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semスキン用のアイコン01 ある少女の選択 田嶋華子さんの「延命拒否」 semスキン用のアイコン02

  

2011年 07月 23日

「ある少女の選択 “延命”生と死のはざまで」 NHKクローズアップ現代 2010年12月8日放送

腎臓の「人工透析」30万人。口ではなくチューブで胃から栄養をとる「胃ろう(経管栄養)」40万人。そして、人工呼吸器の使用者3万人。「延命治療」の発達で、重い病気や障害があっても、生きられる命が増えている。しかしその一方、「延命治療」は必ずしも患者の「生」を豊かなものにしていないのではないかという疑問や葛藤が、患者や家族・医師たちの間に広がりつつある。田嶋華子さん(享年18)は、8歳で心臓移植。さらに15歳で人工呼吸器を装着し、声も失った。『これ以上の「延命治療」は受けたくない』と家族と葛藤を繰り返した華子さん。自宅療養を選び、「人工透析」を拒否して、9月、肺炎をこじらせて亡くなった。華子さんの闘病を1年にわたって記録。「延命」とは何か。「生きる」こととは何か。問いを繰り返しながら亡くなった華子さんと、その葛藤を見つめた家族・医師たちを通じて、医療の進歩が投げかける問いと向き合いたい。
「NHKクローズアップ現代 内容紹介」より

昨晩、富山のホテルで再放送をたまたま観ることができました。
とても胸を衝かれました。

背骨が曲がり心臓に重い障害をもつ田嶋華子さんは、18歳の時に腎不全を発症し、自らの命の限界を悟ります。延命の為には入院による人工透析が必要なのですが、華子さんは「普通に家族と三人で暮らす」為にその治療を拒否するのです。そして言葉を伝えます。「命は長さじゃない。どう生きるかだよ」
両親は華子さんの意思を尊重しつつも、揺れ動きます。彼女の体は人工透析を受けないが故に浮腫み、膨れ上がっていきます。あるとき、父親は耐え切れず、華子さんに入院を勧めるのですが、彼女は父親の申し出をやんわりと拒否します。彼女は無力を嘆く母親にそっと手を差し伸べ、やさしく手を握ります。華子さんは、自身の生き方を貫きます。とても静かで強い意志、深い決意で。2ヶ月後、彼女は両親に看取られながら、自宅で息を引き取ります。

華子さんの決断は、「延命治療」の是非という「医療の進歩が投げかける問い」というよりも、「生きるとは何か」というシンプルな問いとして僕の胸を衝いたのです。声を失った華子さんは、パソコンや携帯のメールで多くの意思を残します。華子さんの言葉は、彼女のメール友達で、7歳の娘を病気で亡くしている年長の大学教授、野口明子さんの心を動かしたのと同時に、とても説得的に僕らに響くのです。彼女にとって「命」とは、先に延ばすものでなく、その瞬間を生きること、本当に大事な人と共にいることだと伝えられます。

彼女が「生きたい」と言うとき、それは大好きな家族とゆっくり過ごすことを指します。両親の問いかけに頷き、はにかみながら、笑顔で手を振る華子さん。それが自分らしくふわーと生きていくこと。生きるとはこういうことなのだなと教えられます。

死ぬのは怖くないの?と聞かれ、彼女は答えます。
「終わりだけど、終わりじゃない。心があるから怖くないんです」
そして最後の言葉。「感謝」

華子さんは自分の生き方を伝えたかったのです。多くの人に。だからこのドキュメンタリーがあります。ぜひDVD化または永久アーカイブにして欲しいですね。

ダイジェスト版はこちらで

※ ダイジェスト版では、華子さんと野口さんのメールでの交流がカットされています。本当はこのやりとりがとても心に響くのですが。。。
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by onomichi1969 | 2011-07-23 22:47 | ドキュメンタリー | Trackback | Comments(0)

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