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semスキン用のアイコン01 ブラック・レイン "Black Rain" semスキン用のアイコン02

  

2010年 05月 01日

a0035172_142024.jpg『ブラックレイン』に対する僕の評価は、松田優作に尽きる。昔から松田優作が好きで、遊戯シリーズ等に思い入れがある人間でなくても、多くの人たちがその圧倒的存在感に痺れるのではないか。

この作品は、癌を患った彼が自らの病気を伏せて撮影に望み、病魔と闘いながらも魂魄の演技をし続けたことがエピソードとして伝えられる。結果的に彼の映画としての遺作となるこの作品で、日本人の役者がハリウッド映画で通用すること、それを自身の命を賭けた最後の仕事としたと言えるわけだ。そんな彼の想いを抜きにしてこの映画を観ることはできない。

作品というのは、純粋な客体として絶対的に存在することは不可能だ、と僕は思っている。作品は、個人が観るという行為を通して初めて作品として個人に認識されるのであって、個人が観るという行為には、当然個人的な視点や歴史、或いは偏見が主観的に加わる。つまり作品とは常に鑑賞者と1対1の関係としてあり、評価というのはその関係性から立ちのぼる自身の思いとしてしか現われざるを得ないのである。作品は常にそういった思いをセットにして在る。

『ブラックレイン』という作品には、松田優作という役者馬鹿の生き様がオーバーラップしており、そんな彼に対する感情を抜きにして作品を評価しなければならないということは、(僕にとって)原理的に不可能なのだ。僕はこの映画をストーリーや設定、演出や映像など、映画のあらゆる評価軸を越えて、松田優作の歴史そのものとして評価するのである。1989年アメリカ映画(2004-07-04)
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by onomichi1969 | 2010-05-01 14:10 | 海外の映画 | Trackback | Comments(0)

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