Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

onomichi.exblog.jp

ブログトップ

semスキン用のアイコン01 David Bowie "Low"(1977) semスキン用のアイコン02

  

2006年 04月 03日

a0035172_33059100.jpgDavid Bowie "Low"(1977)は、ボウイの音楽キャリアにおけるピークを現出した最高作であり、同時に70年代から90年代のロックを代表する金字塔とも言うべき傑作アルバムでもある。
前作"Station to Station"(1976)もかなり完成度が高い素晴らしいアルバムだったが、さらに音に対する拘りを深く追求し、彼のアーティストとしての天才性をまざまざを見せ付けたのがこのアルバムである。天才性、、、その哀しみは海のように深く、そしてボウイ自身の足取りのように軽やかだ。

楽曲的にはもはや言うことはない。冒頭のインスト01 Speed of Lifeから02 Breaking Glass、03 What in the Worldの流れはリズムが特徴的な前作のダンスサウンドを引き継ぎ、尚且つそこにシンセを多用したテクノサウンドという新たな境地を見出すことができるだろう。ポップな04 Sound and Visionや06 Be My Wifeもバランスよく配置され、近未来的なテクノサウンドである07 A New Career in a New Townも素晴らしい。そして、極めつけは08 Warszawaであり、09 Art Decade、11 Subterraneansという、後半の重厚なインストナンバーである。この時代において、音楽という狂気、その可能性をLowとして表現しえたのは、ピンクフロイドとボウイくらいなものではないか。
ロックという表現方法の中で、この08 Warszawaという曲はひとつの極致なのだと僕は思う。ボウイは70年代の様々の音楽的変化の中でロックにおけるある種の地平を軽々と飛び越えてしまったようだ。哀しいかな、それは時代そのものを飛び越え、ある意味で時代を先取りしすぎていた。
しかし、ボウイほど時代に対して過剰なミュージシャンはいないのだとも思う。それ故に常に変化が必要だったし、それは狂気という形をとって時代そのものを掴み、それを超えたのだ。

80年代のポストパンクも90年代のダウナー系も源流を辿ればこのアルバムに行き着くだろう。ロック史としてみれば、このアルバムは"Ziggy"以上にもっと評価されて然るべきなのだ。時代はこのアルバムに追いついたのだろうか? 今でも聴くたびに新しさを感じる、ある種の究極性がこのアルバムには宿っているようだ。それそこそがボウイの天才性であり、この作品を傑作にしている本当の所以なのだと思う。

-------------------
David Bowie “The Rise and Fall of Ziggy Stardust”(1972)のレビューはこちら!
David Bowie ”Station to Station”(1976)のレビューはこちら!
David Bowie "Hunky Dory"(1971)のレビューはこちら!
David Bowie "Scary Monsters"(1980)のレビューはこちら!
[PR]

by onomichi1969 | 2006-04-03 13:20 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://onomichi.exblog.jp/tb/3429992
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
アクセスカウンター