初体験 リッジモント・ハイ "Fast Times At Ridgemont High"
2006年 04月 18日
それが邦題となると何故か『初体験 リッジモント・ハイ』。
これはどう考えても誤訳ではないかと思うのだが、幼少の頃はそんなことも分からず、「初体験」というなんとも甘くエロチックな響きにつられてこの映画を観たのは確か。中学生の頃、幾たびか深夜にTV放送されたこの映画を親に隠れてこっそりと観たものである。。。
今回、久々にこの映画をDVDで観て、これは80年代の『アメリカン・グラフティ』なのだということに気がついた。フィービーのポロリばかりが注目される(それは強烈すぎるから仕方ない)けど、内容自体もどうしてなかなか面白くって、結構笑えるし、晴れやかでちょっと切ない気分にさせてくれる、正に青春映画の傑作なのだ、、、たぶん。
まずキャストがいい。
ジャンキーのサーファー、ジャック役のショーン・ペンが馬鹿すぎる。。。
等身大の彼女、ステーシー役のジェニファー・ジェイソン・リーがとっても普通。。。
ポロリが眩しい我らがアイドル、リンダ役のフィービー・ケイツはやっぱり可愛いね。。。
あなたの妄想のおかげ。。。ステーシー兄、ブラッド役のジャッジ・ラインホルドも若々しい魅力が爽やかだ。
他にも端役ながら、エリック・ストルツやアンソニー・エドワーズ、それからウォレスト・テイカーやニコラス・ケイジも出ている。
あまり有名じゃないけど、ジェニファーに絡むマーク役のブライアン・バッカーとマイク役のロバート・ロマノスもいい。
音楽は、80年代ウエストコーストロックのオンパレードだ。(サントラのレビューは、こっち!)
出だしのThe GO GO'sに、トム・ぺティの"American Girl"、スティーヴィー・ニックスにポコ、そして、ジャクソン・ブラウンである。ジャクソン・ブラウンの名曲『誰かが彼女を見つめてる 』("Somebody's Baby")はしばらくの間この映画のサントラでしか聴けなかったのだ。この曲はジェニファー演じるステーシーが母親におやすみを言った後、自分の部屋の窓から抜け出し、恋人と夜の街に繰り出す際に流れる。
原作/脚本が元ローリングストーン誌の学生記者キャメロン・クロウだけにロック・センスが光る作品だ。
ストーリーはあるようなないような。。。
ジャックはラリってやたらと裸になってばかりいるし、ブラッドは肝心なことがうまくいかない自分をもてあましていて、ちょっと悩める青年っぽいけど、結局は能天気。ステーシーはセックスのことで頭が一杯でスレっ子のリンダからセックスの指南ばかり受けている。マークはそんなステーシーに惹かれていて、マイクはダフ屋まがいの金稼ぎに余念がない。
基本的にはステーシーの物語が軸。ステーシーが初体験し、段々と男慣れしていくんだけど、マイクとの過ちによる中絶という事件を経て、即物的な快楽から本当の愛に目覚めていく。。。ってな感じかな。ドラッグ、セックス、妊娠、中絶、、、そんなテーマもあっけらかんと描いていて、全く悲壮感がない。今を楽しむという、まさにポップな感覚が映画を貫いている。
会話は洒落ていて、ロックテイスト溢れる。
そうそう、映画の中でマイクが知ったかぶりしてマークに教える「女の子と付き合う時の5ヵ条」って知ってるかな?
第1条 ホレていることを顔に出すな
第2条 主導権をにぎること
第3条 何が起こってもアセらぬこと
第4条 食事の時は彼女の好みを聞いて注文すること
第5条 (これが一番重要だが)ベッドインする時はLed Zepelin ⅣのA面をPUSH ON
素晴らしいご指南でした。。。
映画の最後に登場人物たちの後日談があるのはアメリカン・グラフティと同じなんだけど、ジャックは海で溺れたブルック・シールズを助けてお金を手に入れ、その金でヴァン・ヘイレンを自分の誕生日パーティに招いたんだって。。。人を喰っているというか、なんというか。
兎にも角にも、この映画、80年代を代表する青春グラフティ。
僕らの青春が如何にアホでしょうもなくって、単純だったのかを思い出させる。その感覚はすごく底抜けで、それが80年代のポップなんだナ。1982年アメリカ映画
みんなのシネマレビュー 『初体験 リッジモント・ハイ』
by onomichi1969 | 2006-04-18 22:29 | 海外の映画 | Trackback(2) | Comments(6)
この写真たち、もしかしてビデオから取り込んだんですか??
フィービーがとてもカワイイですよね♪
この当時、日本のビールのCMにも水着で登場してたんですよねw
このとき350ミリの缶ビールを10本くらい飲んだらしいけど
「もっとイケる!」と云ったらしくw、明るいアメリカンガールという感じで
撮影現場を明るい雰囲気にしてたという記事を読んだ記憶があります。
彼女主演の「パラダイス」っていう映画(たぶん)も好きでした☆彡
漂流した先の無人島で男の子と暮らしていくうちに
オトナになっていく、っていう映画で、その主題歌も歌ってたんですよね♪
この80年代当時って「ちょっぴりオバカで明るいエロな青春映画」がたくさんありましたよね!
「グローイング・アップ・シリーズ」もギャグ満載ですごく好きでしたw
やはり同世代ですね~。『パラダイス』も覚えてます。『青い珊瑚礁』と似たやつですよね。ブルック・シールズがフィーヴィー・ケイツになっただけという。。。海外のアイドルといえば、他にソフィー・マルソーとか。。。
写真はたしかイメージ検索で拾ったものです。
熱い語り口に、思わず涙腺が緩んでしまいました、私~( ´Д⊂
私は映画マニアじゃないんで、特定の映画については、書いたことないけど・・(先生ネタだったら、果てしなく暴走しますがw)
面白そうなんで、気が向いたら書いてみようかな。
この映画、やたらと「端役陣」豪華ですねぇ~(´∇`)
80年代の映画って、今人気のある俳優さんが、チョイ役で出てるのもおもしろいです。
デニーロの「ボーイズライフ」に、トビー・マクガイアがチョイ役で出てるのは、ビックリでした。
長文コメントに、なってしまった、ごめんなさい
>特定の映画については、書いたことないけど・・
といいつつ、「ブローバック・マウンテン」の超大作があるじゃないですか。どんどん書いてくださいよ。
80年代初期のチョイ役映画って結構ありますよね。「処刑教室」のやられ役でマイケル・J・フォックスが出ているとか。
みなさんのように、美しい感想を書くのが、私の野望でしたが・・
ツッコミと妄想?で、暴走しまくりのレヴューでした。反省。
でも、本当にいい作品だったので、スラスラとバカレヴューが書けました。
観た後、食欲が落ちるほど、がくっと来る映画だけど
もう一度、映画館のスクリーンで観たいなー
やぎさんの思いがじんじんと伝わる壮大なレビューでしたよ。僕はこの映画(「ブローバック・マウンテン」)を観ていないので、すごく観たくなりました。DVD買おうかな~