Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 Peter Gabriel "So"(1986) semスキン用のアイコン02

  

2007年 02月 18日

a0035172_14224754.jpg1986年というと、僕は高校2年生。今回取り上げるピーター・ガブリエルのソロ5作目は当時の大ヒットアルバムであった。このアルバムからはファーストシングルの『スレッジ・ハンマー』がいきなり全米No.1となるのだが、それにはあの奇妙奇天烈なアニメーションが楽しい(MTVビデオ・アウォードで大賞にも輝いた)ビデオクリップの影響が大きい。確かにあのPVを最初に観た時には音楽よりも映像の方が印象に残ったものである。
ピーター・ガブリエルが元ジェネシス、プログレ時代のフロントマンであり、ソロとしての過去作品にも傑作が多いということは当時の僕も知っていたが、彼の作品を本作以前に手にとることはなかった。80年代においてもコマーシャリズムから最も遠い位置にいるという彼の印象が軽々しく作品を聴くことをヘジテイトさせたのだと思う。
しかし、この作品はそんな印象を全く感じさせない、キャッチーでメロディアスな楽曲がならぶポップセンス溢れる快作だった。もちろん、アルバムを通して響く躍動感のあるベースラインとシャープなドラムを中心として奏でられるエスニックでエレクトロニックな感覚に満ちたリズムセクションが素晴らしく、この作品を特徴あるものとしている。ステュワート・コープランドのハイハットがカッコいい出だしの"Red Rain"からオリエンタリズムが垣間見える"Sledgehammer"へと続き、" Big Time"や"We Do What We're Told"といった楽曲も徹底した音を聴かせる内容となっている。

そういった技術的な背景にもまして、僕を驚かせたのは、ピーター・ガブリエルの声、そして、ケイト・ブッシュとの美しい絡みなのである。と書けば、やはり、このアルバムの最大の聴き所である(と勝手に思っている)"Don't Give Up"である。

僕はこれほどに美しい、古の神々しさを纏った歌を他に知らない。

ケイトのコーラスに続く、P.G.の情感溢れる歌声とそのファルセットの瑞々しさ。

don't give up 'cos you have friends
don't give up you're not beaten yet
don't give up I know you can make it good

'got to walk out of here
I can't take anymore going to stand on that bridge
keep my eyes down below whatever may come
and whatever may go
that river's flowing
that river's flowing

「あきらめないで」
「あなたにはできるはずよ」
その女神の歌声以上に僕らを癒すものは他にない。
それは、僕が仮に雪山で遭難したとして、極寒の状況下で遠くの方から微かに聞こえてくる天使の囁きにも似ている。僕はもうすぐ死ぬのだろうか?
その声の温かみに触れたとき、僕の命は優しみの中で僅かな幸福を見出すのである。。。

くるくる回るPV
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by onomichi1969 | 2007-02-18 11:37 | 80年代ロック | Trackback | Comments(2)

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Commented by pico at 2007-03-12 00:05 x
初めまして♪
DAYSの足跡からきましたぁ~。
よろしくお願いしますぅ。

P・ガブリエルはこのアルバムだけ持ってまふ。
けどあんまし聴き込んでないせいか忘れてしまってるのですが、
onomichiさんのコメントを読んで、もう一度聴きなおししようと思いますぅ♪
そういえば、トリノオリンピックにガブリエルさん出ていましたですね~。
イマジンを歌ったんだったけかな・・・忘れてしもた( ̄▽ ̄;)
おじゃましましたです~。
Commented by onomichi1969 at 2007-03-12 23:55
picoさん、はじめまして、こんばんわ。
僕もピーターさんのアルバムで持っているのはこの1枚だけですし、アルバムとしても全然聴きこんでいませんが、"Don't Give Up"だけは繰り返し聴いています。i-podシャッフルにも入ってますし、PVもたまに観ます。ピーターさんとケイト嬢が抱き合いながらくるくる回るだけのPVとイメージショットの多いPVの2つのバージョンがあるようですが、ケイト嬢の登場シーンの多いくるくる回るやつが僕は好きです。ケイトさんの切ない表情がたまりませんのです。
トリノ・オリンピックでのピーターさんの演奏(イマジンでした)はYouTubeで観ました。寒そうでしたね、すごく、、、って感じです。
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