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semスキン用のアイコン01 David Bowie "Hunky Dory"(1971) semスキン用のアイコン02

  

2006年 01月 07日

a0035172_12311030.jpg2006年新春第3弾は、コレ。

David Bowie "Hunky Dory"(1971)

デビッド・ボウイの70年代の名作群の中で僕が最も聴いたアルバムかもしれない。
デビッド・ボウイが洗練されたフォーク・ロック的な音楽から転化し、彼特有の虚構性、演劇性を楽曲の中にシンプルに発揮し始めたアルバム。
天才的な響きをもつ声、その魅力を独特の唱法によってアピールすることに成功したアルバム。
ある意味でロックスター、デビッド・ボウイが誕生したアルバム。
このアルバムの様々なところに僕らはボウイの天才性を見出すことができる。というか、すべての曲の各要素がデビッド・ボウイ、その人に集約していく、そんなイメージを喚起させるのだ。そしてイメージは彼の名声を決定的にする"Ziggy Stardust"というキャラクターへと確実に繋がっていくのである。

このアルバムは曲がいい。
アルバムのトップを飾るは名曲01 Changesである。ピアノとブラスをベースとした実にシンプルな楽曲ながらこの曲ほどボウイの魅力を確実に伝えるものは他にない。緩急織り交ぜた変化球投手の本領発揮、偶に投げる120km/hの直球も剛速球に見える、みたいな。
次曲02 Oh! You Pretty Thingsへの繋がりも最高にカッコいい。基本的には1曲目と同じパターンながら、サビのコーラスの響きにどんなにか痺れることか。
この出だしの2曲によって、ボウイは自らのセルフ・プロダクションを確実に掴んだはずだ。
楽曲は、03 Eight Line Poem、そしてこのアルバムでも人気の高いボウイの代表曲04 Life on Mars-に繋がる。そしてコミカルな、それこそパントマイムのような演劇性を感じさせる佳曲05 Kooksを経て、いよいよこのアルバムの(これもある意味で演劇的な、、)クライマックスとも言うべき美しき名曲06 Quicksandへと昇華していく。
続くBサイドも人を喰ったような人名シリーズである。自ら影響を受けたであろう2人の人物に捧げる曲、08 Andy Warholと09 Song for Bob Dylan、曲調もなんとなくそれっぽい。そしてボウイ的ロックンロール10 Queen Bitch、最後はちょっと地味めな11 The Bewlay Brothers。。。と思いきや、突然の変調。こんなラストも有り?これもボウイ的トリックか。またこれはある意味で劇の最後を飾るボウイの独白とでもいうべき曲なのだろう。

ということで、70年代に大きな振幅を持って疾走するボウイのスタートとなったのがまさしくこのアルバムである。ボウイ自身の言葉を借りれば、このアルバムから"Daiamond Dogs"(1974)までは、「本質的にミュージシャンでない自分(ボウイ)が映画的コンセプトでプロデュースしたロック作品」なのだ。考えてみればこのような作品はボウイにしかできない種類のものだろう。もうグラムロックやアートロックというタームでは単純に括れない。
まずは01 Changesと02 Oh! You Pretty Thingsのボウイの声に痺れてみよう。その瞬間から、僕らはボウイの世界に囚われざるを得なくなるのだ。

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David Bowie “The Rise and Fall of Ziggy Stardust”(1972)のレビューはこちら!
David Bowie ”Station to Station”(1976)のレビューはこちら!
David Bowie "Scary Monsters"(1980)のレビューはこちら!
David Bowie "Low"(1977)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2006-01-07 14:02 | 70年代ロック | Trackback(5) | Comments(6)

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Commented by teacherteacher at 2006-01-07 22:26
「火星の生活」のPVのボウイは、この世のモノとは
思えないくらいの美しさでしたね~(´∇`) オレンジの髪にブルーのスーツ。
最近は、意味も無く「ロウ」を聴きまくっております。

「らいふ いん と~きょぉおぉ~♪」だったか? Japan?
Commented by onomichi1969 at 2006-01-09 12:26
teacherさん、こんにちわ。
次は『ロウ』について書きたいな、って思ってます。
ボウイさんの70年代はとても充実していて聴き飽きないです。

「らいふいんと~きお~♪」はシルヴィアンさんですが、
火星在住のボウイさんに比べたらスケールが違いすぎ、なんて。
2人ともお美しいですが。
Commented by もりたん at 2006-01-12 23:54 x
onomichiさん、新年あけましていかがお過ごしですか~!?
ワタシはボウイと云えば「世界を売った男」から
「ダイアモンドの犬」までが大大大好きです♪
中でも「世界を売った男」&「ハンキードリー」&「ジギースターダスト」の
3枚は類稀なる素晴らしい傑作だと思います♪
このハンキードリー収録の「クイーン・ビッチ」って曲は
今の時代に聴いてもなんにも違和感を感じないほど新しさを感じたりします☆彡
Commented by k-hiko at 2006-01-13 09:37 x
やっぱり多く聴くのは、このアルバムでしょうかねー。
初めて買ったのは、ジギスタです。ちょうど、もう昔の曲は封印するとかって盛り上がってた来日公演の頃ですね。ベストも買ったような?曲的には当時「ジーン・ジニー」がスキでした。
セカンドも良いですよねー。

次は「ロウ」ですか?楽しみにしてます♪
Commented by onomichi1969 at 2006-01-14 00:52
もりたんさん、新年はやくも1月中旬です。
1月もすぐに行ってしまいそうですね。

僕が初めて買ったボウイのアルバムは"Ziggy Stardust"で、2番目が"Diamond Dogs"でした。この異様なジャケットのアルバムもなかなか好きでしたよ。"Hunky Dory"はその次だったか。。。
そうそう、"Let's Dance"を忘れてた~。最近、聴いてないナ CDも持ってないし。。。
Commented by onomichi1969 at 2006-01-14 01:18
k-hikoさん、そうですねぇ。
狂気の若者"A lad inSane"もいいです。
そして"Low"です。"Scary Monsters"です。
そうそう、ジャケットなら"The Man Who Sold the World"かな~、って思ったけど、やっぱりどれもカッコよくって甲乙付けがたい!
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