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semスキン用のアイコン01 ミッション:8ミニッツ ”Source Code” 10月公開予定 semスキン用のアイコン02

  

2011年 08月 06日

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本来、理論的位置づけがそこはかとなくあって、主題が現代思想的にも有意で、なおかつ人間的に必然な要素(恋愛とか利己とか家族愛とか)が絡んでいて、とにかく面白い、というのがSF作品に僕らが求めるところではないだろうか。
映画『インセプション』のレビューで僕はこう書いた。そして、昨日、そんなSF作品に偶然出会ってしまった。映画『ミッション:8ミニッツ』(原題”Source Code”)である。日本未公開ながら、LufthansaのFRT~NRT機内映画として上映していた。これがとても面白かったのである。

SFとしての設定はそれほど難しくない。
シカゴで列車爆破事件が起きる。アメリカ陸軍の元ヘリコプター・パイロット、コルター・スティーブンスは、政府の開発したシステム『ソース・コード』によって、テロの犠牲になった一般人の死ぬ直前8分間の意識(記憶)に侵入し、犯人の手がかりを掴むというミッションを与えられる。彼は、カプセルの中に拘束され、コントロール室の女性大尉コリーン・グッドウィンの指示により他者の記憶への侵入を繰り返す。
このミッションの成否により、次に予告されている大規模爆破テロを防げるかどうかが決まる。繰り返される8分間の中で、コルターは「何故自分なのか?」という考えに囚われてコリーンと対立しつつも、ミッションを果たすために奮闘するのだが。。。

コルターは、他人の記憶に意識を同化させることにより、彼の最期の8分間を何度も「生きる」。しかし、彼は、犯人に辿り着くことなく、列車を何度も爆発させてしまう。その中で、列車の中で関わる人々の動きが彼自身の行動の変化によって毎回違うことに彼は気付く。これは記憶の変遷、仮想現実の単なるバリエーション(誤差範囲)にすぎないのか?そして、何度目かの意識同化の中で、彼は逃走した犯人の手掛かりを見つけることに成功し、犯人は現実の中で逮捕される。しかし、ミッションの成否に関わらず、列車の中の人々は、現実にはもう既に死んでいる過去の記憶の断片にすぎないのだ。そして彼も。。。

彼は、2-3度目かの記憶同化の際に、同席していた女性を列車から救い出し命を助ける。彼は、既存記憶の枠を超えて彼女の命を助け得たことに、彼の行動が持つある種の可能性に気付く。繰り返される8分間の中で、彼は彼女と何度も出会い、会話を繰り返し、彼女に恋をした。彼は、現実には死んでいる彼女を助けたいと切実に願った。その思いは冷徹と思われたコリーン・グッドウィンを動かす。最後の最期の8分間の中でコルターはある決意をする。。。

脳内信号が言語データとして扱えること。他人の脳内記憶データを認識することにより、意識が時空間を超えて存在できること。そして、そこから人間原理に基づく量子力学的な多世界解釈が生まれること。この映画のラストシーン。時空を超えた意識が確率論的な現実を生み出し、量子力学的な多世界解釈と結びつく。彼は彼女を助け、世界を変える。意識のパラレルワールドを現実として生きる。素晴らしい。そうきたか!僕は「やったー!」と叫びたくなった。

あと1分しか生きられなかったら、何をする?

たぶん、今年一番のSF映画だと思う。日本では10月公開予定。(アメリカでは2011年4月公開、米映画)

※監督のダンカン・ジョーンズは、デヴィッド・ボウイの息子である。さすが、センスがいいね。
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by onomichi1969 | 2011-08-06 00:43 | 海外の映画 | Trackback(1) | Comments(0)

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Tracked from 映画のブログ at 2011-11-02 02:04
タイトル : 『ミッション:8ミニッツ』 選ぶのは誰か?
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