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semスキン用のアイコン01 エレファントカシマシ 『東京の空』(1994) semスキン用のアイコン02

  

2004年 12月 19日

a0035172_0245510.jpg僕がエレファントカシマシを知ったのは、80年代も末、NHKかなんかでやっていた何処かのロック・フェスのライブ映像が初めてだったと思う。ボーカルの宮本のどこか投げやりながら迫力のある歌声とノリの良い楽曲、わりとヘヴィーな演奏がとても印象に残った。
当時の僕はどちらかといえば映画に夢中になっており、音楽への関心が薄れていた時期だったが、流行りのバンドブームの影響もあってか、洋楽に比べ邦楽については以前よりも多く聴くようになっていた。世間的にはジュンスカイウォーカーズやユニコーン、それにイカ天出身のバンドの人気が高かったように思う。
僕がその頃の日本のバンドで好きだったのは、ストリートスライダーズや泉谷しげる&ルーザーなどのロック色の強いギターサウンド中心のバンドだったが、やはりエレファントカシマシもその独特の色合いがひじょうに気になるバンドであった。
初めて彼らのアルバム聴いたのは、3rd「浮世の夢」だったと思う。はっきり言って最初は「なんなんだこれは?演歌か~?」と思ったのも事実である。しかし、他のバンドと一線を画すスタイルにはとても惹かれたし、その独特な音楽性には正直いってちょっと病みつきになりかけた。それから2ndと1stを聴いて、ますますこのバンドが好きになったのである。
いまでも1stアルバム「エレファントカシマシ」はわりとよく聴くアルバムである。彼らの初期の作品の中ではもっともストレートなロックであり、そのスタイルは荒削りであるが、まだ未熟さゆえの激しい鼓動を最も感じることができる作品となっている。とはいえ、「デーデ」や「習わぬ経を読む男」など、日本のロックとしてはかなりの名曲ではないかとも思う。宮本の自意識が赤裸々な詩世界とまだ多少キャッチーな曲調のアンバランスが胸を打つ。彼らの以降の作品に比べればかなり聴き易い曲である。
確かに4nd「生活」あたりから、さすがの僕でもついていけない世界に彼らは行ってしまったようだ。方法論的には理解できるが、このアルバムを聴きとおすのはかなりしんどかったのだ。<正直つらい。。。>
それからしばらく彼らの存在自体を意識することもなく数年経つのであるが、たまたまTVで観た当時の最新シングル「悲しみの果て」のPVで彼らがよりシンプルなロックに立ち返ったことを知り、「あーこれでエレファントカシマシも世間に受け入れられるだろうな」と思ったりしたものである。実際、彼らがドラマの主題歌でもあった「今宵の月のように」によってメジャーシーンで知られるようになったことはとても喜ばしいことだった。

前フリがかなり長くなったが、今回ここで取り上げるアルバムは、彼らの7枚目のアルバム「東京の空」(1994)である。「ココロに花を」「明日に向かって走れ」の前作品にあたり、ちょうどレコード会社を移籍する前の最後の作品でもある。ここでは、いくつかの曲に以後の彼らに特徴的なキャッチーさの萌芽が見られるのと同時に「東京の空」のような実験的かつ完成度の高い、ロックという枠を軽々と超え出るような新たなフィーリング溢れるエレカシサウンドも聴かれる。このようなサウンドを今後も展開していって欲しい気もしたが、次作「ココロに花を」で選択したのはポップでキャッチーな路線の方であった。<それも叶わぬ浮世の夢なのか。。。> とにかく「東京の空」はバランス的にとても聴き易く、なおかつ聴き応えのあるアルバムだ。そして、あえて1曲選べばやはりタイトル曲「東京の空」に尽きる。宮本の声、ヘヴィーなサウンドにかぶる近藤等則のエレキトランペットが絶妙である。ZEPを彷彿とさせるような迫力ある構成、楽曲も素晴らしい。この「東京の空」は、あえて言えば、彼らの最後の仇花的な曲なのかもしれない。

その後、ポップでキャッチーなサウンドを全面的に展開することによってエレファントカシマシは世間的な評価を勝ち得たわけであるが、このバンドにとってそれは良かったことだと僕は思っている。やっぱり売れなければバンドは存続しえないのだ。何かを捨てないと、人は先に進むことはできない。その勇気を持ちえたことを僕は評価したいのだ。

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by onomichi1969 | 2004-12-19 00:27 | 日本のロック | Trackback | Comments(2)

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Commented by oldblues at 2004-12-19 13:55
エレカシは70年代の香りがぷんぷんするようなバンドなんですよ。だからおじさんの僕も好きでス。(笑)
私は、アルバム「明日に向かって走れ」がお気に入りです。「紅い薔薇」「恋人よ」は名曲だと思う。しかし彼らの曲の歌詞は、一人称を表現する言葉として「おれ」と「ぼく」が混在しちゃうのが少し気になるところ。ま、固い事言わなくてもいいんですけどね(笑)
Commented by onomichi1969 at 2004-12-22 01:33
oldbluesさんもエレカシを聴きますか。
ぜひ「浮世の夢」あたりを聴いて欲しいですね。まぁとにかく一聴の価値ありです。もうこれは彼らにしかできないサウンドですよ。
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