鬼畜
2006年 05月 03日
この映画を昔何度となくテレビで観た。ラストシーンでの少年の赦し、父親の懺悔には、毎度必ず涙したものだ。しかし、少年が本当に父親を赦せるのは、ずっと先の話なのだろう。いや、実際、そう簡単には赦せるはずがないのだ。
社会の中で、子供は親を必要とせざるを得ない。ただそれだけのことかもしれないではないか。人が自らのエゴを抱えながら、生きていく原理としての「優しさ」を掴む為には、あなたが私と同じ弱い人間であるということを認めることから始めるしかない。そして人は人を赦せるのである。少年もいつかは大人になる。生き難さを生み出す様々な生の捩れに身を裂かれながら、いろんなことを徐々に赦していくのである。そうであれば、少しは救われるのだが。。。1978年日本映画(2004-10-25)
みんなのシネマレビュー 『鬼畜』
by onomichi1969 | 2006-05-03 22:42 | 日本の映画 | Trackback | Comments(0)