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Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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2005年 11月 26日

Christine Perfect “Christine Perfect”(1970)_a0035172_1343935.jpgアルバムを予約して購入したのは佐野元春の『Visitors』以来だ。。。
今回は再販であるが、新譜も含めて発売直後のものを購入するのは、ブライアン・ウィルソンの”SMiLE”以来となる。
というわけで、僕にとっては待ちに待ったアルバムがついにAmazonから届いた。
Christine Perfect “Christine Perfect”(1970)である。
クリスティンといえば、クリスティン・マクヴィー(Christine McVie)というマック加入後の名前が一般的で、パーフェクト?と言われてもなかなかピンとこないかもしれない。もちろんパーフェクトというのは彼女の旧姓である。彼女の経歴を見ると、クリスティン・パーフェクトとして活動し始めるのが1964年(20歳過ぎのころ)からで、後のチキン・シャックのメンバー、スタン・ウェブやアンディ・シルベスター、またトラフィックのクリス・ウッドと共にR&B系のバンドで活躍しており、パーフェクトとしての時期も結構長かったのである。
当時、大学に在籍中だった彼女は、音楽活動よりも、大学卒業、デザイナーとして就職という道を選び、一時は音楽の世界から身を引いていた。しかし、彼女の脱退後にチキン・シャックと改名したバンドは、プロ・デビューを前に彼女を口説き落とし、クリスティンは再び音楽活動を始めることになるのである。
チキン・シャックでは、クリスティン・パーフェクトとしてキーボード/ボーカル、そしてコンポーズを担当。折からのブルーズ・ブームも影響してバンドは英国でブレークする。彼女のボーカルやコンポーズのスタイルはブルーズというよりは、やはりポップスである。そんな彼女の魅力と共に、彼女の名前『クリスティン・パーフェクト』を一躍広めたのは、チキン・シャックの4枚目のシングル”I’d rather go blind”(今回のアルバムにも収録)ということになるらしい。全英で大ヒットしたこのシングルの成功によって、彼女は1969年のメロディ・メーカー誌の女性シンガー読者人気投票のNo.1に選ばれるのだ。
しかし、当時の彼女はフリートウッド・マックのジョン・マクヴィーと結婚しており、家庭を優先させる為にバンドを脱退した直後、2度目の音楽活動休止時期を迎えていた。今回紹介する彼女の1stソロアルバム“Christine Perfect”(1970)は、そんな時期にファンからの後押しもあってレコード会社が彼女に要請、(渋々)レコーディングされたアルバムとのことである。レコーディングメンバーには、マックのダニー・カーワンや夫のジョンも参加しており、その後のマック参加への布石となったアルバムだと今では言えよう。ピーター・グリーンやジェレミー・スペンサーというフロントマンを失ったマックが彼女を口説き落とすことになるのは、もう自然の流れだったのだ。

さて、アルバムの内容であるが、彼女のファンであればこの作品が満足の一枚であることにもう間違いはないだろう。基本はチキン・シャックの流れであるブルーズを軸にしながら、彼女のオリジナル作にはすでにポップスの魅力が垣間見られる。後のマック加入後の作品に繋がる09 No Road Is The Right Roadや05 Close To Meが特に素晴らしい。ダニー・カーワン作の07 When You Sayは如何にもダニーらしいフォークロア的味わいのある曲でこれをクリスティンが歌うのもすごく面白いし、チキン・シャックとしてヒットした06 I'd Rather Go Blindも穏やかなブルーズ・フィーリングが心地よい。
彼女の母性的な味わい、その魅力が全開となるのは中期マックを待たねばならないだろう。しかし、このソロ作品でもその萌芽は十分に見られる。彼女の若々しいエネルギー溢れる声、旧態たる音楽性の中に新しい息吹、爽やかな風を感じさせるポップセンス、それは後のマック作品における「母性的な暖かさ」という味わいへとゆるやかに変化していく。このアルバムの中で見出せる、そのささやかな「萌芽」とでも言うべきもの、それはそれでまたいいのだ。なんというか、筆舌し難い魅力、これは一種の「萌え」なのかもしれない。クリスティン萌え~。(ジャケット写真も結構萌えるでしょ。。。)

まぁ、とにかく、、、クリスティン・ファンの僕としては、満足の一枚なのだ。
<待ちに待ちすぎて、すっかり予約していたことも忘れていたのも事実ですが。。。>

マックでのダニーとクリスティンといえば、やっぱりこれ!

by onomichi1969 | 2005-11-26 13:43 | 70年代ロック | Trackback(2) | Comments(2)

Tracked from 芸術的生活、 at 2005-11-29 00:48
タイトル : CHRISTINE PERFECT (紙ジャケ)
引き続きブリティッシュ・ロック・エクスプロージョンのシリーズから。今回聴いたのは、チキン・シャック脱退後に初のソロアルバムを出したクリスティン・パーフェクトです。クリスティン・パーフェクトといってもピンと来ない方も、クリスティン・マクヴィーといえばお分かりでしょうか。後にフリートウッド・マックに加入して、マックの黄金時代を築くメンバーのひとりです。この頃既にジョン・マクヴィーと結婚していますが、チキン・シャックでの成功も影響してか旧姓のままソロ活動をします。ブルー・ホライズンの主宰者マイク・ヴァーノン...... more
Tracked from Surfin' Rabb.. at 2005-12-02 05:42
タイトル : 暮らしのサイケ日記「かえってフラストレーションが!の巻」..
昨日はWポイント・サービスをやっているとのことだったので、久々にタ○レコへ出かけ、あと近くにある中古レコ屋などを巡ってみた。しかしまぁ、やはり札幌駅前の商業施設内にあるH○Vとは在庫量が違う。アレコレ欲しいものがたくさんあって、何を買おうかチョー逡巡・・・かえってフラストレーションを溜める結果となってしまった。特にずらりと特設のコーナーに揃えてあった、Savoy BrownとChicken Shackの初期のアルバムの紙ジャケ再発群!出る出るとはあちこちで見聞きしていたものの、イザ実際にズラリ並んだ現...... more
Commented by lonehawk at 2005-11-29 00:59
ご無沙汰しております。
ワタシもクリスティンの記事をアップしましたので、TBさせて頂きました。
コレはずっと廃盤で聴きたくてもなかなかお目にかかれなかったので、今回の再発は大歓迎でした。
噂のマックも大好きですが、ブルージーな初期マックも最高ですね。
(この作品は初期マックとは違いますけど。)
Commented by onomichi1969 at 2005-11-30 01:02
lonehawk様、こんばんわ。
さすがに押さえていますね。紙ジャケだし。
僕もこのアルバムは昔から聴きたくしょうがなかった1枚です。レビューは勢い余ってかなり褒めてますけど、これも欲しかったものが手に入った喜びなのでしょう。たぶん。
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