ブルーバレンタイン "Blue Valentine"
2012年 01月 17日
『ブルーバレンタイン』が描くカップルの諍いは何を表現しているのだろう?お互いのプライドが共存の可能性を閉ざし、また学歴や職種の格差そのものが人生観/生活観の衝突を避けがたいものにする。恋愛のコツは相手を甘く見ること。そう言った女性作家もいたっけ。ある種の格差が共依存の関係を生み出し、まるで鋳型のようにぴったりとした相性となることもある。まぁそれはそれとして、僕は『ブルーバレンタイン』の描き出す夫婦の光景(ある意味で凡庸な出会いと諍いと別れのリアルな光景)にどのような意図があるのかがよく理解できなかったし、意図を超えた感動も覚えなかった。
旧来、ラブストーリーは、人々に恋愛という可能性を与え、家族を巡る物語(例えば小津映画)は、生活という類型を支えた。この映画のリアルが幻想や類型を否定してみせたとして、そのこころは? 一体何なのだろう? それもまた類型でしかない。
結局のところ、僕はこの作品に映画として心に響くものを感じることができなかった。2010年アメリカ映画
by onomichi1969 | 2012-01-17 00:09 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)