく、ジェニファー・ハドソン抜きにはこの映画を語れない。これは彼女の映画なのである。。。と、ビヨンセとエディ・マーフィーを忘れてはいけないか。もちろん、ビヨンセのとことんまでダイアナを表現してみせたポップセンス(これも身体性か)も素晴らしい。エディ・マーフィーも頑張った。JBというか、ピケット風なシャウトあり、マーヴィン風のメロウ・サウンド、且つポリティカル・ソングもあり、マーヴィン&タミー風なデュエットあり、いろんなスタイルが楽しめて、MTV時代の"Party All The Time" の軽いノリとは全然違う、彼の奥深さを感じた。

これだけ感動できて、楽しめるんだから、この映画は傑作でしょう。やっぱり。

あと、観終わってから、この映画の監督が『シカゴ』の脚本家だということを知って、すごーく納得したナ。2006年アメリカ映画
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by onomichi1969 | 2007-03-10 22:03 | 海外の映画 | Trackback(4) | Comments(6)

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Commented by lonehawk at 2007-03-11 17:53
onomichiさん、こんにちは。
コメント&TBありがとうございました。
こちらからもTBさせて頂きましたので、宜しくお願い致します。

この映画は確かに明確なモデルはあっても、単に史実をなぞっているわけではないので、"らしい"ところに気が付いたら思わずニヤリとしたり、素直に楽曲を楽しんだり、パフォーマンスに熱狂したりと、感じるままに楽しめばイイですよね。
ますます"ぶー子"化した(笑)ジェニファー・ハドソンの圧倒的な歌唱力には、オスカーを獲って当然かなー、と思いますし。
Commented by やぎ at 2007-03-11 22:00 x
(´∇`) ~Heavy Heavy~♪ ばしんっ!(@ぶー子)
こんばんは、コメント+TBありがとうございました。
想像以上に面白かった「ドリームガールズ」、最高でした!
・・先週観た、「●フューム」は、激しくつまらなかったけれど・・
音楽や、俳優さんたちの演技、ストーリーも良いのですが
身長152cmの私では、絶対に着こなせないような、ステージ衣装も◎!

「シカゴ」って見てないんですが,おもしろいんでしょうか?
主演のブリジット・ジョーンズのひと(名前忘れ)の、ルックスが苦手で
イマイチ、観る気になれないんで
Commented by onomichi1969 at 2007-03-11 23:20
lonehawkさん、こんばんわ
こちらこそコメント&TB有難うございます。

ぶー子がオスカーを獲ったんですね。お父さんはとても嬉しいですw 本当は主演女優賞をあげたいところですが、やっぱり主役もリードもかわい子ちゃんのビヨンセだから仕方がないですね。それも世の流れなのでしょう。
でも、ビヨンセも素晴らしかったですね。あの美しさはやっぱり尋常じゃないです。
Commented by onomichi1969 at 2007-03-11 23:42
やぎさん、こんばんわ。
こちらもコメント&TB有難うございます。

『シカゴ』は面白いですよ。
やぎさんの苦手なレニー・ゼルウィガー、僕もそれまではあまり好きじゃなかったんです(なんだこのぶー子は!って思ってましたよ、そういえば)が、この映画の彼女はいいです。キャサリン・ゼタ=ジョーンズは、『シカゴ』でぶー子(本家)と同じオスカーを獲ったんですよね。彼女もすごくカッコよかったですよ。あとは、ジョン・C・ライリー。彼がまたまたいい味を出しているんです。これが。。。
Commented by k-hiko at 2007-03-12 09:51 x
シカゴ以外のレニーゼルヴィガーが好きな私ですが、ムッチリを控えたビヨンセにも少し不満。やっぱりダイナマイトなビヨンセが見たい!(主旨が違ってしまいますが)

あの、マーヴィンっぽい曲が良さそうでしたね。
面白い映画でした。
Commented by onomichi1969 at 2007-03-13 00:05
k-hikoさん、久しぶりです。
TBもありがとうございます。k-hikoさんのエントリーとは着眼点がかなり似てますね。面白いです。でも、女性の趣味は違うのかな?

上のレビューでは書かなかったけど、あと、エディ・マーフィーの笑顔というか破顔というか、あの強烈なスマイルがうたの最中に出てくるというのがとてもしっくりきましたね。刑事ドラマの時は単に憎たらしい顔だと思ってましたけど。。。いい顔でした。
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