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semスキン用のアイコン01 Elvis Costello ”King Of America”(1986) semスキン用のアイコン02

  

2004年 11月 20日

a0035172_17221722.jpgElvis Costello ”King Of America”(1986)
このアルバムの全ての曲、特にバラードは、一度聴いただけで僕らにある種の懐かしさを感じさせる、ポップミュージックそのものの郷愁を漂わせる珠玉の名作ぞろいであり、またコステロの歌声はそれらの曲に十分に映える。まさにここには、響きのある「うた」が存在している。
パンク/ニューウェイブの時代にデビューして以来、コステロは自らの音楽スタイルを求道してきた。それはある意味で時代的な要請としてのキャラクター模索だったのかもしれない。彼は一種のギミックとしてのエルビスを名乗り、ポップで遊び心満載のロックンロールを歌った。しかし、一方でデビューアルバムの名曲「アリスン」では、自らの不明瞭な傷心を赤裸々に表明し、苛立ちと優しさが交錯する行き場のない過剰さを切々と歌いあげた。そういった彼の過剰な自意識は、執拗にキャラクターを求めるのと同時に一つのキャラクターへの留まりを無意識的に拒否するだろう。性急さに囚われ、常に変遷していくことが彼にとっての強迫観念となっていったはずである。
しかし、彼には響きのある「うた」があった。「アリスン」が僕らの心を震わせるのは、そのシンプルなメロディにのせた彼の歌声、その響きから立ち上るある種の切実さによるところが大きい。そして、彼が素直に自らの切実さを自らの響きによって表現しようと考えたのはとても自然な流れだったように思う。簡単に言えば、「原点に帰る」ということだろうか。それは自らのゼロ地点であり、自らの弱さを踏まえて世界を理解することでもあったはずである。そこから生まれたのは、ある種の「優しさ」ではなかったろうか。それは人の心に確実に届くのだ。
“Indoor fireworks” “Little palaces” “I'll wear it proudly” “Jack of all parades” “Suit of lights” …とても素晴らしい「うた」達である。 
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by onomichi1969 | 2004-11-20 17:25 | 80年代ロック | Trackback | Comments(2)

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Commented by teacherteacher at 2004-11-28 23:58
出ましたね~。「King Of America」!
このCDは、本当にいい曲ばっかり入ってますね。 飽きないし。
あと、少しでライブなので、毎日わくわくしております。
今回も「Suit of lights」を歌って欲しいなぁ・・
Commented by onomichi1969 at 2004-11-29 00:25
teacherteacherさん
ライブ楽しみですね。
といっても、僕は行けませんので、
teacherteacherさんのレビューを楽しみにしてます!
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