Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

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semスキン用のアイコン01 ブラウン・バニー "The Brown Bunny" semスキン用のアイコン02

  

2005年 04月 29日

a0035172_1614393.jpg映画が現実に起こりえるとか起こりえないとか、そういった基準で観られるべきものではないというのが僕の考え方だ。

バイオレット、リリィー、、、何故、花の名前か?
ローズ、、、美しいものの余韻。名前という幻想。名前にこそ意味がある。取り替えのきかない名前という幻想。それは彼の心を執拗に捉えていく。
なぜリリィーは涙を流しているのか、そんなことは疑問として意味がない。ただ涙を流しているということが答えなのだ。

妄想?失われたものへの掛け替えのない想い。それを抱えていかなければ生きる意味なんてない。でもこれ以上の哀しみを背負う必要があるのだろうか。そして思いとどまる。

ロードムーヴィーとは何かを探す旅を映す。彼は?砂漠での疾走。砂漠という茫洋。無意味の意味。彼は何を追い求めているのだろう。

デイジーは死んで、死んだものは現実には帰ってこない。だから彼は夢想する。幻想としてのデイジーを彼は赦す。人が生きる原理を掴むにはまず赦すことから始めなければならない。彼が欲したのは、彼女を赦すということ。その不可能性の可能性。それは幻想であるが、それは彼にとって必要なことだったのである。

そして彼は帰還するのだ。

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映画とは何か?という問いすらも無意味と感じるほどにこの映画は作品として真摯である。僕はこの一点において作品を受け入れる。この映画に不要なシーンなど一つもない。

もう一度言う。この映画に不要なシーンなど一つもない。すべては繋がるのである。

それが僕らを動かすのだ。

そこにこそ、映画に対する僕らの絶対的な評価の本質がある。

映画的手法に方向性の間違いがあるかもしれない。
あるシーンに生理的な嫌悪を感じる人がいるかもしれない。
フィクションとして、あのシーンを受け入れられない人がいるかもしれない。

しかし、この映画のすべてのシーンは映画的現実である。それは事実としてそうなのである。その評価の基準を作り手と受け手との信頼関係に求めるならば、僕はこの作品の真摯さを十分に受け止めることができた。
この映画に感動してしまった事実は僕の中で消えず、それを裏返しの評価で否定することなんてできはしないのである。2003年アメリカ映画(2005-01-23)

『ブラウン・バニー』-goo映画-
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by onomichi1969 | 2005-04-29 01:14 | 海外の映画 | Trackback(1) | Comments(4)

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Tracked from *A BOUT DE.. at 2005-06-23 04:22
タイトル : ブラウン・バニー
ビンセント・ギャロといえば、記憶にいつまでも新しい "バッファロー'66" この映画を初めて観たとき、『映画を数観ている友達が"いい"と言っていたのに、いまさら観たんだろう』『なんで今まで観なかったんだろう』って自問しました。 それ以来何回も観ています。 この映画の事を知った時は当然観たいと興奮しました。 すぐには観れないから、我慢して先ず感想が知りたくて映画サイトなどを見たのですが、評価を見て唖然。 酷評が多かったのです。 フランスに来て、2・3ヶ月した頃、フランスで公開されたので...... more
Commented by blues1974jp at 2005-04-29 03:28
これはひそかにしみじみした映画でした。前作の痛快な衝動につぐ衝動の展開とここまで違うのかとも。・・・・・そして、ふと隣席で観てた家人の熟睡体勢にきづくw 途中で寝言までいいおってまったく・・という、そういう意味でも忘れがたい作品です。男向き・・・なのかなあ・・・。
Commented by onomichi1969 at 2005-04-29 06:42
blues1974様、おはようございます。(早起き!)
この映画。。。前半退屈、後半衝撃、というのが大方の評価のようですね。
さらに某映画サイトでの評価からすると、女性の方がこの映画を絶賛しており、男性は前半の退屈さを含め、例のシーンに対しても低評価(というかボロクソ)のようです。
ある意味で男性の方が保守的だなぁと感じますね。僕は、例のシーンによって、この映画が貶められるものではない、それ以上の価値がある作品だと思ったんです。(そのことを改めて表明する為にエントリーも追記しました。)
Commented by a_bout_de_souffle at 2005-06-23 04:37
はじめまして、突然・勝手にですが、TBさせていただきました。
公開当時、『元カレ』と言っても過言ではないような、仲良しの男の子に誘われていたのですが、多忙・過労で断りました。
後に内容を知ったので、お互いの為に断って良かったなぁ…って思います。
"バッファロー'66"も好きですが、こちらの作品の悲しさも好きです。
Commented by onomichi1969 at 2005-06-24 00:37
「元カレで仲良しの男の子」って、やっぱり微妙な存在なのでしょうか?
まぁどうでもいいですが、、、

a_bout_de_souffle様、はじめまして、こんばんわ。
コメント&TB有難うございます。

僕の場合、女の子と映画を観るに際して、特にそれ用に作品を選ばない(観たくない映画は観ない)ので、ついつい重~い映画を観てしまい、映画館を出た後に妙にお互いに無言になる、ということがよくありました。。。
この映画は幸いにして一人で観たのでよかったけれど、、、
デートに映画っていうのは使いやすいけど、やっぱりちゃんとした映画は一人で観るのが一番ですね。
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