Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 Public Image Ltd ”Second Edition”(1980) semスキン用のアイコン02

  

2005年 05月 05日

a0035172_8335658.jpg70年代後半に興ったパンク・ムーブメントは、ピストルズの解散と共にニューウェーブへと移行し、パンクが標榜したシンプルなビートスタイルも再び多様化することになる。
その中でポスト・パンクというタームが80年代初期にメディアに登場するが、僕の印象では、このターム自体が持っていたパンクへの崇敬も当時のMTV的ビジュアル重視の文化に早々に圧されており、「ポスト・パンク」は既にして80年代という時代から零れ落ちた存在だったのかもしれない。

ポスト・パンクの代表選手といえば、P.I.L.(Public Image Ltd)である。奇しくもパンクをムーブメントとしてメジャー化した立役者ジョン・ライドン(ピストルズ時代はジョニー・ロットン)がピストルズ解散後に結成したバンド(というかスタイル)である。
ジョン・ライドンと言えば、ピストルズ解散時に発した「ロックは死んだ」という発言が有名であるが、ロックが死んだと言う張本人が奏でるロックとは如何なるものなのか? おそらく当時の人々の関心もそこにあったのではないか?

”Second Edition”(1980)<通称:『メタル・ボックス』>は、P.I.L.の代表作であり、80年代初期のポスト・パンクの傑作と言われる。正にロックが死んだ後の音楽がここにあり、これこそが80年代のポップチューンである、と。
僕は20年前にこのアルバムに接したが、敢え無く撃沈している。MTVっ子だった当時の少年にはとても受付けられるような音楽ではなかったのである。このアルバムのダビングカセットは、Talking Headsの”Remain in Light”と並び、すっかり省みられることなく、別のアルバムによってオーバーダビングされる運命となる。

『メタル・ボックス』にもう一度トライしようと思いたったのは、実は4-5年前である。Radioheadの”Kid A”を聴いてからだ。
今では、P.I.L.の”Second Edition”(1980)、そして”The Flowers of Romance”(1981)は、よく聴くアルバムのひとつである。時々、無性に聴きたくなる。そういう種類の音楽である。

「人間の理性領域に存在する叙情性がメロディを理解し、より根源的な領域、その地平においてリズムは共鳴する。」

この手の音楽に対する解釈というのは、いろいろとあると思うが、僕はこう思っている。
確かに”Second Edition”に手軽に反芻できるようなフレーズ、メロディは皆無である。このアルバムのどの曲も簡単に僕らの手のひらや口の端にのせられるような代物ではない。しかし、そのリズムは確実に僕らの体に染み入る。共振する。そして我知らず、ある種の快楽を呼び起こされる。
麻薬的な音楽。そのグルーブはある意味でとても危険だ。
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by onomichi1969 | 2005-05-05 08:34 | 80年代ロック | Trackback(1) | Comments(2)

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Tracked from !!!!! 大佐日報 !.. at 2006-04-15 04:51
タイトル : PUBLIC IMAGE
これは、ジョニー・ロットンの物語 だんだん消え去るよりは、燃え尽きてしまった方がいい。 MY MY,HEY HEY… 「MY MY,HEY HEY(OUT OF BLUE)」/NIEL YOUNG 大御所ニール・ヤングに歌詞中でこう賛辞を送られたロックンロールの破壊者にして創造者、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンがP.I.Lのボーカリストジョン・ライドンとして発表したアルバム「パブリック・イメージ」 私はこのアルバムが大好きです。音楽性の深化した分だけピストルズの「勝手に...... more
Commented by hyuma at 2005-06-19 14:57 x
まちがいなく「麻薬」的な音です。やめたいのにやめられず半年に一回は聞いてしまってます。(笑)
Commented by onomichi1969 at 2005-06-19 18:53
hyuma様、こんばんわ。
おー、PILに嵌まっておりますか。僕も仕事帰りのふらふらした状態でPILの音楽を聴いたりしますが、これはちょっと危険な聴き方かもしれません。。。やはり、用法、用量をきちんと守ることが重要かも。。。
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