Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent

onomichi.exblog.jp

ブログトップ

semスキン用のアイコン01 Bruce Springsteen "The Wild、The Innocent and The E Street Shuffle"(1973) semスキン用のアイコン02

  

2004年 10月 16日

a0035172_10345586.jpgブルーススプリングスティーンの代表作を挙げるとすれば…
「アズペリーパークからの挨拶」(1973)や「明日なき暴走」(1975)、「Born in the USA」(1984)あたりが妥当なところだろうか。もしかしたら、「The River」(1980)が一番という人がいるかもしれない。ちょっと地味だけど「闇に吠える街」(1978)を推す人もいるだろう。
しかし、僕は敢えて彼の2作目「青春の叫び」(1973)を代表作として挙げてみたい。原題を「The Wild、The Innocent and The E Street Shuffle」(1973)という。
このアルバムほど彼のアグレッシブなロックンロールが前面に押し出されているものはない。さらにアレンジもバラエティ豊かで、全体を通してスピード感に溢れる。1作目に通じる彼独特の蒸せかえるようなボーカル(言葉の奔流といわれる)を確かなバンドサウンドで支えている。ボーカルの暑苦しさにも増して都会的でスリリングなサウンドの印象が濃い。
この2作目の批評として、「アズペリーパーク…」で掴み「明日なき暴走」で完成される彼のスタイルの中間段階であるということから全体的に中途半端な、さらには散漫な印象を受けるということが聞かれる。
しかし、僕にしてみれば、「これほど完成度の高いアルバムはない!」と思えるのだ。
僕は「アズペリーパーク…」も好きなアルバムだけど、そこに足りないものがあるとすれば、バンド特有のグルーブ感だ。ボーカルの暑苦しさに耐えられるだけのバンドサウンドこそ彼には必要だったのである。
しかし、E-StreetBandと組んだ「青春の叫び」でこの問題はすっかり解消されている。ここには跳び上がるほどのグルーブ感が溢れているのだ。70年代的なジャンルごった煮サウンド、スリリングな展開、立ち眩らみ蒸せかえる言葉の奔流。それは新しいサウンドの始まりだったはず。
では、3作目「明日なき暴走」はどうか。僕にはここにひとつの分岐点があったと思う。よりシンプルでソリッドなサウンドへの移行である。2作目で完成形に達したサウンドスタイルをここで早くも変化させているのだ。現在の位置から俯瞰的にみれば、彼のこのサウンドスタイルの移行は80年代の主流を既にして捉え、「Born in the USA」の大成功を予見させるものであった。
これ以降の彼のアルバムは彼自身のスタイルの確立とともにワンパターン化の方向を目指してしていく。(と僕には思える) 時に「The River」のような冗長なアルバムをも産み落とす。
「The Wild、The Innocent and The E Street Shuffle」は、稀有なマスターピースであり、今聴いても全く色褪せない珠玉の作品である。後にも先にもないそのワイルドでイノセントな印象は僕らを深く強く揺さぶるのである。

THE WILD、THE INNOCENT and THE E STREET SHUFFLE
E-Street では little angel が step を踏み、少年達は shuffle し続ける。7月8日の Asbury Park。 Sandy は恋人を見送り、 Kitty は Big Pretty と別れてこの街に帰ってくる。Wild Billy のサーカスは Nebraska で夜を迎え、57th street では Spanish Johnny が Jane におやすみをつぶやく。そして、、、Rosalita は街に出て行き、 New York では Jazz-Men 達が Billy と Jackie の為に serenade を歌う…今夜。
By B.Springsteen&Onomichi


-------------------
Bruce Springsteen “Born in the U.S.A” (1984)のレビューはこちら!
Bruce Springsteen & the E Street Band "Live-1975-85"(1986)のレビューはこちら!
[PR]

by onomichi1969 | 2004-10-16 10:39 | 70年代ロック | Trackback | Comments(4)

トラックバックURL : http://onomichi.exblog.jp/tb/1181582
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by hyuma at 2005-06-30 23:14 x
確かにこのアルバムはある意味、完成度高いですね。 「ロザリータ」をはじめとするBossの後の音楽の原型はここですでに出来上がってますね。まさに{
Wild & Innocent」な世界ですね。
Commented by onomichi1969 at 2005-07-01 01:29
hyumaさん、こんばんわ。
過去ログへのコメントありがとさんです。
ブルース・スプリングスティーンと言えば、僕はやっぱりこのアルバムです。当時の彼こそは可能性の塊たる本当の「ロックンロールの未来」だったと思うのです。『明日なき暴走』も大好きでカッコいいアルバムだけど、そこには既にスーパースター・ブルース・スプリングスティーンという装飾が施されており、それがある種の気負いと感じられてしまうのです。
このアルバムのナチュラルでWild & Innocentな魅力溢れるブルースが僕は好きですね。
Commented by 瓦斯 at 2006-05-05 10:05 x
やっぱボスはriver born to run born in the usaまでだね。
良いよ。サイコーだよ。ボス。
Commented by onomichi1969 at 2006-05-05 18:08
瓦斯様、、、僕は『アズベリーパークからの挨拶』や『青春の叫び』、『闇に吠える街』も好きですね。邦題がベタなのもブルースらしい。
アクセスカウンター