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2006年 01月 07日

a0035172_1192683.jpg2006年新春第2弾は、コレ。

Japan "Quiet Life"(1979)

僕がJapanを聴いたのは高校生の頃、"Tin Drum"(1981)が初めてだった。当時、Japanは既に解散しており、一部の音楽ファンの間では神格化されていたと思う。彼らのラストアルバムとなった"Tin Drum"(1981)はそんな一部ファンのみならず、80年代ロックを代表する名盤としていろいろな雑誌に紹介されていた。
確かに"Tin Drum"(1981)は一聴して素晴らしいと思った。その音に対する驚きは別のレビューでも述べたが、音と音、音と声の絶妙な繋がりとそこから生まれる静謐な間合いがある種の情緒性を生み出す。これはソウルそのものだと。

"Tin Drum"(1981)はJapanの最高傑作であり、彼らが彼らの枠を超えた名作と呼んでもいいだろう。だからJapanはこの作品を最後に解散せざるを得なかったのだ。それはロキシーが"Avalon"を最後に解散したのと全く同じである。しかし僕が思うにロキシーが一定の傾きで彼らの音楽性を熟成させていったのとは対照的にJapanはその音楽性を一気に昇華させていく。(ある意味でJapanのラストアルバムはロキシーのそれ以上に音楽的に高いレベルにあると僕は思っている) その一歩手前のアルバムが"Quiet Life"(1979)ということになろうか。

ここには"Tin Drum"(1981)に見出すことができるような音の輪郭性とか、そこから浮かび上がる静謐さなどというものはまだ希薄である。しかし、確実にそこへと向かっているという手ごたえを全ての曲から感じることができる。いわば"Tin Drum"(1981)で完成されるJapanサウンドの原風景ともいうべきアルバムが"Quiet Life"(1979)なのだと言うことか。オリエンタリズムにロックの究極性(というか原点)を求めたラストアルバムに比べて、ある意味でより80年代的なヨーロピアン・ロマンティシズムに溢れた作品でもある。

僕はこの"Quiet Life"(1979)を"Tin Drum"(1981)の次に聴いている。その為か"Quiet Life"(1979)の世界観は比較的馴染みやすかった。まさに"Tin Drum"(1981)からある種の突出性を奪えば"Quiet Life"(1979)が残る、という感じだろうか。Japanのベースはやはりここにあり、それが今聴いても全く古さを感じさせない高いレベルにあるのだということを再確認できる、そういうアルバムなのである。そしてまた、そこにラストアルバム以上の愛着が湧いてきたりするのだ。

"Quiet Life"(1979)はアルバムを通して全てが佳曲揃い(似た曲が多いということもあるが)の名盤である。
アルバムの最初を飾るシンセの通底音が特徴的な01 Quiet Life、神経症的なギターが痺れる02 Fall in Love With Me、既にして音の重厚感を感じさせる名曲03 Despair、ひねたダンスサウンドでもある04 In Vogue、アルトサックスの響きがカッコいいJapanサウンドの定番ともいうべき05 Halloween、彼ら特有のヘヴィなポップチューン06 All Tomorrow's Parties、バンドアンサンブルを聴かせる07 Alien、ラストを飾るのは大作08 The Other Side of Life、と繋がる。

Japanが、特にデビッド・シルヴィアンが如何に音に対して真摯であったか、その信念に基づき構築されたサウンドの充実がこのアルバムの中にある。そしてまた、ここには聴くことに対する感慨を改めて思い起こさせる何かがある。その何かはロックの一部として脈々と受け継がれてきたものだ。そこにこそ僕らが語るに足るこれまた何ものかがあるのかもしれない。

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Japan "Tin Drum"(1981)のレビューはこちら!
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by onomichi1969 | 2006-01-07 11:52 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

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