Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

onomichi.exblog.jp

ブログトップ

semスキン用のアイコン01 Fleetwood Mac "Bare Trees"(1972) semスキン用のアイコン02

  

2005年 05月 22日

a0035172_10284974.jpgフリートウッド・マックが大好きである。この台詞を吐くのも3回目だ。<1回目2回目。。。>
今回取り上げるマックのアルバムは、"Bare Trees"(1972)である。これは彼らの1.5期とでも言うべき時期のアルバムで、1期の生き残りであるダニー・カーワン(vo,g)と2期のボブ・ウェルチ(vo,g)&クリスティン・マクヴィー(vo,org)の3人がフロントとしてバンドを引っ張っている。まだまだダニーも健在で、前作と合わせて、71-72年発売の2枚のアルバムをダニー時代の作品と言ってもいいかもしれない。(ちなみに改めて言うが、出入りの多いこのバンドの中でミック・フリートウッド(dr)とジョン。マクヴィー(b)だけは常に変わらない。だからバンド名も変わらないw・・・この台詞は2回目か。。)
実は、先ほどむつみさんのサイトにお邪魔した時に、この"Bare Trees"が(マイナーだけど)好きなアルバムだという話になり、コメント欄にも関わらず自分の中で少々盛り上がってしまった。。。(やっぱり好きなアルバムの紹介は自分のサイトでやらないとね;;)ということで、場所を変えて(自分の土俵で)もう一度、このアルバムについて少し書いてみる。

まずダニー時代ということでは、前作"Future Games"(1971)から追っていかないといけないだろう。このアルバムで初めてダニー・カーワンがフロントに立ち、お得意のフォークロア路線を確立したと言っていい。この頃のマックのサウンドはブルースでもない、ポップでもない、中途半端なイメージとして語られることが多いが、僕にとってみれば、ブルースでもあり、ポップでもある、ダニーのフォークロア的ロックサウンドなのである。それは幻想性溢れるブルースポップサウンドでもある。"01 Woman of 1,000 Years"、"04 Future Games"、"05 Sands of Time"、"06 Sometimes"あたりはもう完成されたサウンドだろう。この辺りは音楽的な好みの問題になるが、僕は好きだ。
もちろん、このアルバムから新加入したボブ・ウェルチのソングライティング、そしておそらくサウンド構築の能力も素晴らしく、この時期のマックサウンドにおける貢献度も大。
改めて思うけど、この"Future Games"(1971)こそがダニー時代の代表作と言っていいだろう。

そうすると、"Bare Trees"(1972)は、ダニー時代の傑作だと言えばいいか。"Future Games"に比べると、ダニー色は少し薄れ、ボブ&クリスティン色が濃くなる。というか、この3人が並列であるとの印象が強い。その為、アルバムの曲調としては、ポップでハードな面が強調されているが、トータルな色合いはわりと纏まっていると思う。ダニー・カーワンにしても、前作のフォークロアな味わいよりもブルージーでスピーディでポップな印象が濃い。
まず、このアルバムは流れが最高にいい。最初のダニーの"01 Child of Mine"、ボブの"02 Ghost"、クリスティンの"03 Homeward Bound"、そしてインストの名曲"04 Sunny Side of Heaven"と繋がるAサイドの展開が素晴らしい。3人のブルース&ポップフィーリングに溢れた楽曲がまるで400mバトンリレーのようにスムーズに受け継がれる。それぞれの曲のポテンシャルが高いわりに、曲の展開に違和感がない為、聴いてる僕らの気持ちもだんだんと盛り上がっていくのである。
その後に続く、ボブとクリスティンの絡む"06 Sentimental Lady"もいい。この辺りは新境地だろうか。クリスティンのコーラスは優しげで儚げでとても暖かい。後のファンタスティック時代を予感させる素敵な歌声だ。
その他、ダニー&ボブの"05 Bare Trees"や"09 Dust"、クリスティンの"08 Spare Me a Little of Your Love"もカッコいい。特にクリスティンの曲は彼女特有の軽快なポップセンスが心地よく、いよいよ彼女も本領発揮か、というところだろう。
とにかく、"Bare Trees"はそれぞれの曲も良いが、全体の構成と展開が素晴らしく、アルバムとしてのカッコよさがある。だから傑作なのだ。

その後、、、ダニー・カーワンが精神に変調をきたし、バンドを脱退。フリートウッド・マックは実質的にボブ・ウェルチとクリスティン・マクヴィーの2枚看板となる。"Mystery to Me"(1973)や"Heroes Are Hard to Find"(1974)といった傑作を発表していくが、バンド内の愛憎関係や契約のこじれなどがあって、バンドとしては不遇の時代だったと言われる。確かに以前に書いたように僕は"Heroes Are Hard to Find"(1974)が好きなアルバムだけど、この作品はクリスティンの珠玉の3曲でもっているところもあり、アルバムというかバンドとしての統一感で言えば、ダニー時代にはやはり及ばない。

3人寄ればなんとやら。。。3人というのはよく纏まるのかな??
マックのフロントも3人というのが実はベストなのだろうな。。。

ダニー時代を含めたボブ&クリスティンの第2期マックを非難/軽視している人ほどこの時代のマックをちゃんと聴いていないはずだ。。。マックの素晴らしさというのは、時代時代で実に多様なのである。そのことについて、もう一度考え直したい人がいたら、まずこの"Bare Trees"から手に取ってみることを僕は薦める。70年代サウンドが好きな人なら決して後悔しないはずだ。。。(保証はしないけど;)

a0035172_11394759.jpg


-------------------
Fleetwood Mac "Live at the BBC"(1995)のレビューはこちら!
Fleetwood Mac "Heroes Are Hard to Find"(1974)のレビューはこちら!
Fleetwood Mac "Rumours"(1977)のレビューはこちら!
[PR]

by onomichi1969 | 2005-05-22 12:13 | 70年代ロック | Trackback(1) | Comments(10)

トラックバックURL : http://onomichi.exblog.jp/tb/1954807
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from 音楽の杜 at 2008-10-11 09:59
タイトル : Fleetwood Mac 「Bare Trees」(1..
以前フリートウッド・マックの「噂」をご紹介して、ボブ・ウェルチの「フレンチ・キッス」に至った訳ですが、そういう展開ですと当然乍ら、このアルバムへ行き着くわけです。 アナザーサイド・オブ・マックという感じでしょうか? 70年代黄金期のマックとはまた一味違うポップセンスに惹かれてしまいます。 ジョン・マクヴィーが描いたジャケットからは、クールなサウンドを連想してしまうのですが、①「Child Of Mine」からストレートなロックが展開されます。当時中心メンバーの一人であったダニー・カーワン作...... more
Commented by oldblues at 2005-05-22 18:44
スキンのデザインが少し変わり、よりPOPな感じになりましたね。ところでフリート・ウッド・マックですが、あれほど有名なバンドにもかかわらず、僕はほとんど聞いた事が無い。いまだに「英吉利の薔薇」しかしらない(笑) 手始めに何を聴いたらいいですかねえ?
Commented by onomichi1969 at 2005-05-22 21:51
oldbluesさん、こんばんわ。
POPでオサレなブログを目指してまーす。外観だけは。。。
フリートウッド・マックの手始めですか!?
僕なら、、、ピーター・グリーンズは『BBCライブ』、ダニーがメインなら『Bare Trees』、ボブ&クリスティンで『Heroes Are Hard to Find』、リンジー&スティーヴィーだったら、やっぱり『噂』でしょう。。。なんて、これは僕のエントリー順番でした。(次は『噂』の予定か) これじゃ多すぎですかねぇ;;
やっぱり一番有名なのは『噂』ですよね。僕はこのアルバムも大好きです。なんていってもスティーヴィー・ニックスは僕のアイドルですから。。(但し70年代までかなぁ) "Dreams"はいいですよー。
Commented by oldblues at 2005-05-22 23:46
「噂」はどえらいヒットしましたから、さすがの僕も知っています。しかし、ブルースバンドだったはずのマックが、軽いポップバンドに変身(と思っていた)というのに面喰い、なんつーか「食わず嫌い」になってしまったんですよね~
Commented by onomichi1969 at 2005-05-23 00:01
oldbluesさん、なるほど。
『ブルースロック一辺倒だったフリートウッド・マックは、如何にしてポップ・バンドに生まれ変わったか??』
これは、なかなか面白いテーマかもしれません。
ある意味で60年代から70年代、そして80年代にかけて、ロックが辿り、ポップが確立した足跡に大いに関係しますよね。
その辺りがマックというバンドの多様性に対応していて、このバンドの作品を聴き解く面白さに繋がるのでしょう。たぶん。
Commented by teacherteacher at 2005-05-23 00:01
クリティンは、昔からマックのメンバーだったんですね。
彼女の書くバラードは、何とも色っぽくて好きです。(Song Bird)
ソロアルバムで、スティーヴ・ウィンウッドと歌ってるんですが、
クリスティンの声に、スティーヴのオルガンが絡む展開が(・∀・)!!
・・若い頃のステーヴィ・ニックスは、綺麗でしたね、ヒラヒラ衣装もステキ
彼女の曲では「Storms」とソロの「ブルーデニム」が好き
Commented by onomichi1969 at 2005-05-23 00:20
teacherteacherの親玉さん、
クリスティンは、マック初期からクリスティン・パーフェクト名義でサポートとして参加してますね。人気ブルースロックバンド、チキン・シャックのメンバーでもあり、コテコテのブルース・ウーマンだったのです。
彼女のソロファースト『Christine Perfect 』は未だに聴きたくて聴けない一枚。。。
Commented by むつみ at 2005-05-27 22:07 x
体調不良?により、コメント遅くなりました。スミマセン。
あたしは Fleetwood Mac って、3時代にしか分けて考えた事がありませんでした。Peter Green, Bob Welch, Lindsey Buckingham。そうか、Danny Kirwen 時代って考えても良いのかもしれませんね。
そうでないと "Kiln House" は浮いちゃうし、"Future Games" や "Bare Trees" にしても Bob の力が出きってないと思うんです。それにこの "Bare Trees" にいたっては、Danny の曲が好きかどうかで評価が分かれるアルバムだと思いますから。
えーと、次は "Rumours" ですか?。楽しみにしています♪。
Commented by onomichi1969 at 2005-05-27 23:51
どうもー、むつみ様。元気ですかー。
"Kiln House"は確かに浮いちゃいましたね~。1.25期。。。
ジェレミー・スペンサーのロックンロール魂も結構好きですよ。BBCライブは、はじけるジェレミーが聴けて楽しいアルバムです。。
でも、僕はダニー・カーワンが好きですねー。『BBCライブ』のジャケット写真もカッコよくってgoodです。元々、第1期のフロント3人のバランスが好きだったけど、最近はダニー、ボブ、クリスティンのバランスもなかなかいいなぁと思ったりします。
次は"Rumours"か。。。がんばります!
Commented by 240_8 at 2008-10-11 10:04
過去記事にTBすみません。
本作、恥ずかしながら最近初めて聴いたのですが、いいですね。特にダニーの楽曲に夢中です。④のギターインストはなんとなくビーチボーイズを連想してしまい、大好きな1曲です。
いいアルバムですよね。
Commented by onomichi1969 at 2008-10-11 23:37
240_8さん、こんばんは。
"Sunny Side of Heaven"はいいですね。僕も大好きな曲です。上のレビューでも書いたけど、やはりA面の流れが素晴らしいし、B面も佳作揃いです。3人の個性がうまくバランスしていると思いますね。
アクセスカウンター