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semスキン用のアイコン01 Beck Bogert & Appice "Beck Bogert & Appice"(1973) semスキン用のアイコン02

  

2012年 05月 05日

a0035172_22563818.jpgロック史上最強の3ピースバンド、、、と言えば、Creamか、Jimi Hendrix Experienceか、BBAか、GFRか、RUSHか、うーん、どれもすごいバンドだ。
3ピースバンドの特徴は、ギター、ベース、ドラムのテクニカルなアンサンブル、そのインタープレイにあると言われる。ボーカル専門が不在の為、思う存分にインタープレイを行えるわけだ。とすれば、その味わいの究極はライブにあり、それぞれのバンドには歴史に残るライブ盤、名演奏がある。

・・・と断言してしまっていいのだろうか?
一抹の不安があるのが、BBAのライブ盤。"Beck Bogert & Appice Live in Japan"(1973)である。このアルバムは日本限定盤であり、正式に全世界で発売されているものではない。録音状態が悪く、演奏も完全ではないというのが巷の評判。特にボガートとアピスのボーカル、コーラスワークが外しまくっており、演奏のミスタッチも多い。

そもそも、BBAの音楽とは、スタジオ盤の"Beck Bogert & Appice"(1973)に代表されるように、当時のハードロックの潮流、ZEP等に比べるとメロウに偏っている。代表曲であるLadyにしても、迷信にしても、ハードロックにしてはポップな曲調であり、Sweet Sweet Surrenderに至っては美しすぎるバラードである。しかし、Ladyを聴けばすぐ分かるようにその演奏力は抜群である。3人のアンサンブルは協調というよりも格闘である。ヴァニラ・ファッジとカクタスで馴らした重量級のリズムセクション、ボガートとアピスにジェフ・ベックがギターで対抗するという構図である。
ハードロックの曲には、ブルーズやフォークロアをベースとした様式があり、その楽曲はポップスと一線を画する。しかし、BBAはその型に嵌らなかった。メロウでポップな曲をハードにゴリゴリと演奏する。そして、その演奏力は、CreamやJimi Hendrix Experienceに匹敵する。ジェフ・ベックもCreamを意識してBBAを結成したのであるから、その演奏スタイルは必然だったのだろう。

ジェフ・ベックの70年代は、第2期ジェフ・ベック・グループから始まり、BBA、そしてソロ・ワークに続く。第2期の2枚のアルバムはボブ・テンチとマックス・ミドルトンという2人ジャズ&ソウルの達人に負うところが大きいが、特に2枚目のオレンジアルバムは今聴いても全く古さを感じさせない、ブラックミュージックとロックが融合した音楽性豊かな傑作である。BBAをそれと比較してその優劣を論じるのは少し違うだろう。BBAと比較すべきはCreamやJimi Hendrix Experience、当時のGFR等である。そうすれば、逆にBBAのアルバムのすごさが浮かび上がってくる。

Ladyを聴いてみてほしい。イントロから爆発する手数の多いアピスの重いドラミング。ビシビシ決まる。バトルを繰り広げるベックのギターとボガートの速弾きベース。迸る緊張感。日本でのライブ盤もこの名曲 Ladyに至ってはライブのクライマックスとでも言うべき激しい演奏となる。いつまでもこの世界が続いてほしいと思う。しかし、曲は短い。BBAの特徴からすれば、凡庸な演奏でしかないSweet Sweet SurrenderやI'm So Proudの位置づけに戸惑ってしまうのも仕方がない。結局のところアルバムとしてみれば中途半端な印象はぬぐいきれないか。やはり、もう1作。トータルとしてLady級の演奏と緊張感が持続したようなアルバムがあったなら、BBAこそがロック史上最強だったろう。
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by onomichi1969 | 2012-05-05 09:51 | 70年代ロック | Trackback | Comments(0)

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